ハイキャリア人材とは?近年の傾向と転職の進め方を解説
転職に関するメディアやサービスにおいて、しばしば「ハイキャリア」という言葉を目にします。ハイキャリアとは具体的に何を指すのか、疑問に感じていた方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ハイキャリアの意味やハイキャリア人材になるために必要な取り組み、ハイキャリア人材の転職活動の進め方について解説します。
ハイキャリア人材とは、高いスキル・経験・実績がある人材のこと
ハイキャリアは「high」「career」を組み合わせた造語ですが、明確な定義が存在するわけではありません。転職市場においては、高いスキル、豊富な経験、優れた実績を備えた人材を「ハイキャリア人材」と呼ぶことがあります。
ハイキャリアにカテゴライズされる年齢・年収・役職についても、明確な基準はありません。スキル・経験・実績の面で優れている人材は、結果的に年収・役職が高くなる傾向があるものの、若手向けのハイキャリア転職サービスも存在します。
ハイキャリア人材の定義に関する誤解
ハイキャリア人材の定義については、誤解されている部分も多々あります。そのひとつが、「大手企業に勤務している方」というイメージです。
スキルの高さや経験の希少性は、勤務している企業の規模とはあまり関係がありません。したがって、「大企業に勤務していないからハイキャリア人材には該当しない」と決めてしまわないよう、注意が必要です。
また、マネジメント経験がない・年収が高くないからといって、ハイキャリア人材に該当しないとも言いきれません。リーダー経験や専門職としての経験も、ハイキャリア人材としての評価につながる可能性があるからです※。
転職希望者の方が、転職活動を始める前に自分のキャリア・経験がどのように評価されるかを客観的に把握することはなかなか難しいでしょう。キャリア・経験スキルを過小評価せず、キャリアの可能性を確かめるためにも転職サービスに登録して、転職エージェントやヘッドハンターとコミュニケーションをとってみることをおすすめします。
※なお、これらはあくまでもdoda Xによる見解のため、必ずしもすべてのハイキャリア人材に当てはまらない面もあります。
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ハイキャリア人材になるにはどうすればいい?
ハイキャリア人材になるには、どのような点を意識すればいいでしょうか。主なポイントとして挙げられるのは、下記の2点です。
中長期的なキャリアプランを立てる
自分のキャリアの方向性を定めた上で、中長期的なキャリアプランの見通しを立てておくことは、ハイキャリア人材になるためのポイントです。
キャリアの方向性が定まれば、どのような能力・スキルを伸ばし、どういった経験を培っていくべきかが明確になります。将来的にどうなりたいかを決めた上で、その地点に到達するための努力を積み重ねていくことが大切です。
【関連記事】キャリア形成とは?考え方や方法、年代別のポイントを解説|doda X
自分のミッションを主体的に捉える
現在の勤務先において、自分に与えられたミッションを主体的に捉えることも、ハイキャリア人材になるための重要なポイントといえます。
具体的には、担当業務の背景にある課題は何か、解決のために必要な条件は何か、障壁をどう乗り越えていったらいいのかといった点について、主体性を持って考え、着実に実行へと移していくことがハイキャリア人材に求められるマインドです。
携わる業務やプロジェクトの規模が大きかったとしても、与えられたミッションを受動的にこなしているだけでは、ハイキャリア人材としての評価を得るのは困難です。
役職の有無や現状のポジションを問わず、視座を高め、自分のミッションを主体的に捉えていくことが求められます。
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ハイキャリア転職で求められる人材像
ハイキャリア転職の市場において、企業はどのような人材を求めているのでしょうか。近年は、主に下記の3点が、ハイキャリア転職で求められる傾向があります。
高い専門性がある
ハイキャリア転職の市場では、高い専門性がある人材を採用したいと考える企業が増加傾向にあります。特に近年は、職務内容や求めるスキルを明確にして採用する「ジョブ型採用」に注目が集まっており、DX人材などのニーズが高まりつつあります。
こうした傾向の背景には、自社の抱える経営課題やビジネステーマに対し、即戦力として力を発揮してくれる人材を採用したいという、企業側の事情があります。入社後に時間をかけて育成するよりも、課題を解決できる能力を持った人材を採用して、スピーディーに対応したいという狙いがあるのです。
結果として、高い専門性を備え、特定の分野で能力を発揮できる人材が求められていると考えられます。
ポータブルスキルがある
ポータブルスキルを備えていることも、近年のハイキャリア転職における人材ニーズとして顕著に見られます。ポータブルスキルとは、業種や所属する組織を問わず、どこでも発揮できる汎用的なスキルのことです。
例えば、近年は「FinTech(金融とテクノロジーの融合)」や「HealthTech(ヘルスケア・医療とテクノロジーの融合)」などに取り組むにあたり、異業種で業界知見を持つ人材の採用ニーズが増加しつつあります。
自分の専門性を活かしつつ、課題解決力やプロジェクトマネジメント力といった、異業種でも通用するポータブルスキルを備えた人材は、ハイキャリア人材として高く評価される傾向があります。
不確実な状況でも、課題解決に向け自発的に動ける
ビジネス課題の解決に向けて自発的に行動できることも、ハイキャリア転職で求められる人材像の条件です。
現在は、社会や経済が「VUCA」と呼ばれる状況に入ったといわれています。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(あいまい性)」の頭文字を取った言葉で、未来が不確実であり、予測困難な状況を指します。
これまでにないビジネステーマが頻出している状況下では、適切な意思決定を行い、新たな挑戦を続けられることが大切です。そのためには、自分のミッションを、組織から与えられたものでなく、自分事として解決に向けて自発的にアクションを起こしていく姿勢が必要となります。
こうした姿勢を常に意識しているかどうかが、ハイキャリア転職の成功に深く関わるといえるでしょう。
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ハイキャリア人材の転職活動はどう進める?
