「地方在住のまま首都圏で働きたい」40代セキュリティ専門職が初転職で乗り越えた壁

新卒で地方銀行に入行し、約20年間勤務してきたY.Iさん。本部の情報システム部門などで、システム構築やサイバーセキュリティ対策を担ってきました。
長年勤め上げてきた実績がある一方、変化の激しい労働市場では「1社しか知らないこと」が将来的なリスクになるのではないかという危機感を抱くようになりました。

そこで、自らの市場価値を試すべく、金融機関のサイバーセキュリティ職での転職活動を開始。家族の生活基盤を東海地方に置いており、出社とリモートのハイブリッドワークが可能な会社を希望していました。しかし、40代後半で初めて転職に挑む中、「年齢も含めたキャリアのイメージや、遠距離通勤といった条件による壁に直面した」と言います。

そんなY.Iさんがどのようにして希望をかなえたのか。dodaのキャリアアドバイザーとの二人三脚でつかみ取った内定について、振り返っていただきました。

Y.Iさん 40代後半/男性

Profile

東海地方在住で、今回が初めての転職。新卒で地方銀行に入行し、約20年間にわたり、情報システム部門などでシステム構築やサイバーセキュリティ対策に従事。1社のみでキャリアを重ねることへの危機感から転職を決意。転職活動を経て、大手通信グループ傘下のネット銀行にセキュリティエンジニアとして入社した。

1社のみのキャリアに危機感「外の世界も見てみたい」

——これまでのご経歴と、前職で担当されていた業務について教えてください。

新卒で地方銀行に入行し、約20年間勤務していました。

一般的な営業店での勤務は最初の2年ほどで、その後は一貫して本部に所属していました。そのうち8割から9割は情報システム部門での業務でした。途中、内部監査部門でシステム監査を経験し、直近はサイバーセキュリティ部門で専門的な対策業務に従事していました。

——転職を考え始めたきっかけを教えてください。

「ひとつの会社に長く居すぎたな」「外の世界も見てみたいな」という漠然とした思いが最初にありました。そしてもうひとつは、このまま同じ環境にとどまり続けることへの危機感を抱いたからです。

銀行業務は1年周期の繰り返しが多く、専門職として新たな経験やスキルを増やす機会はなかなか得られません。ただ、現在の労働市場は非常に流動的です。今後、60歳以降もまだまだ働き続けると考えたとき、「1社のみの経験」が将来的にキャリアの弱みになるかもしれないと感じました。

そこで、一度は別の会社で経験を積んだほうがいいのではないかと考えたのが、転職活動を始めたきっかけです。

「地元企業では選択肢が限られる」首都圏への通勤を視野に

——転職先の企業を探すにあたり、どのような条件で考えていたのでしょうか。

軸は明確で、「サイバーセキュリティの専門性により磨きをかけられること」、そして「現在の自宅から引っ越さずに通勤できること」の2点に置いていました。

まず職種は、これまで携わってきた領域のスキルをさらに磨きたいと思ったので、銀行をはじめとする金融機関のサイバーセキュリティ職に絞りました。今までの経験もあるので、即戦力としてなじみやすいだけでなく、新しい職場で起きそうな多少の苦労もどうにかできるのでは、と考えたんです。

次に勤務地ですが、私は現在東海地方に持ち家があり、家族もここに生活基盤を置いているため、引っ越しは考えられません。そのため、自宅から通勤可能な企業である必要がありました。

そういった企業は地元にもないわけではありませんでしたが……。前職以上の年収を提示してくれる転職先となると、どうしても選択肢が限られてしまうんです。そのため、新幹線の特急料金などの自己負担を考慮しても納得できるだけの年収が期待できる、首都圏の企業をターゲットに設定しました。

金融領域に精通したキャリアアドバイザーに相談。「この人なら任せられる」

——初めての転職活動は、どのようにスタートされたのでしょうか。

最初は転職活動の知識がまったくなかったので、テレビCMなどで耳にする大手の転職プラットフォームに職務経歴を登録することから始めました。

まず求人の情報とその年収を見て、自分のスキルや経験に対して、市場がどの程度の年収やポジションを提示してくれるのかを知りたい気持ちもありました。登録すると、多数のエージェントやヘッドハンターからメッセージが届いて、「こういう仕組みになっているんだな」と、理解しながら進めていった形ですね。

