TOEICスコアの目安 | 転職やビジネスで押さえておきたいレベルとは

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グローバル化が進む中、ビジネスパーソンには転職時や昇進時など、さまざまなシーンで英語力が求められます。その際、日本で英語力の指標の一つとして広く用いられるのがTOEICのスコアです。
今回は、企業が求める英語力についてTOEICスコアを中心に解説します。

INDEX(読了時間9分)

そもそもTOEICスコアとは

はじめに、TOEICの基本情報を紹介します。

世界160ヵ国で採用されているグローバルスタンダードなテスト

TOEICとは、「Test Of English for International Communication」の略称です。世界160ヵ国で実施されるグローバルスタンダードなテストで、日本国内におけるTOEIC Programの総受験者数は2020年時点で約169万人です。学生から社会人まで幅広く活用されています。

TOEIC自体は5種類のテストがありますが、そのうち最も受験者が多いのが「TOEIC® Listening & Reading Test」で、一般的にTOEICスコアという場合はこのテストのスコアを指します。

TOEICには合格・不合格という判定がなく、10~990点(トータル)という数字が結果となります。採点は5点刻みですが、正解した数そのものではなく、統計処理によって算出された換算点です。2020年の日本人のスコア平均は531点です。

※「2020 Report on Test Takers Worldwide : TOEIC Listening & Reading Test」ETS

英語力を確認する目安として活用する企業が多い

TOEICスコアは、知名度や利用者数の多さから、企業が社員あるいは入社希望者の英語力を確認する基準の一つとしても用いられています。

日本でTOEICテストの実施・運営を行う国際ビジネスコミュニケーション協会(以降、IIBC)の調査によると、TOEICスコアを採用の要件・参考にしている企業は、新卒採用で49.1%、英語を使用する部署の中途採用では53.8%ということです。

また、企業によっては、昇進時にTOEICのスコア取得が求められることもあり、キャリア形成においてTOEICが必要となるビジネスパーソンは少なくありません。

※「英語活用実態調査2019」国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)

【スコア別】ビジネス・転職活動でのTOEICスコア評価

ここからは、ビジネス・転職活動でTOEICスコアがどのように評価されるのかを解説していきます。実際には企業や一緒に働くメンバー、業務内容によっても求められるレベルは変わるので、あくまで参考として考えてください。

TOEICスコア600~695点|英語を使用する業務や昇進のためのスタートライン

TOEICスコア600~695点は、英語の基礎的な力が身についてきたレベルといえます。

IIBCの調査によると、企業が英語力を使用する部署の中途採用の要件・参考とするスコアは平均620点ということです。

したがって、このスコア帯は英語を使用する業務にあたる社員に求められる英語力の最低ラインと考えてください。多くの日本企業で社員の昇進要件としても用いられているスコアのため、英語が苦手な人はまずはこのレベルを目指しましょう。

なお履歴書には書いたとしても評価されるとは言えないため、募集要項に必須条件として「TOEIC600点以上」などの記載がない限りは、あえて記載する必要はないと考えられます。記載するか悩む場合は、転職エージェントやヘッドハンターに相談してみてください。

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600~695点の英語力

【リスニング】
あいさつや、業務上の簡単なコミュニケーションに対応できます。ただし、商談やプレゼンテーション、専門的な内容となると聞き取りが難しいと考えられます。

【リーディング】
自分の業務や自社サービスに関連した商品説明などはある程度理解できますが、複雑な内容は理解が難しいでしょう。

TOEICスコア700~795点|ビジネスでもある程度通用してくるレベル

TOEICスコア700~795点は、英語を武器にするレベルではありませんが、ビジネスでもある程度通用する段階です。履歴書には、記載することで英語力のアピールに繋がるほどではありませんが、日本企業であれば「英語を苦にはしない」という印象を与えられるでしょう。

IIBCの調査によると、商社や電機メーカー・情報通信業などの業種の課長~部長職での昇進の基準になるスコアでもあります。

700~795点の英語力

【リスニング】
英語を英語のまま聞き取ることが苦にならないレベルです。細かい部分の聞き落としやミスはありながらも、長い複雑な会話もある程度理解できるようになります。

【リーディング】
難易度の高い文章も、細かい誤りが残りながらも一定の時間をかけて理解できるようになります。社内文書やプレゼンテーション、会議資料なども対応可能でしょう。

TOEICスコア800~895点|外資系企業への就職・転職も可能なレベル

TOEICスコア800~895点は、業務に概ね支障がなく、英語を強みにできるレベルです。履歴書に記載しておくと英語力を評価してくれる企業も増えるでしょう。
また外資系企業の採用時には基本的に800点以上が必要とされることが多いため、その基準もクリアしています。

800~895点の英語力

【リスニング】
基礎がしっかりしているため、長文も比較的聞き取れるようになり、文脈から内容を推測できます。ネイティブスピーカーが複数人集まるような会話には付いていけないことはあるかもしれませんが、基本的なコミュニケーションに困ることはないでしょう。

