30代でキャリアの行き詰まりを感じたら?要因と対処法を解説

30代は、一定の実績や経験を積み、会社の中核としての活躍を期待されるようになってくる年代。一方、このタイミングで「このままでいいのだろうか」というキャリアの行き詰まりを感じる人もいます。
30代は、何がきっかけで行き詰まりを感じるようになるのでしょうか。また、どうすれば解消できるのでしょうか。本記事では、30代がキャリアの行き詰まりを感じる要因と対処法について解説します。

30代はキャリアの転換期、だから行き詰まりを感じやすい

30代がキャリアの行き詰まりを感じるのは、年代的にキャリアの転換期であることに大きく起因しています。例えば、現場から離れてマネジャーになることを会社から求められ、より責任が増したり、仕事のやり方が変化したりするのもこの時期であることが多いでしょう。

また、プライベートでも結婚や出産、育児などのライフイベントが重なることもあり、変化に伴い、ワーク・ライフ・バランスを見直す機会が増える時期ともいえます。

こうした中で、今後のキャリアの方向性について悩んだり、不安にさいなまれたりすることが増えるのが、30代という年代なのです。

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※2020年12月、21年4月パーソルキャリア実施のインターネット調査より 調査対象:全国男女20~64歳会社員(N=347)

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30代でキャリアの行き詰まりを感じるきっかけ

30代は、仕事でもプライベートでも転換期を迎えやすい時期。キャリアの行き詰まりを感じるきっかけは、さまざまです。ここでは、その代表的なきっかけについて見ていきましょう。

キャリアの方向性に迷う

社会人歴も重ね会社から求められる仕事のレベルも上がり、管理職の役職を目指す人も増えてくるでしょう。

ただ、もちろん会社の中でも役職のポストは限られており、希望する人すべてがそのポストに就けるわけではありません。自分の理想のキャリアパスを描けず、この先のキャリアに不安感を抱く人もいます。

今の会社で働き続けた先の未来がイメージできないと、行き詰まりを感じやすくなります。ポストの有無に限らず、単純に上司など上の立場の人に尊敬できるロールモデルがおらず自分がなりたい姿が描けなくなり、悩むこともあるでしょう。

やりたかった仕事に改めて挑戦したいと思い始めた

30代になると、学生時代に目指していた仕事や、やりたかったことに再び挑戦したいと思い始め、現職を続けるべきか迷う人も出てきます。

そのような思いの中で、今までとは業界・職種が異なる大きなキャリアチェンジに挑戦する人もいます。

結婚・出産などのライフイベントが起きた

30代は、結婚や出産、育児、介護などのライフイベントが起きやすい時期でもあります。ライフステージの変化は、働き方にも影響を与えます。これまでと同じように働けなくなることもあり、描いていたキャリアとのギャップに悩む人も少なくありません。

仕事のレベルが高まり、追い付けなくなってきた

30代になると、会社から求められる仕事のレベルも20代に比べて上がってくるでしょう。

仕事のレベルが上がるということは、その分求められる責任や影響範囲も大きくなるということ。自然とプレッシャーがかかり、ストレスを感じることも多くなるでしょう。

日々の業務に追い込まれて精神的に疲れてしまうと、ゆっくりと自身のキャリアについて考える余裕もなくなり、行き詰まりを感じやすくなります。

仕事にマンネリを感じ始めた

30代は社会人歴を重ねる中で、スキルや経験値が上がってきている時期ともいえます。
その中で、慣れた業務の繰り返しが続くと若手時代の新鮮な気持ちが薄れてしまう場合もあるでしょう。

仕事に慣れて余裕が出てくる一方で、挑戦の機会が減り、成長実感が得られなくなってしまう人が出てくるのもこの時期です。すると、仕事にマンネリを感じ始め、「このままでいいのだろうか」ともやもやした気持ちを抱えることになってしまいます。

同年代との差が気になり始めた

同年代のメンバーとも役職や年収にほぼ差がないように見えていた20代と異なり、30代は同年代の中でも役職や年収などの差がさらに広がってくる時期です。

特に30代後半ともなると、今の会社で自分がどれくらい昇格できるのか、だんだんと先が見えてきます。そんな中で、自分の現状や将来に対して不安や不満が募る人も多くなるでしょう。

また、dodaの調査では、2024年に転職に成功した人の平均年齢は32.7歳となっており、30代前半は転職する人が多い時期であることが分かります。同期や友人が転職を成功させている姿を見て、このまま今の会社でキャリアを積んでいくべきか悩み始める人も増えるでしょう。

参照:doda「転職成功者の平均年齢調査【最新版】年代別の転職活動のポイントは?」

30代がキャリアの行き詰まりから抜け出す方法

キャリアの行き詰まりを感じ始めても、改善のために行動に移す人もいれば、なかなか行動に移せない人もいます。30代になると、仕事とプライベートの両方で責任も増え、大きな変化に二の足を踏むこともあるでしょう。

そんな30代がキャリアの行き詰まりから抜け出すには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、5つの方法を紹介します。

