ヘッドハンターと企業の信頼関係を活かして
転職をサポートしたい
フォルトナ株式会社・
石崎 雄三
さん
HeadHunter of the Year 2025
総合 MVP
エグゼクティブ支援人数部門 1位
ハイクラス支援人数部門 1位
金融・コンサルティング部門 MVP
石崎 雄三
フォルトナ株式会社 ディレクター
コンサルティングファームを中心としたハイクラス転職支援に強みを持つフォルトナ株式会社。一人の転職希望者に対し複数のヘッドハンターが支援に当たる「オールフォルトナ」の企業文化を強みに転職支援を行っています。
doda XによるHeadHunter of the Year
2025の総合MVP、「エグゼクティブ支援人数部門」「ハイクラス支援人数部門」で1位、「金融・コンサルティング部門」でMVPを受賞したのが、同社でディレクターを務める石崎雄三さん。主にコンサルティング業界を起点とした転職支援に取り組む石崎さんに、転職活動を支援する際の姿勢や、転職成功に向けたアドバイスなどについて伺いました。
自らの試行錯誤の取り組みを、
転職希望者に還元する
——石崎さんが現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。
新卒で大手損害保険会社に入社し、営業職、リクルーター、リスクコンサルティングを経て、現在のフォルトナ株式会社(以下、フォルトナ)に転職しました。
前職は労働環境も良かったですし、先行きに大きな不安はなかったのですが、なんとなくキャリアの天井が見えてしまったところがあったんです。家族のことを考えると年収をさらに伸ばしたい気持ちもあり、事業開発系のキャリアや起業も視野に入れて転職活動をしていました。
ただいくつか企業を受ける中で、自分は起業をしたいわけではなく、「自分のやり方で仕事をしたい」のだと気づきました。
そこで、個人の裁量が大きいとされる人材業界やコンサルティングファームまで視野を広げ、最終的に入社を決めたのがフォルトナです。勤務時間や働く場所が自由であること、自分の担当外の企業も紹介可能なことなど、自由度高く仕事ができるところが決め手となりました。
当初人材業界は考えていませんでしたが、転職活動を進める中で徐々に興味が湧いてきたんです。「優れた人材がより良い環境で働くことができれば、良い会社が増え、世の中が好転することにつながる」という考え方に共感して、その支援ができる仕事ということに、素直に魅力を感じました。
—— ヘッドハンターとして、ご自身の強みはどこにあると考えていますか?
選考への「対策力」だと認識しています。書類選考、適性検査、面接といった各フェーズで、一般的な基準よりもかなり回数を重ねて、採用面接官であった経験も活かし採用側の目線に立った対策をできることが強みです。
そのベースにあるのが、新卒の就職活動での自らの経験です。私は最終学歴にそれほど自信がなかったので、「とにかくたくさんの選考を受けて、経験を積むこと」を意識して就職活動をしていました。トライアンドエラーを繰り返しながら「自分はこういうふうに見られているんだ」「こういうふうに売り込んだらいいんだ」と、身をもって学んでいきました。
最終的に就職活動では信託銀行、保険、メーカー、商社等の最大手企業から内定をいただけましたし、転職活動でも、書類選考を通過できれば面接で不採用となることはほとんどありませんでした。
面接では、自分の強みと弱みをはっきり認識した上で、面接官が入社後の様子を明確にイメージできるよう、情報を示すことが大切です。そのために必要な知見を、転職を希望される方には時間をかけてじっくりと伝えるようにしています。
—— 時間をかけて長期的な支援に取り組めるのは、フォルトナという会社の特徴でもあるのでしょうか?
