30代後半での転職のポイントは?実態や転職のコツを事例も含めて解説

35歳を超えてからの転職は難しい…世間の転職に関する感覚は変わっても、そう思っている人はいるかもしれません。しかし、実際には30代後半での転職者数は、増加傾向にあります。

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化していく時代では、企業は専門性を持った即戦力を求めており、特に30代後半以降の即戦力人材は、企業からも高いニーズがあるのです。この記事では、30代後半の転職について現状と転職を成功させるためのポイントを解説します。

30代後半の転職の実態は?

30代後半での転職の実態は、どうなっているのでしょうか。まずは主なトピックを2つ紹介します。

企業からの即戦力人材へのニーズは高い

慢性的な人手不足や働き方改革など、社会構造の変化を要因として、転職市場は好調を維持しています。また、ビジネス環境の変化が高速化していることもあり、会社の柱となる新たな事業開発や抜本的な業務改善を進める企業も多い状況です。

このような中で、自社に不足しているスキルを持った即戦力人材のニーズが高まっています。その際、企業は若手をポテンシャル採用して時間をかけて育成するよりも、「今困っていて、事業課題になっていること」を解決できる人材を求めているのです。

30代、40代の転職成功者は増加傾向

こうした即戦力人材へのニーズの高まりから、30代、40代の転職者は増加傾向にあります。実際に、dodaエージェントサービスを利用した転職者数の伸び率の推移を見ると、30代は2019年度上期から2024年度上期までで1.6倍、40代は2.0倍となっています。

dodaエージェントサービスを利用した転職者数の伸び率の推移

参照:パーソルキャリア株式会社「転職サービス『doda』、『年代別 転職時の年収変動レポート』を発表~2024年度上期 20代の平均決定年収額は19年度同期比で111%アップ。30代40代も105%以上の上昇~」

また、2024年に30代後半で転職に成功した人の転職先の職種を見ると、「企画/管理系」(22.4%)「営業系」(19.2%)がトップ2となっています。そのほかにも、「IT/通信系エンジニア」や「モノづくり系エンジニア」「建築/土木系エンジニア」などエンジニア職のニーズも高い状況です。

30代後半で転職に成功した人の転職先の職種別割合データ

 参照:「転職成功者の平均年齢調査【最新版】年代別の転職活動のポイントは?」|doda

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※2020年12月、21年4月パーソルキャリア実施のインターネット調査より 調査対象:全国男女20~64歳会社員(N=347)

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30代後半の転職者に求められることは?

30代後半ではより深い専門性が求められる

30代前半では、与えられた業務とミッションの中で、自分なりの成果を出せているかがポイントとなりますが、30代後半ではさらに専門性が求められるようになります。運用者・作業者としての動きだけでなく、自社の事業戦略や市場環境などを踏まえた上で、計画から実行までスキルと知見を持って深く携わった経験がアピールポイントとなります。例えば、人事職といっても上流の人事戦略から行えるのかや、採用業務以外の労務・研修などもできるのかによって、見え方は変わります。

リーダーシップを発揮した経験も重要

上記のように、ポテンシャルで採用される可能性がある20代やその延長である30代前半と比較すると、転職先で即戦力になり得るスキルや経験が重視されるようになるのが、30代後半の特徴です。加えて、専門的なスキルだけでなく、リーダーシップを発揮した経験や周りを巻き込んだ経験なども求められます。

そのため書類選考や面接では、これまでどんな考え方やアプローチで業務に取り組み経験を積んできたか、プロセスも含めて分かりやすく整理・言語化して伝えることが重要です。

30代後半でも異業種への転職は十分可能

30代後半で、異業種への転職は可能なのかという疑問がある人もいるでしょう。

結論としては、異業種への転職は30代後半でも十分に可能です。2023年6月~2024年5月のdodaエージェントサービス利用者について、35~39歳のうち58.9%が異業種への転職を成功させました。社会人歴を重ね、経験と実績が積み上がってきている世代であるため、それらを活かしたキャリアチェンジを実現しやすい時期でもあります。

異業種・異職種転職のポイント

特に、人事・経理・法務・経営企画・DX・M&Aなど、ポータビリティの高い職種やスキルを持っていると、業界に関係なく転職できる可能性が高いといえるでしょう。

ただし、これまでの経験と求人内容との親和性を確認することが必要です。例えば、DXの経験を持っていても、自動車メーカーのDXと銀行のDXでは得られるスキルや経験に違いがあります。前者では工場現場のプロセス変革、後者では紙の脱却や審査効率化といったように、同じDXでも領域がかなり異なるケースも。

また、営業×自動車業界から経営企画×化粧品業界への転職など、職種も業界も両方異なる転職は、企業側が採用するメリットがないため、かなり難しいといえます。

そのため、未経験の業種へ転職する際は、これまでの経験がどのように新しい業界や職場で活用できるのか、具体的なひもづけを面接の場で説明できるように意識しましょう。

【関連記事】「異業種への転職の実態は?リアルな事例や何歳まで可能か解説」|doda X

30代後半での転職を成功させるには

30代後半での転職を成功させるには、どのようなポイントがあるでしょうか。ここでは、4つのポイントを紹介します。

マネジメント経験・リーダーシップをアピールする

企業は即戦力として、30代後半の転職者にリーダーシップを期待しています。マネジメント経験やチームを率いた実績を具体的に伝えることで、採用担当者に良い印象を残すことができるでしょう。