社内で信頼できる人に相談する

上司や先輩、同僚といった社内の人に相談してみるのも、一つの方法です。特に上司や先輩は、今の自分と同じようなキャリアに関する悩みを抱えた経験があるかもしれません。その行き詰まりをどう乗り越えたのか、アドバイスをもらえることもあるでしょう。

また、あえて他部署の先輩など、現在の仕事から少し離れたところにいる斜めの関係の人にアドバイスを求めてみる手もあります。意外なアドバイスがもらえたり、思ってもみなかった道が見つかったりするかもしれません。

会社によっては、キャリア相談の窓口を社内に設けている場合もあります。そうした制度があるなら、利用してみるのもよいでしょう。

また相談をする中で、より第三者視点からキャリアの専門家に相談したいと思った場合は、後述する転職サービスに相談するという選択肢もあります。

社内で新しい環境に身を置く

マンネリ感から来る行き詰まりを解消するには、新しい業務や難しい仕事に挑戦して成長実感を得ることが重要です。

社内で手を挙げて新規プロジェクトを立ち上げたり、場合によっては部署異動を希望したりして、同じ会社の新しい環境に身を置いてみるのも効果的です。

社外での活動や複業・副業に挑戦する

社外に目を向けて、活動の幅を広げてみるのもいいでしょう。実際に、複業や副業を制度として認める会社も増えています。

そこで培ったスキルが本業に活かせたり、キャリアに関する新たな気づきを得られたりする可能性があります。

一方で転職活動を考える場合は、必ずしも複業や副業の経験が転職活動に有利に働くわけではありません。転職時に企業が評価するのは、あくまでも本業であることは念頭に置いておきましょう。

キャリアの棚卸しをする

自身のこれまでのキャリアを振り返り、スキルや実績を洗い出す「キャリアの棚卸し」をしてみましょう。意外と気づいていなかった自分の強みが見つかり、新たな仕事への挑戦意欲が湧くこともあります。

ただ、自分だけで棚卸しをするとどうしても主観的になりやすいので、身近な人やキャリアに関するプロなど、第三者にも見てもらうとよいでしょう。

転職サービスを利用して、客観的な「市場価値」を知る

これまで会社で培ってきたキャリアやスキルが、社外でどのように評価されるのかを転職サービスで知ることで、新たな可能性が開けることもあります。正しく評価を得るには、スカウトサービスを利用するのも有効です。

スカウトサービスでは、送られてくるスカウトを見て自分の市場価値を測ることもできます。また、ヘッドハンターなどの転職やキャリアに関するプロの目線からアドバイスをもらうことも可能です。

身近な友人や知人などに相談して、「あなたはこういう仕事に向いているんじゃないか」と言われて検討する場合もあるでしょう。こういった場合、本当にその仕事で中長期的なキャリアを築きたいのか? 本当に適性があり、自身のスキルや経験を活かせるのか?など、専門的な視点が抜けてしまいがちです。

転職のプロであれば、相談者の状況や、転職市場の現状を踏まえた上でのアドバイスをもらえる点が大きなメリットです。

30代の転職成功事例

キャリアの行き詰まりを解消する方法を考えたとき、転職という選択肢が出てくる人もいるでしょう。ここでは、実際に転職に成功して、キャリアの行き詰まりを解消したお二方の具体的な事例をご紹介します。

Aさん:グローバルな仕事がしたいという思いで公務員からコンサルタントに

転職前:自治体 公務員
転職後:コンサルティング会社 コンサルタント

もともとは、公務員として勤務されていたAさん。

公務員としての業務にはやりがいを感じる一方で、学生時代からあこがれていたグローバルな仕事に挑戦したいという思いから、転職活動を始めました。

グローバル業務の経験はなかったものの、企業から求められることと自身ができることのギャップをしっかり認識した上で自身をアピールできたことが成功のカギとなり、コンサルティング会社に内定。

念願だったグローバルな仕事に従事できる可能性もある職場に転職することができました。

Bさん:家庭と両立しながら、キャリアも築ける会社へ

転職前:商社 総合職
転職後:コンサルティング会社 コンサルアシスタント

出産後、復職してから商社に勤めていたBさん。海外ともやりとりをするなど優秀な方でしたが、仕事が忙しくなったことで、家庭との両立を心配する声が家族から上がり始めました。ご本人も心や時間に余裕がなくなり、悩んだ末に退職。当初は、時間に余裕のある職場への転職を希望していました。

ですが、キャリアアドバイザーとの対話を通じて、ワーク・ライフ・バランスだけでなく、自分のキャリアも大事にしたいという気持ちに気付き、結果として、前職での実務経験を生かせる、コンサルティング会社のアシスタント職に転職しました。

Bさんの成功のカギは、第三者であるキャリアアドバイザーによる客観的な視点を取り入れたこと。今は商社時代の海外とのやりとりの経験を活かしながら、転職先で活躍しています。

キャリアの行き詰まりから、転職に迷ったときのQ&A

転職は、キャリアの行き詰まりを解消するのに有効な手段です。一方で、大きな変化を伴うため、不安もつきもの。ここからは、特に30代が転職に迷った場合に見返したいQ&Aを紹介します。

Q1:転職を家族に反対されたらどうする?