ハイキャリア人材の転職活動は、どのように進めていくといいのでしょうか。今後のキャリアをいっそう充実したものにしていくための、転職活動の進め方をご紹介します。
スカウトサービスを利用する
スカウトサービスは、ハイキャリア人材に適した転職活動のひとつです。スカウトサービスに情報を登録しておくことにより、思いがけないスカウトが届く可能性があるからです。
自分で求人を検索していた際には見つけられなかった企業からスカウトが届き、「これまでの経験を、こういった業務で活かせるのか」といった気づきを得られます。届いたスカウトに対して、必ず応募しなければならないわけではないため、キャリアの可能性を知るための手段としてもおすすめです。
転職エージェントを利用する
転職エージェント(人材紹介会社)に登録することも、ハイキャリア人材におすすめの転職活動のひとつです。転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーと面談できます。キャリアアドバイザーは、キャリアに悩む方や転職希望者と面談したうえで、キャリアの棚卸しや今後の希望の整理を一緒に行いながら、求人紹介や転職の支援をします。キャリアアドバイザーと話すことで、中長期的なキャリアプランや方向性を一緒に考えられることもメリットのひとつです。
また、キャリアアドバイザーは、日々多くの転職希望者と面談し、企業情報や業界動向も把握しています。転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーを通じて現状の転職市場を知ることもできます。
すぐに転職する予定がない場合も、キャリアアドバイザーから得たアドバイスをもとに、今後の転職活動の方向性を検討することも可能です。
【関連記事】30代から40代の転職、何からはじめる? 成功へ導く転職サービスの選び方と活用術|doda X
ビジネスSNSなどを利用する
ビジネスSNSなどを利用した転職活動も、ハイキャリア人材におすすめの方法です。近年、ビジネスSNSに登録しているユーザーに対し、スカウトやヘッドハンティングを行う企業は増えています。前述のスカウトサービスや転職エージェントに加え、ビジネスSNSを併用することにより、企業から声がかかる機会を増やせるかもしれません。
近年、企業の採用担当者が自ら人材を探して、直接連絡するダイレクトリクルーティングも一般的になりつつありますが、ビジネスSNSは、そのツールのひとつとなっています。
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ハイキャリア転職の注意点
続いては、ハイキャリア転職に関する注意点を解説します。ハイキャリア人材は、スキル・経験・実績の面で優れている人材のことを指し、30~40代の子育て世代が該当するケースが多々あります。こうした方々は、転職に伴う環境変化に対して慎重になり、機会を見送ってしまうことも少なくありません。
自分が思い描くキャリアを築いていくために、ぜひ下記の注意点を参考にしてください。
待遇のみを重視すると入社後のミスマッチが起きることも
企業側は優秀な人材の採用難易度が高まる中で、さまざまな手法で仕事内容の魅力や待遇のポジティブな側面を訴求して採用活動を工夫しています。
ハイキャリアの転職希望者も現職で年収やポジションが上がったり、家庭を持ったりするにつれて、年収や福利厚生など待遇面で、譲れない希望が増えていきます。
働く上で年収や役職でのマッチングはもちろん重要ですが、自分のコアなスキルが活かせる会社やポジションか、社風やカルチャーがマッチするか、なども同じく重要です。結果的に、転職先で自分の専門性やスキルを高めることにつながり、中長期的目線で年収が大幅に上がる可能性があります。待遇面だけで判断するのではなく、キャリアの棚卸しや企業の生の情報収集をしっかりした上での意思決定が大切です。
転職エージェントやヘッドハンターとの面談では、自分を繕わずに自己開示する
転職エージェントやヘッドハンターとの面談では、自分を繕わずに自己開示することが重要です。面談では自分を良く見せたいという意識が働きやすいですが、そのように取り繕うと、大切にしている転職の軸や考慮してほしい事情が共有されないまま進んでしまうことがあるため注意してください。
