キャリア形成とは?考え方や方法、年代別のポイントを解説

キャリアとは、働き続ける上で計画的に築いていくものです。自分が今後歩んでいきたいキャリア、キャリアに対して必要なスキルや強みは何かを知ることが大切です。
ここでは、キャリアをどう計画的につくっていけばいいのかを解説します。キャリア形成の考え方や方法のほか、悩んだときの対処法もあわせて見ていきましょう。

キャリア形成とは?

キャリア形成とは、今後自分がどのようなキャリアを歩みたいかを明確にし、そのために必要なスキルや経験を計画的に身につけていくことを指します。向こう数カ月から数年間の働き方ではなく、10年後、20年後といった中長期的な視点で自身のキャリアを捉えることがポイントです。

キャリアという言葉は主に仕事について用いられる傾向がありますが、仕事を含む人生全般にも深く関わっています。人生で取り組みたいことや成し遂げたいことを明確に掲げ、自己実現を目指す上でキャリア形成は重要な意味を持っているのです。

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キャリア形成がなぜ重要視されるのか?

キャリア形成は、近年になって特に重要視されるようになっています。なぜキャリア形成が重要視されているのか、主な理由を解説します。

終身雇用制度の崩壊と転職者の増加

かつての日本では「終身雇用制度」が一般的で、最初に入社した企業で定年退職まで勤め上げる人が大多数でした。しかし、2010年から2019年にかけて転職者数は毎年堅調に増加しており、9年間で283万人となり353万人まで約70万人も増えています(※)。
転職が珍しいことではなくなっている昨今では、終身雇用の時代と比べてキャリアを自分の意思で築いていく必要性が増しているのです。

(※)参照:第1-(2)-26図 転職者数の推移等|厚生労働省

働き方の多様化

近年は働き方の多様化が進んでいます。例えば、複数の勤務先を掛け持ちする「複業」や、本業の傍ら取り組む「副業」、特定の企業に属さないフリーランスといった働き方も珍しいものではなくなりました。
働き方の選択肢が増えたことに伴い、自身がどのように働いていきたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかを決めていくことが重要になっているのです。

AIの発達

技術が発達していくと、従来は人間が従事してきた仕事の多くがAIやロボットに代替されるといわれています。野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究では、日本の労働人口のうち約49%がAIやロボットなどで代替可能になる(※)という結果が出ているほどです。
一方、AIでは代替困難な業種や職種も存在します。今後のキャリアを選択する際には、AIなどの最新技術によって代替可能な仕事かどうかも考慮していく必要があるでしょう。

(※)参照:日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に(2015年12月)|株式会社野村総合研究所

人生100年時代の到来

現代では人々の平均寿命や健康寿命が延び、人生100年時代の到来が目前に迫っています。現役で働く期間が長くなる一方で技術の進歩は加速しており、一度身につけた知識や技能が生涯にわたって有効とは限らない状況になりつつあります。
長い職業人生を充実したものにしていくためにも、キャリア形成をしっかりと考えておくことが求められるでしょう。

キャリア形成の考え方

キャリア形成を考えていくには、どのような点を意識すればよいのでしょうか。キャリア形成を考える際のポイントについて解説します。

自己分析を行う

中長期的なキャリア形成を考えるには、自分自身が何を実現していきたいのかを明らかにする必要があります。自己分析にじっくりと取り組み、自分が築いていきたいキャリアを明確にしていきましょう。自己分析を行う際には、Will・Can・Mustの観点でキャリアを捉えることが大切です。

<自己分析で明確にすること>

  • Will:挑戦したいこと、実現したいこと
  • Can:現状できること、発揮できる能力・スキル
  • Must:やるべきこと、自身に求められていること

この3つの軸がバランスよく保たれているのが、理想的なキャリアといえます。自己分析では、これらの軸を一つひとつ深掘りし、自分にとって理想的なキャリアを明らかにしておく必要があるのです。

また、気軽に取り組める具体的な自己分析として、仕事に対する自分の希望を「仕事軸」「条件軸」「環境軸」の3つで掘り下げていく方法があります。

<仕事に対する具体的な自己分析方法>

  • 仕事軸=どんな仕事をしたいか
  • 条件軸=どんな条件をかなえたいか
  • 環境軸=どんな職場環境が望ましいか

上記の3つの軸の中で、自分が何を大事に思っているかを明確にすると、仕事に対する価値観や方向性を客観視しやすくなるのでおすすめです。

【関連記事】転職時の自己分析のやり方(ツール・チェックリストつき)|doda

理想の人物像を見つけ、具体化する

キャリア形成を考えるに当たって、理想とする人物像を見つけておくのもおすすめです。ロールモデルとなる人物が見つかれば、「自分もこうなりたい」という目標が定まりやすくなります。

現状、理想とする人物と自分との間にギャップがあっても構いません。そのギャップを埋めるために何をどれだけ努力すればよいのかを見極め、一つずつ達成していくことで理想のキャリアに近づくことが可能になります。

したくないことをリストアップする

キャリア形成と聞くと、「やりたいこと」をまず思い浮かべる方が多いでしょう。反対に、「したくないこと」をリストアップしておくことで、自分がなぜそう感じるのかが浮き彫りになる場合もあります。
仕事や私生活で、避けたいことや嫌なことを明らかにした上で、そうならないために何をすべきか考えていくのも一つの方法です。