そうですね。フォルトナは面談数や売り上げなどのKPI(ノルマ)がヘッドハンターに課されていません。短期的な目標に追われることがないため、すぐに転職を考えていない方に対しても、長期的な視野に立ったご支援ができます。
そのため、応募のタイミングも転職を希望される方に委ねるところが大きいですね。こちらでもスケジュールは組みますが、本人が「まだ準備が足りない」と感じているならば、引き続き対策を続けることもあります。自分もご支援にあたっては、「焦らない」「せかさない」を意識するようにしています。
「一緒に働く人として、ふさわしいかどうか」という視点
—— 石崎さんはどのようなご支援をされているのでしょうか。その特徴について教えてください。
コンサルティングファームで働きたい方や、すでに働いている方へのご支援が多いです。「未経験からコンサル」「コンサルからコンサル」「コンサルから事業会社」といった、コンサルティングファームを起点とした転職支援を行っています。
転職先としてコンサルティングファームを希望される方はとても多く、20代から50代まで幅広い世代の方がいらっしゃいます。志望動機もさまざまで、働き方の柔軟性で選ぶ方もいれば、事業開発や経営企画に携わりたい方、起業の前段階としてコンサルティングファームを選ぶ方も少なくありません。
近年は、30代前半から40代のミドルクラスを担当することが増えてきました。特に増えている印象なのは、新卒から同じ会社に勤めてきた方が「これまでとまったく違うことがしたい」と、キャリアの中盤でコンサルティングファームへの転職に挑戦されるケースです。実際に、長らく研究職をされていた方が「ビジネスサイドに携わりたい」と、コンサルティングファームへの転職を支援した例もありました。
とはいえ、そういった方はご家族がいらっしゃる年代であることも多いので、自己実現よりも「一定の年収があること」を重視する方が多いです。「今の仕事や条件のままでも満足だが、もっと良いポジションがあるのなら」という温度感で転職活動をされるので、その結果現職の良さに気づき、とどまることを選択される方も少なくありません。現職の良さを再認識できるということも転職活動のメリットであると考えています。
—— 転職を成功させる方に、共通して見られる特徴はありますか?
面接対策での私のフィードバックに対する修正が早く、かつ正確である方でしょうか。
面接対策では、「話をきちんとまとめる」「企業の目線に立つ」「結論から話す」など、主に話し方やロジックに関してフィードバックを行います。そして2回目の面接対策では、前回指摘した内容をどれだけ改善してくださっているかを確かめます。まったく変わっていない場合は、「このままでは難しいかもしれません」と正直に伝えて、どうするべきかを改めて一緒に考えます。
私が特に重視しているのが、この2回目の面接対策です。
前向きに努力されている方は、2回目で必ず何らかの成長が見られるもの。指摘した内容のうち、半分でも改善されていればOKだと思っていますが、中には指摘されたポイントを直すだけでなく、直接フィードバックしていないところまで改善されている方もいらっしゃいます。そうした方は、やはり高確率で最難関企業への転職に成功されていますね。
—— 転職活動の本気度はもちろん、「他者からの指摘を正面から受け止められるか」という人間性も、そこに表れるのかもしれませんね。
確かにそうですね。そういう意味では「謙虚で素直」であることも、転職に成功された方の共通点のひとつだと思います。私も転職希望者が面接に臨まれる前は、「謙虚な自信をもって、面接での会話を楽しんでください!」と必ずお声がけしています。
コンサルティングファームへの転職を目指すエグゼクティブ層には、輝かしい経歴や、秀でたスキルを持つ方が多くいらっしゃいます。しかし、それらをひけらかすような態度で面接に臨んでは、転職活動はうまくいかないんです。
企業は「自分たちと働いてくれる人として、ふさわしいかどうか」という視点で転職希望者を見ています。そうしたとき、やはり人柄の良さは無視できないでしょう。最初のあいさつひとつとっても、その人の印象は大きく決まってしまいます。仕事とは、人と人との関係で生まれることを忘れてはいけません。
希望に寄り添い、目標達成の方法を一緒に模索したい
—— これまで石崎さんが手掛けたご支援で、印象に残っているものはありますか?