——そんな中で、dodaのキャリアアドバイザーである大島が転職活動にご一緒するようになった経緯を教えてください。

たくさんメールが届く中で、自分の希望条件や能力に合った求人を紹介してくれる方を選んで返信していきました。その中の一人が、dodaキャリアアドバイザーの大島さんでした。大島さんに返事をしたのは、大手の転職エージェントの方であり、提案してくれた求人も興味が持てるものだったからです。

近年の金融業界では、監督官庁によるサイバーセキュリティのガイドラインが設けられました。各金融機関はそれに準じるために、高度な専門人材をそろえて体制を整備しなければならない状況になっています。

そうした背景を知っていたので、大島さんから紹介された求人の業態や規模を見たとき、「この会社は本気でサイバーセキュリティの人材を求めている」と明確にイメージできたんです。そこで、一度お話を聞いてみようと思いました。

実際に話してみると誠実で熱意を感じるお人柄で、「この人になら任せられる」と思い、大島さんのお世話になることにしました。

勤務地以上に、「年齢も含めたキャリアのイメージ」がハードルに

——キャリアアドバイザー大島と、転職活動をどのように進められたのでしょうか。

軸にしていた、「金融業界のサイバーセキュリティ職」と「自宅からの遠距離通勤やリモートワーク対応が可能か」という条件をあらかじめ伝えました。特に「遠距離通勤」については、大島さんから企業側に事前確認をしてもらった上で、理解が得られた企業の選考を受けていくスタイルで進めました。

というのも、転職活動を始めたばかりころは、書類審査は通過したのに、面接で「遠距離の通勤はちょっと……」と言われてしまうことが何度かあったんです。こちら側は準備をして面接に臨んでいますし、お互いの時間が無駄になってしまうので、「私の条件を受け入れられる企業だけと、やりとりをしたい」と大島さんにもお伝えしていました。

もうひとつ意識していたのが、「どんどん受ける」ことです。転職活動を進めるなかで気づいたのが、応募先との相性が「合う・合わない」は、結局のところ「時の運」かもしれないな、と。「条件が合う企業であれば次々に受けよう」と大島さんと目線をそろえ、とにかく果敢に応募していきました。

——実際に選考の過程に進む中で、どういったご苦労がありましたか。

一番の壁は「年齢も含めたキャリアのイメージ」だったと感じています。40代後半で新卒以来1社勤めという経歴もあってかお見送りが続き、フィードバックも「管理職も経験されている分、仕事のスタイルが固定化されていて、当社とは合わない」「硬すぎて、わが社の社風と合わない」といった内容が多かったと記憶しています。

落ち着いて話したつもりが「熱意がないと感じた」とフィードバックを受けたこともありました。お見送りが続くと、自分のキャリアや人間性を根底から否定されたような気持ちになり、心理的に非常につらい時期が続きました。

——そうした苦しい時期を、大島とどのように乗り越えたのですか。

実際のところ、転職活動が長引いたことで、連絡が取れなくなってしまうエージェントも少なくなかったです。しかし大島さんは、苦戦している中でも最後まで私を見捨てず、徹底的に伴走し続けてくれました。

大島さんとは、面接の結果が出るたびに2人でその分析を行いました。「次はこういう伝え方をしてみましょう」と具体的な改善策を提示してくれたり、企業の経営理念や金融商品と自分の経験を結びつける想定問答集を一緒に作成してくれたりと、細やかな支援を継続いただきました。

何よりうれしかったのは、転職活動がうまくいっていないときも、ネガティブな言葉を一切口にせず、「Y.Iさんはこれまでしっかり成果を出してきたじゃないですか」「ちゃんと頑張っていますよ」と常に寄り添い、励まし続けてくれたことです。非常に心の支えになりました。

年収と交通費を試算。「生活が成り立つ」と家族も納得

——現職の内定を獲得されたときのことを教えてください。

最終的に内定をいただいたのは、大手通信グループ傘下のネット銀行におけるサイバーセキュリティ職です。

最終面接を受けたのは、12月下旬のこと。活動開始から約5カ月が経って、「年内で決まらなければもうあきらめよう」と心が折れかけていた時期でした。すると、その翌日に内定の連絡が入ったんです。あきらめずに大島さんと走り続けた努力が実を結んだ瞬間で、「最高のクリスマスプレゼントだ」と思いました。

