【40代の転職】その現実や成功のポイントとは? 現役ヘッドハンターに聞く

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40代での転職は、企業から求められるスキルや実績のハードルが上がるため、決して容易ではありません。
一方で高い問題解決能力、業界への深い知見や影響力、大規模なプロジェクトの立ち上げ経験などを備えていれば、好条件で採用される可能性もあります。実際に、doda X(旧:iX転職)では多くの40代が転職に成功しています。

そこで本記事では、現役のヘッドハンターに聞いた、40代での転職を成功させるヒントを解説します。

INDEX(読了時間8分)

40代での転職。その現実とは?

40代はどんな理由で転職している?

40代になると、転職理由として家庭の事情や勤務先での立場など、本人の意思だけではコントロールできない要因が目立つようになります。

そのため「いい企業があれば」「条件が安心できるなら」など、慎重な姿勢で転職活動に臨む人が増えてくる傾向です。
具体的な転職理由は「年収アップ」が多く、その背景には「現在の会社の待遇に満足できない」「家族のために給料を上げたい」といった要望がよく挙がります。

そのほか「プロジェクトの破談で長年の努力が報われなくなった」「ベンチャーで目まぐるしく働いてきたものの体力や気力がきついと感じている」「退職金がもらえる企業に移りたい」など、ミドル世代ならではの声も聞こえてきます。

それに対して企業からは「社内にいない、100人を超えるような組織を束ねていた人なら歓迎したい」といったスキルに対しての高い期待値や「配属先の上司が年下なので、現場となじみにくいのでは」などの懸念が上がることも事実です。

40代の転職では、こうした企業側とのニーズのギャップをいかに埋めていくのかが成功の鍵となります。

40代で転職した人の職種

転職サービスdodaが実施した2020年の調査※1によると、40代の転職では「技術系(IT・通信)」の職種で転職した人の割合が最も多く28.1%で、続いて「企画・管理系」の職種が19.1%、「営業系」が11.6%ということがわかりました。

特に、2019年と比較して「技術系(IT・通信)」で転職した人の割合は7.2ポイント増える結果となり、他の年代と比べても増加幅が最大となっています。新型コロナウイルスの影響による即戦力採用の風潮や、企業のDXへのニーズが高まる中、これらの人材の需要が高まってることが影響していると考えられるでしょう。

※1「コロナでどう変わった? 転職成功者の年齢調査【最新版】」転職サービスdoda

40代の転職後の平均年収

doda X(旧:iX転職)利用者のデータでは、40代の転職後の平均年収は840万円※2です。

転職で必ずしも年収が上がるとはいえませんが、前職より年収水準の高い業種への転職や、高い専門性・マネジメント経験が評価されることで、高年収での転職は可能と考えられるでしょう。
また、厚生労働省の調査※3によれば転職後の賃金の変動状況は次の通りとなっています。

転職者の賃金変動状況

増加 変わらない 減少
40~44歳 39.1% 31.0% 28.5%
45~49歳 37.7% 34.0% 28.0%

40代は約4割の人が転職で年収を上げていることがわかります。

※2 2019年9月~2021年8月のdoda X(旧:iX転職)経由での転職決定者実績
※3「-令和2年雇用動向調査結果の概況- 令和3年8月」厚生労働省

異業界・未経験職種への転職は可能?

40代では、これまでの経験と全く異なる業界や職種への転職は難易度が上がるといえます。企業側は長く働いたからこそ得られる知識やスキルを期待しています。そのため、40代の未経験者を迎えて新しい能力を身に付けてもらう余裕のある企業は少ないと認識しましょう。

それでも新しい分野に挑戦するのであれば「取引先として深く関わってきた」など、少しでも接点のある業界・職種に応募してみると良いでしょう。
また、もし副業が現職で認められている場合には、まずは副業制度を利用して挑戦するのも一つの方法です。

40代の転職活動の進め方

40代が転職活動を進める上で支えになると思われる、主なサービスや手段を紹介します。 

  • ヘッドハンティングサービス
  • 人脈を活用
  • 直接応募
  • 転職エージェント、転職サイト

中でも40代は、ヘッドハンティングサービスや転職エージェントの活用がおすすめです。長年の経験から自己評価が固まりやすいので、自身の過大・過少評価の修正も含めて、第三者との面談を通して視野を広げられる可能性があります。

ヘッドハンティングについてはこちらでも詳しく解説しています。
ヘッドハンティングとは? 仕組みや特徴、オファー時の対応について解説

また、ハイクラスの40代が応募するであろう管理職や重要ポジションの求人は、事業戦略にも直結してくることから非公開でヘッドハンターにスカウトを依頼することが多くあります。
そのため、ハイクラスの転職を希望する場合には、ヘッドハンティングサービスを利用すると希望の求人が見つかるチャンスが広がります。

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40代での転職を成功させるには?

