自分が受け取った挑戦の機会を、
次の世代につなぎたい

株式会社ジェイシーエルコンサルティング・石田 真美子さん

HeadHunter of the Year 2025

メディカル部門VP

石田 真美子

株式会社ジェイシーエルコンサルティング
シニアコンサルタント

所属する全メンバーが医療機器メーカー出身者で「現場経験に基づいた転職支援」を掲げる、株式会社ジェイシーエルコンサルティング。「候補者に寄り添い、医療業界での次の一歩を共に描く」ことを使命に、医療機器業界に特化した人材紹介を展開しています。

doda X主催の「HeadHunter of the Year 2025」で、メディカル部門VPを受賞したのが、同社コンサルタントの石田真美子さん。診療放射線技師として病院勤務10年、医療機器メーカーで10年のキャリアを重ねた自身の経験をもとに、「病院以外にも活躍できる場所があるのでは?」「もっと挑戦したい」という思いを抱く医療従事者、医療機器メーカーでのキャリアを志望される方に、新たなチャンスを提供し続けています。

人材業界への転身から数年で、ヘッドハンターとしてトップの成果を挙げ続けている石田さんに、医療機器業界での転職支援のあり方を伺いました。

病院とメーカー勤務の経験を
活かした、現場目線の支援

—— はじめに、石田さんがキャリア支援の仕事を始めた経緯を教えてください。

診療放射線技師として10年間の病院勤務と、その後10年間の医療機器メーカー3社での勤務を経て、ジェイシーエルコンサルティング(以下、ジェイシーエル)で転職希望者を支援するコンサルタントの仕事に就きました。診療放射線技師としての病院勤務から医療機器メーカーへと転職する、 私の最初のキャリアチェンジを支援してくれたのが、今私が所属しているジェイシーエルコンサルティングだったんです。

最初に転職するきっかけになったのは、診療放射線技師の仕事をしていた中で「もっと自分の意志で動ける環境で働きたい」と考えるようになったから。診療放射線技師は基本的にドクターの指示の下で画像診断の検査業務を行います。患者さんから感謝の言葉をいただいたり、医師から診断についてアドバイスを求められる場面などやりがいを感じていましたが、いつしか「自分の裁量で成果を作りたい」と思うようになりました。

その後メーカーからジェイシーエルへ転職したのは、自ら仕事をハンドリングし「ゼロからクロージングまで」を1人で担える仕事に挑戦したいと考えたからです。転職を考えていたタイミングで、過去にご一緒したジェイシーエルの創業者と再会。話をしているうちに、私の経験をフル活用できるのではと思い、興味を持つようになりました。

コンサルタントは、自分の経験や業界知識を活かして、未来ある人に新しいチャンスを提供する仕事です。かつて自分が受け取った恩を与える側に回って、新しい環境に挑戦する人の背中を押す存在になりたい。そう思って、2度目のキャリアチェンジでコンサルタントになる決意をしました。

—— ジェイシーエルコンサルティングの、強みや特徴を教えてください。

ジェイシーエルの最大の特徴は、アシスタントからコンサルタントまで「全員が医療機器メーカー出身」であることです。

血管内治療デバイス、ペースメーカー、画像診断装置、整形外科製品、美容機器、さらにはロボット手術まで、コンサルタントそれぞれの専門領域を持って、広い範囲をカバーしています。現場を知るだけでなく、営業スタイルや製品特性の違いを理解し、転職希望者に対してより具体的なアドバイスができるのも強みだと思います。

もうひとつの強みは「協働型のサポート体制」です。企業ごとに別のコンサルタントが対応するのではなく、転職希望者1人に専任コンサルタントが1人ついた上で、希望する業界や職種に応じて、その分野に強いほかのメンバーが面接対策や情報提供などのサポートに入ります

例えば私は、画像診断機器を担当領域としています。ご一緒している転職希望者の方が私の専門でない領域を希望される場合は、私が担当としてつきながら、その分野に精通した同僚と連携し、転職支援する形になります。

—— その中で、石田さんご自身の強みはどういった点だと思いますか?

転職希望者の本音や潜在的なニーズを引き出す「傾聴力」と、医療機器業界で培った「情報の解像度」だと思っています。

私自身も、「病院からメーカーへ」「メーカーから他メーカーへ」と、これまでのキャリアで複数回の転職をしてきました。ですので、「病院から転職したい」といった転職希望者側の気持ちはもちろん、医療機器メーカー出身として、企業の採用背景や現場事情も具体的にイメージできます。

転職希望者の方の本音を聞きながら、面接官の傾向や競合の動向といった経験とネットワークから得られる情報をもとに提案ができるのは、病院やメーカーなど、さまざまな環境とその場での働き方を知っている私ならではなのかもしれません。

