ミドル世代の転職の実態は?企業のニーズと成功のポイントを事例も含めて解説

40代での転職は不安も多いもの。しかし、変化が速い現代では、企業のニーズは確実に変化しており、経験豊富なミドル世代が求められる時代になっています。
ミドル世代の転職の実態は、どのようなものなのでしょうか。また、ミドル世代が転職を成功させるためには、どのような点を意識するべきなのでしょうか。この記事では、ミドル世代の中でも40歳以上のケースを中心に詳しく解説します。
ミドル世代の転職の実態は?
転職サービスdodaに新規で登録した人の推移を見ると、2023年40歳以上の新規登録者数は2018の年比で1.5倍以上に伸びており、ほかの年齢区分と比べても最も大きい伸び率となっています。特に、2022年から2023年にかけて40歳以上の登録者が大きく伸びており、ミドル世代の転職への関心が高まっている様子がうかがえます。

このような変化の背景として、社会構造の変化に伴う企業側の即戦力人材へのニーズの高まりが考えられます。過去、20代前半~30代前半の採用が活発だった転職市場ですが、即戦力人材のニーズの高まりから、今は30代後半~40代以上の転職事例も増加しているのです。そのため、40歳以上の人材でも、企業側のニーズに合ったスキルや経験があれば、十分に転職できる環境が生まれていると言えるでしょう。
また、40歳以上で転職に成功した人の2024年の職種を見ると、一番高い割合を占めているのは、「企画/管理系」(25.6%)となっており、次に割合が高かったのは「営業系」(14.3%)となっています。

加えて、年代別での割合を見ると、「金融系専門職」(26.1%)、「コンサルタント/不動産専門職」(28.6%)の割合が他年代に比べても高いことが分かります。専門知識や経験を求められる職種での転職が多いことが、ミドル世代の転職の傾向と言えそうです。

参照:「転職成功者の平均年齢調査【最新版】年代別の転職活動のポイントは?」|doda
ハイクラス層の転職サイト利用者のうち、7割の方が2つ以上のサイトを利用しています。
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※2020年12月、21年4月パーソルキャリア実施のインターネット調査より 調査対象:全国男女20~64歳会社員(N=347)
ミドル世代の転職者に求められること
ミドル世代の転職者に、企業はどのようなことを求めているのでしょうか。主な3つを紹介します。
全社課題に対する貢献性
ミドル世代の中でも特にハイクラス人材は、担当業務への貢献にとどまらず、事業全体や企業成長に対する影響力を発揮することも求められます。
ミドル世代は、管理職の役割を求められるケースも多いため、横断的な課題解決に積極的に関与する姿勢が必要です。特に経営層に近いポジションであれば、経営視点を持って会社に貢献することが求められます。
高い専門性・マネジメント経験
ミドル世代には、即戦力として年齢相応の専門性とマネジメント経験が求められます。単なる業務遂行能力ではなく、戦略的な視点を持ってチームや組織を牽引するリーダーシップが不可欠です。
また、エンジニア職など専門性で勝負する必要がある職種の場合は、特定分野に関する深い知識や技術力、実績を有していることが、自分が希望する転職を実現するカギです。特にハイクラス人材は、希少性の高い専門性が武器になります。
高度なポータブルスキル
業種や職種が変わっても通用する持ち出し可能な能力であるポータブルスキルは、経験豊富なミドル世代の転職で、特に求められる能力です。
20代・30代でも求められるスキルではありますが、40歳以上になると、より高い水準でコミュニケーション力や問題解決力、プロジェクトマネジメントの能力、データ分析力などが備わっていると見なされます。
汎用的なスキルを磨き、これまでと異なる環境であっても活躍できるように準備をしておきましょう。
ミドル世代の転職を成功させるには
ミドル世代での転職を成功させるには、どのようなポイントを意識すべきでしょうか。ここでは、4つのポイントを紹介します。
企業への貢献性をプロセスと数字でアピールする
企業はミドル世代に対して、課題を自分で発見し、仮説を立て、周りを巻き込んで事業やプロジェクトを推進する力を求めています。
また前述のとおり、特にハイクラス人材には、担当業務への貢献にとどまらず、事業全体や企業成長に対する影響力を発揮することが求められます。
売り上げやコスト削減、顧客満足度の改善、人材育成や組織改革の成果などを数値や指標で可視化して語ることが効果的です。例えば、「新規顧客開拓により売り上げを前年比○○%に伸長」「業務フロー改善で残業時間を○○%削減」など、具体的な成果とプロセスを盛り込み、説得力を高めましょう。
専門性やマネジメント経験をアピールする
ミドル世代の転職では、年齢相応の専門性やマネジメント経験が求められます。企業の採用背景を深く理解した上で、自身の専門性が企業や採用部署にとって、どのような価値があるかを示しましょう。
また、ミドル世代は管理職として採用されることも多く、採用企業社内の課長候補者などと比較されるケースもあります。採用担当者が社内の候補者と比較したとき、社内にはない知見を持っていると期待されるためにも、自身が企業に貢献できることをしっかりとアピールすることが重要です。
高いポータブルスキルをアピールする
前述のとおり、汎用的な高い水準のポータブルスキルはミドル世代の転職で武器となります。具体的なエピソードとともに示すことで、企業が期待する即戦力としての魅力を高めることができます。
一方、ミドル世代は経験値が高いことが強みですが、それゆえにこれまでの経験に固執してしまわないかは、懸念される要素でもあります。そのため、環境変化への適応力もしっかりとアピールしましょう。
転職や出向、別部署への異動経験をどのように乗り越え、その中でどのように実力を発揮してきたのかを説明できれば、新たな環境への適応力を伝えることができます。
転職サービスを活用する
転職サービスを利用することで、多様な求人情報を比較検討したり、キャリアのアドバイスを受けたりすることができます。特にミドル世代の転職は、企業からの期待値が高い分、相応のスキルや経験を求められます。
そのため、ヘッドハンターやキャリアアドバイザーの力も借りながら、適切な準備を行って転職に臨むことが有効です。第三者であるプロから、転職市場の動向や自分の客観的な市場価値について聞くことで、自己分析や戦略設計が一段深まるはずです。
また、企業側の採用背景や求める人物像なども、企業側と接点のあるヘッドハンターから情報を得ることができます。
加えて、スカウトサービスを利用することで、「自分の経験でこんなスカウトも届くのか」という新たな発見が得られるかもしれません。キャリアの選択肢を広く持つためにも、転職サービスの活用も検討してみましょう。

