VUCAとは？予測困難な未来を見据え対応できるリーダー像とは

「VUCA（ブーカ）」とは、あらゆる環境が目まぐるしく変化し、複雑で予測困難な、混沌とした現代の状況を表した言葉です。
そんな予測不可能な時代に対応できる企業の特徴や、VUCA時代を生き抜くために必要なスキル、リーダーに求められる人材像について解説します。

VUCAとは未来予測が困難な現代の状況を表す言葉

VUCAとは、「Volatility（変動性）」「Uncertainty（不確実性）」「Complexity（複雑性）」「Ambiguity（あいまい性）」の頭文字を取った造語で、未来の予測が困難な現代の状況を表しています。
もともとアメリカの軍事用語として使用されていた言葉ですが、変化が激しく、先行きの不透明な社会情勢や経済状況を表す言葉として、ビジネスの世界でも使われるようになりました。世の中が目まぐるしく変化する今を象徴する言葉ともいえます。

VUCA時代に対応できる企業の特徴

想定外のことが次々に起こり得るVUCA時代。複雑で不透明なビジネスの現場では、企業や組織も変化していくことが必要です。VUCA時代に対応できる企業の特徴は、下記のとおりです。

明確なビジョンがある

不確実で先の見通せないVUCA時代にあって、刻々と変化する状況に企業が適応するためには、明確なビジョンが必要です。企業が今後目指す方向性やビジョンを明確に示していれば、従業員一人ひとりが「自分のやるべきこと」を認識することができます。活発なコミュニケーションや新規事業の創出も可能になり、事業成長につながるでしょう。

迅速な意思決定ができる

流れの速いVUCA時代では、意思決定や決断に多くの時間をかけていては変化に対応することができません。
意思決定のフローが明確であり、かつリーダーやマネジャーへの幅広い権限委譲を積極的に行っている企業や、メンバーの裁量が大きい企業ほど、組織として迅速に意思決定が可能になり、変化に素早く対応できるのです。

多様な人材を採用している

これまでの常識が常識として通用しないことも多いVUCA時代。年齢や価値観、バックグラウンドなどが異なる多様な人材を採用し、それぞれの能力が十分に発揮できる環境や制度を取り入れる企業が、不測の事態にも対応できる強い組織だといえるでしょう。

常識や固定観念にとらわれない挑戦的な判断ができる

経験の豊かさが必ずしも最大の武器になり得ないVUCA時代では、常識や固定観念にとらわれない挑戦的とも思える判断が時には必要です。
業界の通念を覆すような選択をすることで、これまでにないサービスや事業を立ち上げることも可能となります。

VUCA時代に求められるリーダー・マネジャーの人材像

VUCA時代のリーダーやマネジャーには、どのようなスキルが求められているのでしょうか。VUCA時代に求められるリーダー・マネジャーの人材像は、下記のとおりです。

新しい情報の収集に積極的である

変化の激しいVUCA時代には、これまでの成功事例が通用しない場面が多くあると想定されます。常に新しい情報を得て、積極的にインプットすることが必要です。
自分の周辺だけでなく広い視野を持ち、偏りのない情報を収集するようにしましょう。また、それらを鵜呑みにするのではなく、自分なりに分析して仮説を持つといったことも大切です。

メンバーの目線に立ち対等に対話できる

課題やその解決方法も変化するVUCA時代には、リーダーやマネジャーからメンバーへ一方的な指示をするマネジメントスタイルはあまり適さないでしょう。多様なメンバー一人ひとりの個性や能力を引き出しビジネスに役立てるためには、メンバーと同じ目線に立って対話する能力が不可欠です。一人ひとりの声に耳を傾けられるコミュニケーション能力が、強く柔軟な組織づくりにつながるでしょう。

未知の問題にも迅速に対処できる決断力・行動力がある

短いサイクルで変化する状況にも素早く対応できる「決断力」と「行動力」は、VUCA時代を生きるリーダーやマネジャーにとって、最も必要なスキルといえるかもしれません。
これまでに経験したことのない状況に置かれた際にも、迅速に状況を把握して解決方法を見つけ、実行することが求められます。そのためには、自分だけで状況を打破しようとせず、時には業務の一部をメンバーに任せるなどの柔軟な判断も重要でしょう。

VUCA時代に求められる個人のスキル

VUCA時代には、リーダーやマネジャーだけでなく、個人に求められるスキルも変化しています。具体的にはどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

テクノロジーなどの変化に臨機応変に対応できる

新しい技術やビジネスモデルなどの情報を、積極的にキャッチアップすることが必要です。情報をもとに自分への影響や関わりを考え、業務改善に活かせないか検討し、臨機応変に対応することが求められます。

多様性を受け入れられる

組織の中では、自分とは考え方や価値観、背景の異なる多様なメンバーが存在するもの。多様性を受け入れ、協力しながら取り組んでいく意識が個人にも求められます。仕事を進めるにあたって、様々なメンバーと円滑なコミュニケーションが取れることも、重要なスキルの一つです。

自身で考えて課題を解決できる

これまで経験したことのない課題にぶつかることも想定されるのがVUCA時代。明確な答えもなく、情報が不十分でも自分なりの仮説を立てて、解決の可能性が高い行動を選択することが重要です。
すなわち、これまでのパターンにとらわれず、自分自身の考えで課題解決の道を見つけ出す力が問われます。指示待ちやリーダーの決定依存といった姿勢ではなく、主体的に考え行動することを意識しましょう。

VUCA時代に求められる人材像にあわせてキャリアの棚卸しをしよう

先の予測ができないVUCA時代には、所属する企業が時代の変化に対応できる体質・体力を持ち得ているのかを見極めるとともに、自身がそれに対応できるスキルを身につけることも重要です。就職や転職の際も、これまでのキャリアを振り返り、経験やスキルを通してVUCA時代に対応することが可能であることを自己アピールに含めれば、採用面接でも高い評価を得られるでしょう。

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