—— 転職希望者の要望に対して、面談ではどのように耳を傾けているのでしょうか。

転職希望者の方の要望は、「お話しされたこと」をそのまま受け取るのではなく、その奥にある本当の動機をキャッチすることを意識しています。

例えば、「医療機器メーカーへ転職したい」と希望されている方がいるとします。それだけでは良い提案は難しいですが、その先にある「特定分野の製品に貢献したい」や「目に見えた成果が出る仕事がしたい」といった動機が見えてくれば、コンサルタントとしても、より希望に沿った提案ができるようになりますよね。

採用は、本人の能力だけでなく、企業の事情やタイミングも結果に大きく影響します。私は転職希望者の方と一緒に喜んだり、悲しんだりしてしまいがちなので、転職活動がうまくいかないことが続くと気持ちが落ち込んでしまうのですが…。

最終的にご支援した方が「次の仕事でかなえたいこと」を実現し、入社後に活躍される姿を見ると、この仕事をやっていてよかったと感じます。「石田さんだからうまくいった」と言っていただけるのは、涙が出るほどうれしいですね。

「誰に貢献したいか」が重視される
メディカル領域の転職

—— 担当されているメディカル部門には、どのような傾向があると思いますか?

医療機器業界の求人トレンドは、技術革新と市場の変化にも左右されると思います。

例えば近年は、体への負担が少ないカテーテルによる「低侵襲治療」など、治療の手法の選択肢も広がっています。こういった新しい治療法の登場に伴い、病院やメーカーの採用ニーズが変化することも。ロボット手術やAIを活用した画像診断支援などデジタル医療機器も普及し、新しい事業部の立ち上げや増員につながるケースも増えています。

弊社コンサルタントは医療業界出身者なので、新技術の治験の進捗や薬機法承認申請の動向などは把握していますが、コンサルタントとしては、その時点で公開されている情報をフラットに整理して候補者に伝えることを意識しています。

—— 移り変わりの激しい業界のトレンドは、どのように情報収集しているのでしょうか?

ニュースや企業による調査資料などにも目を通しますが、最も重視しているのは「現場からの声」かもしれません。

現場というのは、お会いする企業の担当者はもちろんのこと、転職希望者の方や、私が医療機器メーカーに勤めていた時代の同僚や知人のこと。Webサイトなどからは知り得ないリアルな情報を得る手段として、現場からの情報はとても重要です。

ほかには、社内のメンバーからの知見も参考にしています。

社内では、各分野を専門とするメンバーが定期的に勉強会を開き、最新情報の共有がなされます。新しい治療法や保険適用の変更などが出れば、すぐに社内で調べ合ってシェアする仕組みも。コンサルタント全員が各々経験領域には思い入れもあり、「医療機器オタク」のようなものなので、メンバー間の情報共有にはとても助けられていますね。

—— 企業と転職希望者のマッチングはどのように行っていますか?

私は、初回の面談の際に求人のご紹介を急がないようにしています。その代わりフラットな状態でじっくりヒアリングして、ご本人が「なぜ転職したいのか」「どんな働き方や商材に魅力を感じるのか」を深く聞き出すことに時間を使っています。

最も大切にしているのは、「本当にやりたいこと」と、その方のキャラクターを掛け合わせて企業をご紹介することでしょうか。例えば同じ営業でも、「大きな装置を一括で売る」営業もあれば、「ドクターと日々対話し関係を築く」営業もあり、同じ職種でも、それぞれで求められる適性は大きく異なります

中には「成果を追う営業に向いている人」や「チームで安定的に働く営業に向いている人」、場合によっては、営業を希望していても「臨床知識を活かして医療現場を支える、クリニカルスペシャリストが向いている人」もいるかもしれません。

そういったご本人のキャラクターに合わせた働き方を紹介できるかで、「転職後、どのくらい活躍できるか」も大きく変わってくる印象です。

—— メディカル領域で、転職に成功している方にはどのような傾向があると感じていますか?

まず共通しているのが、「自分が本当にやりたいことが整理できていて、その理由に納得できていること」。目標がはっきりしている方は転職活動でもブレませんし、最終的に「現職に残る」判断をされても、そこで気持ちを新たにご活躍されていると思います。

加えて医療業界として特徴的かもしれないのが、「他者貢献の気持ちの強さ」です。自分の希望が漠然としていたり、「給与を上げたい」「成長したい」といった自己完結した理由に終始していたりすると、転職理由としては説得力に欠けてしまいます。

一方で、自分の仕事を通して「誰に、どのように貢献したいか」が明確な人は、ご自身も納得した良い転職をされる印象です。

医療業界は、ほぼすべての仕事が「患者さんに健康を届ける」ことにつながります。例えば、病院勤務をしていた方がメーカーに移ると、これまでとは違った形で、病院全体や医療従事者を支えるようになります。その結果、メーカーに転職したことで、病院に勤めていたときよりも多くの患者さんを救えるかもしれない。

医療に携わることの責任と意義を理解し、「だからこそ、この業界で貢献したい」と軸を定められる方は、やはり企業側にとっても採用したい人材になるのだと思います。

自分を介して生まれたつながりで、
転職後の活躍を支える

—— これまでのご支援の中で、特に心に残っている出来事はありますか?