BIG4のCXOの方、外資銀行の社長、初めての転職支援など挙げるときりがなく、支援したすべての方に思い出深いエピソードがありますが、最も直近の支援でお話をさせていただくと、システムエンジニアをされていた、20代の方のご支援が印象に残っています。
その方はご家族の事情があり、できれば海外に駐在で働ける仕事がしたい、というご相談でした。ただ、その方が移住する場所は駐在求人がほぼ0といった現状がありました。
当初は業界を絞らずに海外駐在可の企業を探していたのですが、その方の行き先となる都市だと、勤務地まで通えるポジションがない、または「求人はあるが、駐在できるポジションに就くのはいつになるかわからない」といったものばかり。その方の条件に合った求人がなく、かなり難航してしまったんです。
—— その状況から、最終的にどうされたのでしょうか?
社員のリモート率が高いコンサルティング企業に、この方をご紹介しました。経歴もマインドも光るものがある方でしたので、このままキャリアを終わらせてしまってはもったいないと感じていました。
とはいえ、その企業でも海外フルリモートの前例はなく、無理を承知の上でのご相談でした。しかし最終的に「1年間の国内勤務の後、海外フルリモートOK」という話に落ち着き、無事転職を成功させることができました。この企業に受かっていなければ、現地でアルバイトをする予定であったとのことで、優秀な方が能力を発揮する場を提供できたことは、私自身も嬉しく思っています。
人材業界の仕事では、「企業が求める人材像を把握すること」は大前提ですが、それを意識しすぎると「企業は、この条件以外の人は求めていない」と考えてしまいがち。しかし、実際に相談してみると道が開けることがあるんです。今回の件で、自分の中に思い込みや決め付けがあったことを改めて痛感しました。
—— 企業側に求人条件にはフィットしない方を紹介することは、よくあることなのでしょうか?
条件にフィットしていない場合でも、ご紹介することはあります。ただそれは、フォルトナだからこそ実現できる部分が大きいかもしれません。
フォルトナのヘッドハンターは、希望に沿った方を紹介したり、担当者と繰り返し会ったりなどして、普段の業務の中で、企業との信頼関係を構築しています。
希望にフィットしているわけではない方を紹介する際も、ただやみくもに情報を送るのではなく、「どういった意図でこの方を推薦しているか」「企業でどのような活躍が期待できるのか」など、自らの提案とその背景を書き添えるようにしています。
こうした取り組みを積み重ねているからこそ、企業から「フォルトナから紹介された人だから」とご検討いただけているのかもしれません。ヘッドハンターと企業との信頼関係によって、転職を希望される方のキャリアを広げることに寄与できていると思っています。
事実、以前書類落ちしてしまった方を同じ企業に推薦し、内定まで支援したことも何度もございます。書類だけでは読み取れない転職希望者の魅力、企業における活躍の可能性を広げていくことも大事にしており、ヘッドハンターの力量であるとも考えています。
—— ほかにも、ご支援で大事にされていることはありますか?
転職を希望される方に、納得して転職活動をしていただくことでしょうか。
コンサルティングファームの中には、働く人に対して、とても高い水準のスキルや経験を求める会社も少なくありません。その方のキャリアと志望先が求める人材像があまりにも合っていない場合、正直に「難しい可能性が高いです」と伝えることもあります。
しかし、私の見解を伝えても、「それでも」と、その志望先を強く希望される方がいらっしゃいます。そんなとき、私は「できるだけ応募する」方針で対応したいと思っているんです。そして多少背伸びした条件でも、どういった努力をすれば目標達成できるかを、転職を希望される方と一緒に考えたいな、と。
私自身も「無理だろう」と思っていた会社にチャレンジして、最終的に内定をいただいた経験があります。ですので、チャレンジの機会すら奪われてしまうのは、ご本人も納得できないですよね。面接対策や企業との関係構築など、ヘッドハンターとしてできる限りのことを尽くして、それぞれの方が希望するキャリアを実現できればと思っています。
企業や転職希望者との信頼を積み重ね、価値を生みたい
—— 転職を成功させたい方にアドバイスをお願いします。スカウトメールを送る際、どのような情報に着目してメールを送っているのでしょうか?