理想のキャリア像をかなえるために行動に移す

自己分析をしたり、お手本となる理想像を具体化したり、したくないことをリストアップしたりと、自分の理想とするキャリア像が見えてきたら、あとは目標に向け行動に移すのみです。理想のキャリア像をかなえるために必要なスキルや経験を洗い出し、計画的に取りかかっていきましょう。

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キャリア形成における年代別のポイント

キャリア形成を考える際は、年代ごとに重要視すべきポイントが異なることを押さえておく必要があります。キャリア形成における年代別のポイントを確認しておきましょう。

20代でのキャリア形成のポイント

20代はキャリアのベースとなる重要な時期です。今後取り組みたいこと・挑戦したいこと(Will)に着目しやすい年代ですが、キャリアの土台を固めるには、現状の経歴・スキルの実態を明確にしておくことも重要でしょう。

これまでに経験した業務や習得した知識・スキルを棚卸しして、自身の現在位置(Can)を把握しておくことが大切です。その上で、今後取り組みたいことや挑戦したいこととのギャップをどうすれば埋められるのかを考えていく必要があります。

30代でのキャリア形成のポイント

社会人経験を重ねた30代は、知識やスキルをさらにどう伸ばすかを考えておきたい時期です。社内での自身に対するニーズを探り、どのような活躍(Must)が求められているかを明らかにしておきましょう。

その上で、今後取り組みたいことや挑戦したいこと(Will)との間にギャップがあるようなら、キャリアチェンジを図るべきか慎重に検討する必要があります。
あくまで転職ありきで考えるのではなく、現在の職場でできることはないか、今の環境で改善できることはないかを十分に見極めて考えることが大切です。

40代でのキャリア形成のポイント

40代に入ると、自分自身が担当業務をこなすスキルだけでなく、チーム単位・部署単位で仕事を円滑に進めていくためのマネジメントスキルが求められることが多くなるでしょう。チームや部下の育成には時間がかかるケースが多いため、中長期的な視点に立って物事を捉える姿勢が求められます。

マネジメントのノウハウを習得することも重要ですが、さまざまな年代や立場の人の考えに耳を傾け、意見や価値観を尊重することも40代のキャリア形成に欠かせない要素の一つです。円滑なコミュニケーションが行えるヒューマンスキルや、理解力や分析力といったコンセプチュアルスキルを磨き、マネジメントスキルを向上させていく必要があります。

また、マネジメント領域とは別軸で、これまで培ってきた専門領域をさらに深めるキャリア形成も一つの選択肢です。自分の得意分野を掘り下げ、強化することで、スペシャリストとして最前線で活躍し続けることが可能です。常に新しい情報をキャッチアップするアンテナを張り、自分を変化させていく意欲を持つことも重要といえます。

50代でのキャリア形成のポイント

50代はこれまで培ってきたスキルや経験をもとに、これからのプランを考えていきましょう。

仕事はもちろん、家族間やプライベートでさまざまな責任を負ってきた人は、CanやMustを優先する癖がついていることもあり得ます。あらためて自身のWill(やりたいこと・欲求)を振り返り、今後のキャリアで実現したいことを明確にしておくことが大切です。

また、50代は自分の知識や経験を次世代に引き継ぐ役割を担う年代でもあります。後進の指導もキャリア形成の一つとして視野に入れておくとよいでしょう。

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キャリア形成の方法

希望するキャリアを築いていくには、どのようなことに注力していく必要があるのでしょうか。継続的にスキルを向上させ、知識をアップデートするためにも、次の4点を実践していくことをおすすめします。

定期的にキャリアの振り返りや見直しをする

人生の中で自身の環境の変化や家庭などの状況の変化は誰しも起こり得ることです。このような変化によってキャリアの考え方にも変化が生じることがあります。
定期的に自分の現在地や今後やっていきたいことの見直しをおすすめします。そうすることで、今後のキャリアの選択や行動が軌道修正しやすくなるでしょう。

求めるスキルが身につく仕事に転職する

今後のキャリア形成に必要なスキルが現在の職場では習得しづらい、身につく確率が低いようであれば、転職を視野に入れておくことも一つの選択肢です。
実務を通して、自分のキャリア形成に求められるスキルが身につくことが理想といえます。現在よりも大きな裁量を持って働ける職場や、専門性を活かせる職場を転職先に選ぶこともポイントでしょう。

資格を取得する

自身が希望するキャリア形成に役立つ資格があれば、積極的に取得を目指しましょう。資格を取得すれば基礎的な知識が身についていることの証明になるだけでなく、勉強期間を通して新たな知見を得るきっかけにもなります。資格取得がきっかけで昇進や異動、転職などの道を切り開けるケースもあります。

教育研修や職業訓練を受けたり、学び直しを行う

社内の研修制度や外部の職業訓練を活用することにより、スキルアップを図るのも一つの方法です。現在の担当業務に役立つ研修・訓練はもちろんのこと、スキルの幅を広げるための機会としても有効でしょう。
特に近年は、リスキリングに代表されるように社会人の学び直しを促す機運が高まっています。知識の研鑽やスキル向上に役立つ機会があれば、積極的に活用していくことが大切です。

キャリア形成に取り組んでみよう

終身雇用が当たり前ではなくなりつつある今、キャリア形成の重要性がいっそう増しています。キャリア形成の目的や考え方、具体的な進め方について理解が深まったら、実際に自分自身のキャリア形成について行動してみましょう。

その過程で悩んだ際には、ハイクラス転職サービスdoda Xのヘッドハンティングサービスや、カウンセリングを活用してみてはいかがでしょうか。キャリア形成の方向性がいっそう鮮明になるはずです。

doda X編集部

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