——内定通知を受け、入社を決めるにあたって迷いはありませんでしたか。

私自身には迷いは一切ありませんでした。提示された職場環境は、最先端のシステムやリソースが整っており、「ここならサイバーセキュリティの第一線でスキルを研鑽し、将来にわたって市場価値を高め続けられる」と確信できたからです。

一方で、私の意思は固かったものの、内定後の家族との合意形成は丁寧に行わなければいけませんでした。

例えば妻は「本当に自宅から東京まで通えるのか」「収支は合うのか」と不安を感じていたようです。提示された年収と交通費の自己負担分を細かく試算し、通勤時間も考慮した上で、生活が十分に成り立つことを説明して納得してもらいました。

また、私の親も私が以前勤めていた銀行と取引があったため、波風が立たないように転職の話を進める必要がありました。地元の銀行に勤めていたぶん、周囲への配慮や説明で、かなり気を遣うことも多かったと思います。

現職の豊かなリソースの下成長実感を得られる毎日

——現在はどのような働き方をされていますか。

現在は、週1日ほどのリモートワークを交えた、出社中心のハイブリッドスタイルで働いています。

新幹線での遠距離通勤は特急券代の自己負担がありますが、年収が上がった分で十分にカバーできています。通勤時間としては、ドアtoドアで約2時間。始発の新幹線なら必ず座れるため、車内で睡眠や読書ができ、体力的な負担は予想以上に小さかったです。

——実際に働いてみて、どのような部分で前職との違いを感じますか?

新しい職場は、投資や予算規模が前職よりはるかに大きい環境です。

そのため、最新鋭のセキュリティシステムやソリューションを導入できる潤沢なリソースがあり、外部コンサルタントなども活用しながら最先端の技術に触れられる。その結果、技術者としてできることの幅が飛躍的に広がり、自分のスキルが向上している実感を得られるのは非常にうれしいですね。

一方で驚いたのは、対面でコミュニケーションを取る機会がかなり減ってしまったことでしょうか。前職の地方銀行は対面でのやりとりが基本で、隣の席なら直接話しかけて、意思疎通しながら業務を進める空気感がありました。

現職は、やりとりの大部分がチャットツールで完結し、ちょっとした相談もすべてテキストメッセージを通して行われます。「記録を残すため」「やりとりをオープンにするため」といったメリットも感じつつ、「話したほうが早いのに」と思うことも少なくありません。

業務も、チームとしての活動範囲はあるのですが、任された業務をそれぞれの担当者が責任を持って完遂するスタイル。一人ひとりがかなり独立して動いている印象です。これが企業ごとの文化の違いなのだと考え、適応できるように努めています。

——最後に、転職を迷っている読者へメッセージをお願いします。

今は、終身雇用が当たり前ではなくなりました。自分の可能性を試すためにも、まずは自分の経験をきちんと棚卸しし、評価をしてもらい、自分と対話した上で結論を出したのであれば、ぜひ転職活動に取り組んでほしいと思います。

その際、転職エージェントを利用する最大のメリットは「自分を客観視できること」。自分では当たり前だと思っていた経験にプロの視点で価値をみいだしてもらい、新たな強みに気づくことができます。

また、選考での相性は「時の運」でもあります。不採用が続いて心が折れそうになることもありますが、めげずにチャレンジを続ければ必ず納得のいく結果にたどり着けるはず。信頼できる伴走者を見つけ、ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してみてください。

文=神代裕子/編集=伊藤 駿(ノオト)

大島 慶彦(おおしま よしひこ)

dodaキャリアアドバイザー(得意領域:金融業界全般)

【支援者コメント】
金融業務に加え、システム開発や内部監査、サイバーセキュリティなど幅広い経験を持つY.I様。勤務地という制約も踏まえ、リモート可能な求人を中心にご紹介しました。選考がうまくいかない時も、お見送り理由を一緒に振り返り、次の面接に向けて対策を重ねました。だからこそ、内定が決まった時の喜びはひとしおでした。転職を検討されている方がエージェント利用する際には、求人紹介の窓口としてだけでなく、強みの整理から最終的な意思決定まで、ご自身が納得できるキャリアをともに考える伴走者として活用していただきたいと思います。

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