【リーディング】
複雑な文章もしっかりと理解できるようになる段階です。読解力が高まっているので英語での情報収集も苦にならず、業務への活用が可能となります。

TOEICスコア900~990点|業務上英語で困ることはほぼないレベル

900点以上は、複雑な会話にも対応でき、ビジネスの現場で英語力を駆使して活躍できるレベルとみなされています。全受験者の中でも数パーセントの割合になるため、履歴書には記載しておくと、一つのアピールに繋がるでしょう。

900~990点の英語力

【リスニング】
英語で困ることはほとんどなくなるレベルとされています。専門性の高い複雑な会話にも対応でき、外資系企業や海外赴任のあらゆるポジションで即戦力としての活躍が期待できます。

【リーディング】
難易度の高い文章もスピード感をもって理解できるようになります。専門性の高い契約書や資料などの理解も苦になりません。

採用時にTOEICスコアを参考にしている企業

ここでは、採用Webサイトで求人の募集要項に具体的なTOEICスコアの基準を記載している企業を紹介します。このスコアが必須かあくまで参考要件なのか、また求められるスコアが何点なのかは募集職種やポジションによっても異なります。ここに記載のスコアは一例と考え、もし希望企業がある場合はご自身で募集要項をしっかりと確認をしてください。

600点台

企業名(職種)

TOEICスコア

川崎重工業(技術職)

600

ソニー(データサイエンティスト)

600

日立製作所(財務)

600

日本たばこ産業(IT系総合職)

650

700点台

企業名(職種)

TOEICスコア

東レ(営業)

700

双日(営業)

730

住友商事(営業)

730

日産自動車(国内マーケティング)

730

NTT東日本(営業)

740

800点台

企業名(職種)

TOEICスコア

パナソニック(グローバル法務)

800

楽天(事業企画)

800

武田薬品工業(プロダクトマネージャー)

800

ソニー(海外企業向け営業)

800

900点台

企業名(職種)

TOEICスコア

丸紅(法務)

900

パナソニック(海外広報)

900

※2022年6月調べ

また先にも述べましたが、外資系企業であれば基本的に800点以上を求められることも多いです。外資系の中でも特に金融やコンサルティング業界などは、顧客との細かなやりとりが業務上重要なため、より高いレベルが必須で求められると考えてください。

TOEICスコアはあくまでも英語力の目安の1つ

TOEICは英語力を示す基準として多くの企業に利用されていると説明してきましたが、あくまでもこれは目安の1つです。

TOEICでは、読む力と書く力のレベルは判定されても、会話力やコミュニケーションスキルまでは詳しくは分かりません。TOEICスコアが低くても、ビジネスで英語を使う経験が豊富で、臆せず意見を伝える能力が高い人もたくさんいます。

ビジネスの現場では、スコア以上に自分の言葉でしっかりと意思疎通ができるかどうかが重要なポイントになります。スコアだけに固執するのではなく、常に「自分が英語でコミュニケーションをとれるかどうか」を基準に英語力を考えるようにしましょう。

ビジネスで使える英語力に関する情報は、以下の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。

Amazon米国本社の日本人に聞く、ビジネスで英語を使えるようになる「3つのマイルール」

28歳、英語力ゼロで外資系に転職し10年余。レゴジャパン代表に聞く「使える英語」の身につけ方

TOEIC以外にビジネスで活きる英語資格とは

最後に参考として、TOEIC以外に有名な英語資格をいくつか紹介します。英語力を高めるうえで参考にしてみてください。

TOEFL (Test of English as a Foreign Language

TOEICと並ぶ、世界基準の英語テストとして知られています。米国の教育試験サービス提供を行うNPO「ETS( Educational Testing Service)」が英語圏の大学や大学院への留学を目的とする人に向けて、英語で学ぶための力を測る指標として開発しました。TOEFLスコアは、海外の大学や教育施設で入学の条件として活用されています。

実用英語技能検定(英検)

「英検」として知られる、日本で知名度の高い資格です。2020年度は約367万人が受験しており、小学生からシニアまで幅広い年齢層が受験しています。
英語コミュニケーション全般での汎用性の広さが特徴となっています。

国連英検

正式名称は、「国際連合公用語英語検定試験」です。名称から分かるように、国連をはじめとする、世界的な機関で通用するハイレベルな英語力を証明できる資格で、英語力を測る試験の中でもトップレベルの難易度と言われています。
特A~E級というランクが設けられており、国連で働くためには、A級以上の実力が求められ、国際情勢や環境問題など、世界的なテーマでの英語による表現力が必要です。

日商ビジネス英語検定

商工会議所による、ビジネスに特化した英語力検定です。1~3級のランクに分かれており、1級では海外取引の豊富な実務経験と、英語のビジネスコミュニケーションスキルが必要とされます。さらに、以下のようなビジネス知識も問われる試験です。

・市況レポートに基づく状況分析
・契約書の作成
・プレゼンテーション
・ネゴシエーション

英語の資格取得を考えるのであれば、強みや用途を踏まえて受験を検討しましょう。

TOEICスコアの目安を知りキャリアアップを

TOEICはビジネスパーソンの英語力を図る目安の一つとして活用されています。
ビジネスでは実際に英語でコミュニケーションが取れることが重要ですが、TOEICスコアを磨くことは、英語の基礎力をつける上でも有効です。ご自身のキャリアに必要なスコアを把握したうえで、英語力の向上を目指していきましょう。

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