ただし、管理職の一歩手前での採用となるケースもまだ多い30代後半については、マネジメント経験は必須ではありません。経験がない場合は、これまでの仕事でリーダーシップを発揮した経験など、将来的に管理職を担えるポテンシャルを持っていることをアピールしましょう。

ポジションと親和性のある専門性をアピールする

特に即戦力として専門性が重視される30代後半の転職では、書類や面接で企業が求める専門知識やスキルを持っていることを示す必要があります。

30代後半は30代前半と比較すると、明確に何の分野が専門か、経験してきた業務の役割や規模感と転職希望先の業務内容との親和性をより問われるようになります。

そこで重要なのは、企業の採用背景と入社後に任されるミッション、求める人材像を理解し、それに対して活かせる自身の能力をアピールすることです。いかに貢献できるかを論理的に説明できれば、企業からの評価も高まるでしょう。

企業の採用背景については、後述する「転職サービスを活用する」のほか、企業のIR情報やプレスリリースなどからも把握できる可能性があるため、チェックしてみましょう。

ライフスタイルとの兼ね合いも意識する

30代後半は、子育てや親の介護が必要になってくる人もいるなど、ライフイベントも多い年代です。ワーク・ライフ・バランスも考慮して、転職先の働き方が自身のライフスタイルに合っているかを見極めましょう。

直近のライフプランを踏まえながら、フレックス勤務やリモートワークの導入状況、福利厚生などを確認してみてください。また、40代や50代の将来的なプランも視野に入れた選択が大切です。

転職サービスを活用する

転職サービスを利用することで、多様な求人情報へのアクセスや専門的なキャリア相談を受けることができます。例えば、ヘッドハンティングサービスを活用すれば、スカウトを通して最適な求人を見つけたり、自分の市場価値を確認したりすることができます。また、ヘッドハンターの力を借りて適切な準備を行いながら転職に臨むことができるでしょう。

前述した専門性のアピールについて、企業の採用背景と入社後に任されるミッション、求める人物像を理解するためにも、転職サービスは有効です。ヘッドハンターやキャリアアドバイザーから採用の背景などを聞くことで、企業側のニーズに合った経験やスキルをアピールするための準備ができます。

30代後半の転職成功事例

ここからは、実際にdoda Xで30代後半の方が転職を成功させたケースについて紹介します。

【39歳男性】複数業界を視野に入れ、納得のいく転職を実現

業界・職種 転職前:製造業 技術職

転職後:小売業 技術職
転職活動期間 約5カ月
面接した企業数 4社
年収 転職前:750万円

転職後:900万円

この方は、結婚・子育てを機に「地元での暮らし」を重視しながら、繊維メーカーから小売業界へ技術職で転職。キャリアアドバイザーのサポートで複数業界を視野に入れたことで、業務内容や社風に納得のいく内定を獲得しました。転職後は、家族との時間や仕事の幅に充実感を得て「転職して良かった」と実感しています。

【関連記事】「20年先の暮らしを想像し、将来のために転職相談。ありのままの自分で企業と対話し、得たウェルビーイング」|doda X

【39歳男性】企業との価値観の一致を重視し、よりやりがいのある仕事に転職

業界・職種 転職前:不動産業 営業主任

転職後:金融業 営業係長
転職活動期間 約6カ月
面接した企業数 6社
年収 転職前:850万円

転職後:850万円

この方は、不動産営業の数字優先の環境に違和感を覚え、「お客さまのためになる仕事」を追求したいと金融業界への転職を決意。キャリアアドバイザーとの対話で、金融業界やコンサル営業への希望が明確になりました。面接では、企業との価値観のすり合わせを重視して、結果、年収が同水準でよりやりがいのある金融営業への転職に成功しました。

【関連記事】「少しの違和感だからと見逃さずに転換のタイミングと捉える。自分の信念や価値観を大事にしてはたらける会社と出会うための選択」|doda X

【38歳女性】ヘッドハンティングサービスを活用してより裁量の大きい職場へ転職

業界・職種 転職前:広告代理店 クリエイティブ

転職後:広告代理店 クリエイティブ
転職活動期間 約3カ月
面接した企業数 1社
年収 転職前:800万円

転職後:850万円

この方は、正社員としてクリエイティブディレクターの経験を積みたいというキャリア設計の下、少数精鋭で裁量の大きい職場を求めて転職活動を実施。ヘッドハンターとのリモート面談では、対面による人柄の雰囲気が出づらい分、話す内容の精度を高めたことで手応えを実感。無事にヘッドハンティングサービスを活用して転職をかなえました。

【関連記事】「自分の能力や今後やっていきたいことなど考える時間をしっかり使うことができた」|dodaX

ヘッドハンティングサービスを活用して、30代後半の転職を成功させよう

社会構造の変化や転職市場の好況を背景に、即戦力人材である30代後半のニーズは高い状況にあります。より良い条件で希望に合った転職先を見つけるためには、ヘッドハンティングサービスの活用も有効です。

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藤田 有佳(ふじた・ゆか)

dodaキャリアアドバイザー

損害保険会社での勤務を経て、2014年にパーソルキャリア株式会社へ入社。​キャリアアドバイザーとして、一貫して転職を希望される方の転職活動をサポート。​金融業界をはじめさまざまな業界の企画職、経営・業務コンサルタント職の方のご支援を担当。​現在は、40~50代の管理職の方を中心としたハイクラス転職のご支援に従事。​

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