転職を成功させるためのポイントを解説します。

  • 希望条件や転職軸を明確にする
  • 自分のキャリアの棚卸しをする
  • 応募先企業が求める経験・スキルを理解する
  • 応募先企業の調査をし、疑問点を整理しておく

職務経歴書をまとめる際に、40代は実績・経験が豊富にあることから、志望動機や熱意よりも、実績を提示することに偏ってしまう傾向があります。そのため、意識的に「なぜその会社に応募するのか」という企業への思いを添えると良いでしょう。

ヘッドハンターや転職エージェントに相談し、応募先企業がどのような人材を求めているのかを把握した上でまとめれば、採用担当者が「ぜひ会ってみたい」と思う書類が完成します。

また、事前に自分が仕事の上で大切にしていることや、転職先の企業における中長期的なキャリアビジョンをイメージしておくと面接で話しやすいでしょう。

上記の内容はいずれも並行して取り組み、選考がうまく進まない場合には内容の見直しを重ねてください。すると気付きや学びのスピード感が圧倒的に速まり、転職活動も成功に近づくと考えられます。

書類作成のコツについてはこちらもご覧ください。
【ハイクラス向け】職務経歴書の書き方や注意点を解説

面接で見られている主なポイント

無事に書類が通過したら次は面接です。採用担当者が確認している主な点は以下と考えられます。

  • 組織風土にマッチしているか
  • 即戦力かどうか
  • マネジメント経験はあるか

職務経歴書にも記載した自身の専門性や経験について、面接官に思いを込めて伝えられるよう改めて整理しておきましょう。

「前例の無い規模のプロジェクトをまとめたことがある」「新規事業を立ち上げた」など、企業からのニーズがありながら希少価値の高い経験は、良い評価が期待できます。

また、先にも述べた通り40代以上は、これまでの経験への期待値が高まると認識しましょう。好条件が提示されていたら、それに見合う人材だと判断されるよう面接に臨んでください。
なお過去の成果への自負は大切ですが、奢らずに謙虚に自己分析をして「この人なら任せられる」と思われるように面接対策を行いましょう。

マネジメント経験がない場合でもアピールできる経験がないか整理を

マネジメント経験が無い場合は正直に話しつつ、もしグループのリーダー経験などがあればそれを伝えましょう。なお、主観だけでアピールせず、第三者からの評価や数字を用いて客観的な説明を心掛け、自分が果たした役割を理解してもらうことが大切です。

オンライン面接で注意すべきこと

コロナ禍ではオンライン面接も考えられます。音声や画像が安定しやすいネットワーク環境で、動作が重くならないように他のソフトなどは落としておきましょう。

他にも以下のような点に気を付けてください。

・雑音が入らないようにする
・照明や自然光を活用して自分を明るい印象に
・背景は壁やシンプルなバーチャル背景を使う
・回線トラブルなどに備えて企業の連絡先を控えておく

面接終了後は勝手に退室せず、面接官の指示に従ってください。先に退室する場合は、忘れずにお礼のひと言を添えましょう。

40代で転職する際に注意すべきポイント

40代の転職では、どのような点に気を付けた方が良いのでしょうか。注意しておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 過去の経歴や実績にこだわりすぎてしまう
  • 素直さ、謙虚さが欠けた態度をとってしまう
  • 成長意欲がないと思われてしまう
  • 思っていた業務内容(企業)と違い転職自体を後悔してしまう

最も多く聞かれる失敗が「入社後、イメージしていた企業と違っていた」という点です。内定を承諾する前の段階で、仕事内容をよく確認しなかったことが原因と考えられます。

面接の場での話はあくまでも “概要”です。「この仕事を任せます」という言葉を自分の想像だけで判断しないよう、内定が出たらオファー面談はできるだけ設定してもらうようにしましょう。実際に自分が担う業務の解像度を出来る限り上げ、期待されていることをすり合わせることが肝要です。

これまでの経験を活かして、納得のいく転職を

40代の転職では求められるスキルや実績のハードルが上がるため、転職活動は決して簡単ではありません。これまでの実績やマネジメント経験をしっかりアピールし、焦らずに転職を成功させましょう。

もしご自身のキャリアパスや転職活動に不安があるのであれば、ヘッドハンターや転職エージェントに相談してみてください。第三者の目線から強みやアピールするべきポイントを整理し、納得のいく転職活動になるようサポートします。

監修

芹田 英基
芹田 英基
パーソルキャリア(株)エグゼクティブ&ハイキャリア事業部

新卒で当社に入社し、IT/通信業界向けの採用コンサルティングに従事。その後、ITエンジニア向けのキャリアアドバイザーとして転職支援や転職サポートの新サービス立上げに携わった後、現在は年収650万円以上の主にITエンジニア/コンサルタント職のキャリアアドバイザーに従事。IT領域のリーダーを経て、トップアドバイザーとして、これまでに約400名の方の転職支援を実現。

中谷 正和
中谷 正和
パーソルキャリア(株)エグゼクティブ&ハイキャリア事業部

大学卒業後、住宅メーカーにて注文住宅の営業職に従事した後、2007年に当社に参画。キャリアアドバイザーと法人営業に従事した後、2015年~現在に至るまで年収650万円以上の企画・マーケティング職やコンサルティング職、営業職など、幅広い職種の転職支援を行っている。累計支援数は600名以上。国家資格キヤリアコンサルタント。

石橋 寿子
石橋 寿子
パーソルキャリア(株)エグゼクティブ&ハイキャリア事業部

教育業界にて講師や営業職、マネジメントを経験。その後当社へ参画し、長年、消費財・メーカー・サービス領域の転職支援業務に従事。現在は650万以上のハイキャリアセールス領域の支援をメインに行っている。前職から現在に至るまで、幅広い年齢層の方を対象に15,000件以上のキャリアカウンセリングを実施。国家資格であるキャリアコンサルタントを取得し、転職希望者が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行っている。

[編集・構成]doda X編集部

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