管理職になりたくない場合のキャリアの選択肢とは?メリット・デメリットも解説

管理職になることが、キャリアを描く中で一つの目標である人も少なくないでしょう。一方で、管理職にはなりたくないという人も実は多く見られます。
この記事では、管理職になりたくないと考える理由や、管理職にならないことによるメリット・デメリットを解説します。あわせて、管理職にならなかった場合の選択肢についても見ていきましょう。

管理職になりたくない人は多い

管理職への昇進は、歓迎すべきことと捉える人も多いでしょう。しかし実際には、管理職になりたくないと考える人が多くなっています。厚生労働省が公開している2018年の調査結果では、「管理職に昇進したいと思わない」と回答した人は、全体の61.1%(※)にも達しました。
6割以上の人が昇進に後ろ向きであり、同調査では「そのつもりがないのに、昇進の打診を受けた」ことをきっかけに、転職活動を始める人もいることが分かりました。

(※)参照:労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-(2018年)|厚生労働省

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管理職になりたくない理由

管理職になりたくないと考える人には、どのような理由があるのでしょうか。生活や環境面の事情として、「育児や介護との両立が難しい」「定年が近いので今のままでいい」といった理由もありますが、そのような事情がない場合でも、管理職になりたくないと考える人は多くいるようです。
具体的な理由について、詳しく見ていきましょう。

責任が重くなる

管理職の責任の重さを嫌うというのが、管理職になりたくない理由のトップです。現場のプレイヤーであれば、基本的には自分の担当範囲で自分の仕事だけを管理していれば評価されますが、管理職になれば部下の指導やマネジメントもしなくてはなりません。当然ながら部下がミスをすれば、その責任を負う場合もあります。また、チーム全体で毎月のノルマや事業目標を達成できなければ、それも自分の責任になってしまいます。

このような大きな責任を背負うくらいなら、管理職にはならないほうがよいと思う人が多いのでしょう。

業務量に待遇が見合わない

昇進して管理職になれば、当然ながら報酬は増えます。しかし、それ以上に業務が増えて、報酬の増額分に見合わないと考える人は多いようです。自身の目標を達成しながらチーム全体のマネジメントや人材育成も行うため、負荷が増えることが予想され、収入が上がったとしても管理職は割に合わないというネガティブなイメージがあるといえます。

自分には適性がないとあきらめてしまう

自分には適性がないと、最初から管理職をあきらめてしまうケースも多く見られます。確かに、目の前の業務をこなすことと、部下のマネジメントや業務管理をすることは、まったく別の能力です。部下の指導やマネジメントに当たるとなると、決断力やリーダーシップ、優れたコミュニケーション能力が必要です。

そうしたイメージから、「本当に自分にできるだろうか」と、腰が引けてしまう人も多いようです。

現場の仕事にやりがいを感じているから

プレイヤーとしての仕事が面白いので、このままずっと続けたいと考える人も多いようです。特に顧客と直接関わる業務や専門職である場合に、こうした理由を挙げる傾向があります。
例えば営業職なら、顧客と接することにやりがいを感じるという人がいます。エンジニアであれば、より高度な技術を追求するため、常に最前線で仕事をしていたいと考える人もいるでしょう。

これらのケースはネガティブなイメージではなく、自分のやりがいやスキルの向上を優先するために、管理職にならないことを選んでいるといえます。

管理職になりたくなくても慎重に検討すべきポイント

管理職になりたくないのであれば、その意思を貫くのも一つの方法です。しかし、管理職にならないと経験できないことはありますし、管理職になってこそ見えてくる世界もあります。
かたくなに拒むだけではなく、立ち止まって冷静に考えることも必要でしょう。ここでは、管理職になるべきかどうか迷ったときに、知っておきたい点についてご説明します。

管理職になって、適性があることに気づく場合がある

人は経験のないことに抵抗を示します。しかし、実際にやってみるとマネジメント業務のやりがいや面白さに気づいたり、自分なりの管理職像を見つけたりすることができる場合もあります。
そもそも、会社から管理職を打診されるということは、そのポジションにふさわしいと会社が判断し、適性があると認められた証でもあります。最初から自分には無理だと遠ざけるのではなく、まずはやってみることも大切です。

一度断ると再びチャンスが訪れる可能性は少ない

組織の中で昇進していくチャンスは決して多くなく、その数少ないチャンスを拒絶してしまったら、次にいつ機会が巡ってくるか分かりません。あるいは昇進には興味がないと見なされて、以降声をかけられることがないかもしれません。

そうなると、管理職として得られたはずのスキルを手放すことになりますし、今後社内でキャリアを構築していくことも難しくなる場合があります。管理職への昇進の打診を受けた場合は、中長期的なキャリアも見据えて回答するよう、心掛けるといいでしょう。

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