ミドル世代が転職するにあたり、注意すべきポイント
ここからは、ミドル世代の転職で注意すべきポイントを2つご紹介します。
選択肢を広く持つ
これはどの年代でもいえることですが、年収や企業規模、ワーク・ライフ・バランスなど、転職によって自身が求めるすべての条件を満たせるとは限りません。希望条件に優先順位を付けた上で、視野を広く持つことが転職を成功させるポイントでもあります。
自分のこれまでの経験が思わぬ業界や企業から高く評価される可能性もあるので、業界や肩書きなどにこだわりすぎずに多様な選択肢を持つことで、新たな可能性を見いだしましょう。
残りのキャリアや定年後も見据える
ミドル世代での転職では、次の職場で定年まで働く可能性も高いでしょう。そのため、若年層と比べて、より残りのキャリアを見据えた転職が重要です。
今後のキャリアプランや定年後の働き方まで考慮しながら転職先を選ぶことで、より納得感のあるキャリア選択ができます。家族がいる場合は、将来像について早めに話し合いをしておくこともポイントです。
ミドル世代も異業種・異職種転職をかなえている
dodaの2024年3月の調査データでは、40歳以上の転職で異業種や異職種への転職の合計割合は73.9%に上りました。

また内訳を見てみると、異なる業界で経験や専門性が活かせる同じ職種への転職が多くなっています。これは、人材会社の営業からメーカーの人事など、業種や職種が異なっても通用する即戦力人材を企業が求める傾向が強いためといえるでしょう。
ハイクラス転職に成功したミドル世代の事例
ここからは、実際にdoda Xでミドル世代の方がハイクラス転職を成功させたケースを紹介します。
【44歳男性】面接前にしっかりと情報収集を行い、内定を獲得
業界・職種 | 転職前:インフラ事業会社 ITサービス運用・サービスデリバリーマネジャー → 転職後:電気通信事業者 ITサービス運用・テクニカルサービスマネジャー |
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転職活動期間 | 約8カ月 |
面接した企業数 | 1社 |
年収 | 転職前:850万円 → 転職後:900万円 |
この方は、長時間労働や昇給・キャリアパスの限界、職場の価値観のズレを理由に転職を決意しました。企業について事前になるべく詳しい情報を得るように努めたことで、面接の手ごたえを感じました。自身のキャリアについて、キーワードを押さえてしっかりと説明できるようにしていたことが、転職成功のカギだったと振り返っています。
【関連記事】「短期集中ではなく、たまに転職サイトへの登録情報を更新し、断続的に行いました」|doda X
【40歳男性】自身の強みをアピールし、得意な分野で活躍できる企業へ
業界・職種 | 転職前:クレジットカード・金融会社 法人営業・課長 → 転職後:フィンテック企業 法人営業 |
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転職活動期間 | 約2年 |
面接した企業数 | 4社 |
年収 | 転職前:800万円 → 転職後:1,100万円 |
この方は、現職での業務内容が自分に合わないと感じ、得意な分野で働くことと年収アップを目標に転職を決意。自身の強みを分析して伝えたことで、希望条件に合う企業から内定を得ることができました。転職の成功には、企業のニーズと自身の希望をすり合わせることや、自信を持って自分の強みを伝えることが重要だったと語っています。
【関連記事】「自分の得意な分野で仕事がしたいと思い、転職活動を始めました」|doda X
【44歳男性】カジュアル面談で会社の雰囲気を確認し、キャリアを広げる転職に成功
業界・職種 | 転職前:医療・保育事業会社 事業開発・部長 → 転職後:化学品専門商社 経営企画 |
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転職活動期間 | 約1年 |
面接した企業数 | 3社 |
年収 | 転職前:1,000万円 → 転職後:1,100万円 |
この方は、M&Aや子会社管理などの経験を活かして、経営企画分野でスキルを広げたいと転職を決意しました。約1年の活動を通して6社へ応募して、3社で面接、1社から内定を受けました。一次面接前のカジュアル面談によって、業務内容だけでなく社員の人となりや組織の雰囲気を事前に把握できたことが、非常に有効だったと語っています。
【関連記事】「カジュアル面接は、人となり、組織の雰囲気を確認できる点が非常に有効でした」|doda X
ミドル世代の転職を成功させるには、入念な準備がポイント
ミドル世代の転職のポイントは、専門性やマネジメントスキル、ポータブルスキルなど、即戦力かつ成果を生み出せる人材として、企業が求める能力を十分にアピールすることです。企業からの期待値が高いからこそ、転職の際は入念な準備を行ってから臨みたいところ。
企業がミドル世代に対して実際にどんなニーズを持っており、そこに対してどのようにアピールしていくかを検討する上では、転職サービスの活用も有効です。
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