実際よりも自分自身を良く見せた状態で応募や選考が進んでしまうと、結果として、思い描いていたような転職ができなかったり、入社後にミスマッチに陥る恐れがあります。
転職エージェントやヘッドハンターは、一緒に転職に取り組む伴走者。繕わずに悩みを相談することで、中長期的なキャリアの方向性が見えてくる可能性もありますので、意識的な自己開示をおすすめします。
求人票の内容だけでは、求められているミッションやアサイン予定のプロジェクトの現状が読み取れない
ハイキャリア転職の場合、求人票の情報から入社後実際に担当する仕事の内容を把握するのは難しいケースがあります。企業側としても、求人票では募集の背景を説明しきれない場合や、新規プロジェクトのため募集段階では大まかな方向性しか書けない場合が多々あるからです。実際の仕事内容や自分が果たすべきミッションについては、面接で確認する必要があります。
また、入社後の受け入れ体制についても、面接で確認しておくことをおすすめします。スキルや経験を高く評価されて入社する場合も、企業文化や組織風土の理解は欠かせません。相互理解を深めるための体制が整っているか、事前に確認しておくことが大切です。
「選考を受ける=入社する」ではないので、気負いすぎずにまずエントリーしてみる姿勢が重要
ハイキャリア転職に限らず、選考を受けたからといって必ず入社しなければならないというわけではありません。ハイキャリアの転職希望者に見られる特徴として、「入社の意向がないなら選考を受けてはいけないのでは」と求人への応募に慎重になる傾向があります。
選考を受けた結果、入社を見合わせるのはよくあることです。あまり気負わず、まずはエントリーして話を聞いてみるというスタンスで臨んでみてはいかがでしょうか。
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ハイキャリア転職の成功事例
続いては、doda Xで実際にハイキャリア転職に成功した事例をご紹介します。業界や職種は異なりますが、いずれも転職者は30代で、年収や待遇がアップし、希望に合った仕事に就いたケースです。
【30歳】金融系からコンサルティングへ転職
転職前 | 金融系システム開発会社 システム開発・主任 |
転職後 | コンサルティング・SI システム開発 |
転職活動期間 | 約3カ月 |
面接した企業数 | 4社 |
転職前年収 | 750万円 |
転職後年収 | 900万円 |
【34歳】ITソリューション事業会社から電気機器メーカーへ転職
転職前 | ITソリューション事業会社 システム開発 |
転職後 | 電気機器メーカー 情報システム |
転職活動期間 | 約4カ月 |
面接した企業数 | 1社 |
転職前年収 | 650万円 |
転職後年収 | 800万円 |
【35歳】行政機関から総合コンサルティング会社へ転職
転職前 | 行政機関 行政事務・係長 |
転職後 | 総合コンサルティング会社 コンサルティング・コンサルタント |
転職活動期間 | 約1年2カ月 |
面接した企業数 | 8社 |
転職前年収 | 750万円 |
転職後年収 | 850万円 |
【38歳】アパレルメーカーから楽器総合メーカーへ転職
転職前 | 大手アパレルメーカー IT |
転職後 | 楽器総合メーカー UXデジタル推進 |
転職活動期間 | 約2カ月 |
面接した企業数 | 7社 |
転職前年収 | 700万円 |
転職後年収 | 750万円 |
【39歳】不動産業から金融業へ転職
転職前 | 不動産業 営業・主任 |
転職後 | 金融業 営業・係長 |
転職活動期間 | 約6カ月 |
面接した企業数 | 6社 |
転職前年収 | 850万円 |
転職後年収 | 850万円 |
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ハイキャリア人材とは、一般的に高いスキル・経験・実績がある人材を指します。未来が不確実で、予測困難なVUCAの時代では、これまでにない課題に対し、自発的に行動できるハイキャリア人材が求められています。
ハイキャリア人材のニーズは年々高まっていますが、転職希望者と企業のミスマッチも少なくありません。転職活動をする際は、伴走者である転職エージェントやヘッドハンターに積極的に自己開示し、大切なことを共有した上で進めてください。
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