家族が転職に反対する場合、その理由はさまざまですが、多くの場合はパートナーの転職によるデメリットがメリットを上回り、不利益が生じると感じたときに反対する傾向にあります。

つまり、パートナーがデメリットを感じないポジティブな転職であることを伝えることができれば、パートナーのブロックも起きにくいといえます。

そのためには、パートナーに納得してもらえるプレゼンテーションが必要です。相手が気にする点をクリアにして、経済面や家事・育児の分担についてどう取り組むのか、十分に話し合い、対策を立てることが重要でしょう。

【関連記事】「嫁ブロック・夫ブロック」にどう向き合う?転職への反対の原因と対処法を解説

Q2:30代での転職後の年収変化は?

転職で期待することの一つが、年収アップでしょう。実際、30代の転職で年収が上がる可能性は十分にあります。年収が比較的高い水準の職種・業種へ転職した場合や、転職先で役職が付いた場合などは、年収が上がることが多いでしょう。

dodaの30代転職者の年収変動に関する調査によると、2024年度上期での転職前の平均年収から転職後の平均決定年収は101%と微増しました。また、転職後の平均決定年収は2019年度上期比で106%となっており、上昇傾向であることが分かります。

ただし、転職によって年収が下がる可能性も当然あります。もっとも、年収が下がることは必ずしもデメリットではありません。仮に年収が下がっても、やりたかった仕事に就けたり、ワーク・ライフ・バランスが充実したりと、年収以上に願っていた生活が実現できる場合も多いからです。

参照:doda「転職サービス「doda」、「年代別 転職時の年収変動レポート」を発表~2024年度上期 20代の平均決定年収額は19年度同期比で111%アップ。30代40代も105%以上の上昇~」

Q3:30代のキャリア形成のポイントは?

30代は、培ってきたスキルを活かしながらも、新たなスキルや実績を得ることで、さらに市場価値を高められる年代です。キャリアの行き詰まりを解消し、チャンスに変えるためには、キャリアプランを明確にしておくことが重要です。

例えば、30代前半はまだ大きなキャリアチェンジを行えるチャンスがあります。本当に目指したいことがあるなら、このタイミングで動いてみましょう。

30代半ばに差し掛かると、自分の専門領域や得意分野を意識することが大切です。新たなプロジェクトへの参加や場合によっては異動や転職など、具体的に行動して実績を作ることを意識しましょう。

30代後半になると、転職活動をする場合ポテンシャルでは見てもらいづらくなります。基本的に経験者として評価されるため、専門性をより深めていくことを意識してみてください。

【関連記事】キャリア形成とは?考え方や方法、年代別のポイントを解説

Q4:30代でキャリアチェンジは可能?

基本的に20代よりも難易度は上がるものの、30代でのキャリアチェンジも可能です。特に、30代前半まではメンバーポジションでの採用がまだ多くあり、企業からもポテンシャルを考慮してもらえます。ベースとなる経験やスキルは必要ですが、それをスライドして活かせる業種や職種であれば、転職はしやすくなるでしょう。

ただし、35歳以上となるとキャリアチェンジは不可能ではないものの、もともとの仕事と転職先の仕事に何らかの親和性は必要になってきます。役割やビジネスフィールド、規模、フェーズなどの要素が一致していないとなると、企業側も採用する意義を見いだしづらいからです。

【関連記事】30代でハイクラス転職は可能?キャリアアップを実現するための転職のコツとは

Q5:自分の市場価値を知るには?

市場価値を知る方法の一つとして、スカウトサービスの活用が有効です。受け取るスカウトから、自分の市場価値を測ることができます。

自分に合ったスカウトを受け取るためには、サービスサイトのマイページにこれまでの経歴について、できるだけ詳細に記載することが重要です。登録後少しずつでも構わないので、直近だけでなく、社会人になってから経験したすべての業務についてしっかりと記入しましょう。

より正確な市場価値や企業からの評価は、実際に転職活動をしてみないと分からないものの、そこまで踏み込んだ活動をするか迷っている場合は、ヘッドハンターやキャリアアドバイザーに相談したり、スカウトを受け取ったりするだけでも有益です。

自分の現在地や、企業から評価されるところとされづらいところが分かるため、社内で新たな仕事にチャレンジしたり、専門性を深めたり、転職の可能性を模索したりと今後の選択肢も見えてくるはずです。

まとめ

30代で感じるキャリアの行き詰まりには、仕事のマンネリ感やプレッシャー、キャリアパスの不透明さ、ライフステージの変化などさまざまな理由があります。

行き詰まりを打破するには、社内でできることがないか模索してみたり、転職のプロに相談してみたりと、行動することで解消できる可能性があります。

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藤田 有佳(ふじた・ゆか)

dodaキャリアアドバイザー

損害保険会社での勤務を経て、2014年にパーソルキャリア株式会社へ入社。キャリアアドバイザーとして、一貫して転職を希望される方の転職活動をサポート。入社後は、金融業界をはじめさまざまな業界の企画職、経営・業務コンサルタント職の方のご支援を担当。現在は、40~50代の管理職の方を中心としたハイクラス転職のご支援に従事。

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