以前に、女性の診療放射線技師の方を、大手医療機器メーカーにご紹介したことがありました。ご本人の「営業職をやりたい」希望がかなった転職だったのですが、入社してしばらく経ったころ、彼女から「仕事が不安で、辞めたい」と泣きながら電話がかかってきたんです

彼女は、新しい仕事にとても不安な様子でした。当時は新型コロナウイルス感染症の影響が強い時期で、入社後の研修はすべてオンライン開催。リモートワークで人に会えず、かつ転職したばかりの「職場に気を許せる相手がいない」孤独感で、気持ちが不安定になっていたのだと思います。

私は「営業職であるにもかかわらず、新しい職場でまだお客さまと接点を持てていない」ことが不安の要因なのかなと思い、「まずはお客さまに会うまで頑張ろう」と、電話やショートメッセージで彼女を励まし続けました。また、彼女と同じ会社で働く営業職の知人を紹介し、社内で相談できる相手になってもらいました。

実はその「営業職の知人」というのは、私が過去にコンサルタントとしてご支援し、現職に移られた方なんです。その知人から新しい会社の良いところをたくさん聞いていたので、不安で連絡してきた彼女にも、「良い会社だから、辞めるのはもったいない」と、その知人と私で一緒に声をかけ続けました。

いつしか「出張に行きます」といった明るい連絡が増えてきたので、とりあえず一安心していたのですが…。その1年後、たまたま足を運んだ大規模な学会に、彼女の姿がありました。去年は「辞めたい」と泣いていた彼女が、たくさんのオーディエンスを前に自社製品を堂々と説明しているんです。その成長ぶりに涙が出そうになりました。

—— 転職後も活き活きと働けるよう、転職希望者の方をサポートされているんですね。

転職支援をしたお客さまの中には、転職後も定期的に連絡をくれる方も少なくありません。時には、近況報告やプライベートのお話をするため、一緒に食事へ行くこともあります。また先の「営業職の知人」のように、私が転職支援をした方同士が接点を持って、メーカー勤務者同士のネットワークもできているようです。自分が関わった方が業界で元気に働き、さらに私を介して仲間同士がつながっていく。そして彼ら、彼女たちの働きで、医療業界の未来がつくられていくのかもしれない。そう思うと、これほどうれしいことはないですよね。

転職エージェントは「困ったことを話せる相手」として頼ってほしい

—— 転職希望者に向けたアドバイスをお聞きできればと思います。転職エージェントとして、スカウトメールでアプローチしやすい人の特徴はありますか?

ご自身の経歴情報などをていねいに登録されている方は、とても連絡が取りやすいです。すべての職歴で「何を扱い、誰に対して、どんな仕事をしてきたか」が具体的に書かれていると、ご本人の人となりや、大切にされていることが想像しやすいですよね。

そもそも記載されている内容が薄いと、転職意志がそこまで高くないと判断されてしまう可能性もあります。たくさんの情報を記入されている方は、ご本人の転職意志も感じますし、ご提案の精度も高められると思います。

—— 転職エージェントの活用法や、転職活動を成功させるコツがありましたら教えてください。

困り事があったら1人で抱え込まず、「すぐにエージェントを頼る」ことだと思います。書類の作成や面接の日程調整、直接応募では難しい年収交渉など、1人で困ることがあったら、まずはエージェントに連絡するのがよいかな、と。

企業や職種に関する情報について、自分で調べられるものにはどうしても限界があります。一方エージェントは採用背景を企業から直接聞いているので、ご相談いただければ、必要な情報をご提供できるはず。企業内部の事情や働く人の生の声など、「自分で調べられない情報を手に入れる手段」として、エージェントを頼るのがおすすめです。

—— 石田さんは、転職エージェントと転職希望者の関係は、どのような姿が理想的だと思っていますか?

私としては、転職希望者とエージェントとの距離は「近ければ、近いほど良い」と思っているんです。困ったことを何でも話せる関係性を築いたほうが、エージェントも良いパフォーマンスができるはず。

「お付き合いしている人とぜんぜんうまくいかなくて…」のような、生活やプライベートの相談をしてくれてもいいんです(笑)。キャリアを輝かせるためには、プライベートの状況だって重要なはず。転職支援を通して、そういったキャリア以外の悩みや課題も一緒に解決できるコンサルタントでありたいと思っています。

文=西谷 忠和/写真=品田 裕美/編集=伊藤 駿(ノオト)

※各記事の内容や経歴は、インタビュー当時のものです。

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