プロフィール情報から「意思を持って仕事に取り組んでいる」ということが推察できるかどうかに着目しています。
単に実績やプロジェクト名のみを記載するだけではなく、その仕事にどんな思いで取り組んできたのか。ほかには仕事をする上で工夫してきたことなど、その方の人となりや意思がうかがえると、「この方ならあの企業に紹介できるかもしれない」と判断しやすくなります。
加えて、希望条件欄や備考欄といった自由に記載できる欄に、補足事項として具体的な情報を書き込まれている方も声をかけやすいです。
例えば「AIと○○を掛け合わせた仕事がしたい」「フルリモートで働きたい」といった自身の希望でもいいですし、「コンサル以外を紹介してほしい」といった条件でも構いません。情報が多ければ多いほどマッチングの精度は高まりますし、「転職の意思が強い」と見なすことができますから。
—— 転職希望者は、ヘッドハンターをどのように活用すべきでしょうか?
まずはヘッドハンターへ、ご自身の本音をしっかり伝えてもらえたらと思います。
「ヘッドハンターに本音を伝えると企業にまで伝わってしまうのでは」と考える方もいるのですが、もちろん本人の不利益になるようなことは伝えません。希望年収や労働条件といった譲れない条件や、「まだ迷いがある」といった素直な気持ちなど、すべて包み隠さず伝えていただければ、ヘッドハンターはそれらを判断材料として、転職先をご提案します。
とはいえ、最初のうちはヘッドハンターに心を開きづらいことも理解できます。自分も転職活動のときはそうでした。
自分がヘッドハンターの仕事をするようになり、改めて本音で話してもらうこと、そのために信頼を得ることの大切さを、身をもって感じています。
—— 近年はAIで企業と転職希望者をマッチングする企業も現れています。AI活用が進む中で、ヘッドハンターが発揮できる価値はどこにあるとお考えですか?
これも「信頼」がひとつのキーワードになると思います。転職を希望される方から信頼を得ることはもちろん、企業との関係性構築でも、信頼が鍵ですから。
「石崎さんからの紹介だから、その方に会ってみることにしました」とおっしゃっていただける企業もありますし、先ほどのシステムエンジニアの方のように、本来の求人条件とは異なる方を採用いただくこともあるわけです。これもすべて、ヘッドハンターと企業との関係性あってのこと。採用担当だけではなく、企業の採用の場に出ない役員レイヤーと普段からやり取りすることで、通常では紹介できないポジション、選考速度で転職に成功いただくことも多いです。
マッチングの速度はAIのほうが優れているかもしれませんが、私たちヘッドハンターは人と人との関係から生まれるものを、転職を希望される皆さまに還元できればと考えています。
—— 最後に、石崎さんの今後の展望について聞かせてください。
現在はコンサルティング業界を起点としたご支援がメインですが、今後はご相談いただく方が希望する転職先すべてに対応できるようになれたらと考えています。
この仕事で最もやりがいを感じるのは、ご支援にあたって感謝の言葉をいただける瞬間です。
保険営業をしていたころは、お客さまからいただく反応は真逆のものだったんです。保険は何かしらのトラブルが起きたときに使われるものなので、いら立ちの言葉をぶつけられることもありました。
しかしヘッドハンターの仕事は、お客さまに喜んでいただける上、自分に報酬まで発生するわけです(笑)。この仕事を始めてしばらく経ちますが、今でも新鮮にうれしいですね。今後も、こうした喜びの声をいただけるように、皆さまからの期待に幅広く応えていきたいと思います。
文=井上 マサキ/写真=遠藤 素子/編集=伊藤 駿(ノオト)
※各記事の内容や経歴は、インタビュー当時のものです。
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