市場価値とは?自身の価値を知って高める方法やポイントを紹介

キャリアを築く中で、誰しも一度は自身の転職における「市場価値」について考えたことがあるでしょう。とはいえ、言葉の意味が広い分、市場価値とは具体的に何を指すのか、その測り方、高め方についてよく分からずにいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、市場価値をどう捉えて高めていけばいいのか、転職のプロの視点から解説します。

市場価値とは

就職・転職活動において、近年よく「市場価値」という言葉を耳にするようになりました。転職における「市場価値」とは、一言で言えば「自分自身のスキルや経験に対する、企業からの採用ニーズ」と言えます。

転職市場では、企業側が魅力的に感じる要素をいかに持っているか、という点が転職希望者の「市場価値」となります。

ただし、採用ニーズは時流によっても変化するため、連動して市場価値も変化していきます。また、企業が求めるスキルや経験を持った人材が市場にどれだけいるか、という需要と供給のバランスによっても変化していくものです。

転職における市場価値の意味と構成要素

現在、人材の市場価値が改めて注目されているのは、それだけ転職が当たり前の時代になったからと言えます。コロナ禍を経て、働き方を見直す人が増えたほか、健康寿命が延びることで訪れる「人生100年時代」を見据えて、より長く働くために自身の市場価値を気にする人が増えているのです。

では、どのような人材であれば「市場価値が高い」と言えるのでしょうか。一般的には「さまざまなスキルや資格を持った人材」というイメージがあるかもしれません。ですが、どんなに素晴らしいスキルや取得難度の高い資格を持っていても、企業側がそれらを求めていなければ、市場価値が高いとは言えないことに注意が必要です。

つまり、市場価値に絶対的な基準があるわけではなく、転職においては、活動のタイミングと企業側のニーズがうまく重なったときに市場価値が高まると言えます。

市場価値を知るメリット

転職活動を行う上で、自身の市場価値を正しく知ることには大きな意味があります。

仮に、「自分はこれだけの資格やスキルを持っているのだから、市場価値は高いに違いない」と考え、「今よりも年収が上がるのでは」「大手企業に転職できるのでは」と期待しても、実際にはそれらの資格やスキルを企業はさほど重視していない、ということも考えられます。

自己認識と市場価値、つまり企業のニーズにこうしたギャップがあると、希望の企業に望んだ条件で転職ができず、不本意な結果になってしまう可能性もあるのです。そのため、転職活動前の「現在の会社や立場における評価」と「転職における市場価値」は切り分けて考える必要があります。

また、「その会社でしか通用しないスキルやノウハウ」にも注意が必要です。その会社にいる限りは高い価値を発揮する知見も、会社を出た途端に価値を失ってしまうことがあります。

こうした点を見過ごして、自身の市場価値を高く見積もりすぎると、転職活動が難航してしまうかもしれません。逆に言えば、正しく自身の市場価値を知ることで、実際に転職してもしなくても、最適なキャリアを歩める可能性が広がるのです。

市場価値を高める転職をお考えなら、dodaXにまずご相談を!
転職のプロであるヘッドハンターがあなたの転職をサポートします(完全無料)
まずはdoda Xに登録して今後のキャリアを考えてみませんか?

会員登録(無料)

自分の市場価値を知る方法

では、どうすれば自分の市場価値を知ることができるのでしょうか。具体的な方法について、解説します。

求人を通して情報収集する

まずは、転職サービスを活用した情報収集が有効です。実際の求人情報を見ることで、市場のニーズが分かります。自分が希望する業界や企業、職種の「必須条件」や「歓迎条件」まで見て自身の経験と照らし合わせてみましょう。

もし、提示されている条件を自身が満たしているのであれば、自身のスキルや経験の中で何が評価されるのかが分かり、不足しているのであれば、それをどう補うか考えることができます。

こうして自身の経験が評価されやすい企業や求人の傾向が分かれば、転職活動の戦略が立てやすくなると言えます。

キャリアカウンセリングを受ける

自分の市場価値は、主観だけではなかなか判断できないものです。そのため、キャリアのプロによる客観的な意見を取り入れることをおすすめします。転職エージェントであれば、数多くの事例を見てきているため、相談者の状況と似たケースを踏まえて、市場価値について的確にアドバイスをしてくれるはずです。

スカウトを受け取る

ヘッドハンターからのスカウトも、自身の市場価値を測る上で参考になります。というのも、ヘッドハンターは転職市場のニーズを把握した上で、どういう人材にスカウトを送るかを精査しているからです。ヘッドハンターからのスカウトの数や評価が自己評価と大きく異なっていたとしたら、多くの場合、自身の市場価値への見積りを誤っている可能性があります。

スカウトを受け取るためには、転職エージェントに登録した後、すぐに職歴などの詳細情報を埋めましょう。そのうち入力しようとスキップしてしまうと、スカウトを受ける機会を逃してしまうかもしれません。

企業の選考を受ける

市場価値を判断するのに最も効果的な手段は、実際に企業の選考に応募してみることです。選考を受けることで、企業や業界のニーズを直接知る良い機会になります。

ただし、転職活動をするからといって、内定前に現在の会社を退職する必要はありません。まれに、「転職活動をするなら、今の勤め先を先に辞めるのがけじめ」だと考える転職希望者がいますが、在職のままで活動しても問題ありません。

退路を断って転職活動をした結果、うまくいかなかった場合、転職に対して焦りを生んでしまう恐れもあります。現在の職場に在籍しながら、選考を受けてみましょう。

市場価値が高い人の特徴

市場価値が高い人は、具体的にどのような特徴を持っているのでしょうか。業種や職種によっても異なりますが、ここでは多くのビジネスパーソンに当てはまる特徴を紹介します。

スキルの専門性が高い

基本的なビジネススキルは身につけていることを前提とした上で必要なのは、持っているスキルの専門性が高いことです。専門性というと、特殊な知見や希少性の高いスキルを思い浮かべるかもしれませんが、どんな職種でも経験や実績を積めば立派な専門性となります。

また、例えばサステナビリティや生成AIに関連した知見など、時流に乗った専門性は、転職市場でより求められる傾向にあります。

知見の再現性が高い

また、持っている知見の再現性が高ければ、企業から評価されやすくなります。例えば、新規事業の開発経験や責任者としてプロジェクト、チームをまとめた経験などは、業種や会社が変わっても活かすことができます。こうした知見を持っていることも、市場価値が高い人の特徴です。

経験値が高く、実績が豊富

転職の場合、業種や職種によっては資格の有無や在籍年数よりも、実務としてどういった経験や実績を積み重ねてきたかがより評価されます。実績が数値で表せるものであれば、なお良いでしょう。売り上げのような分かりやすい指標でなくても、具体的な数値で表せる実績がないか、考えてみてください。

doda Xはあなたのキャリアや希望に合ったハイクラス求人を紹介します。
転職のプロであるヘッドハンターがあなたの転職をサポートします(完全無料)
まずはdoda Xに登録して今後のキャリアを考えてみませんか?

会員登録(無料)

市場価値を高めるには、現職で経験値を上げることが有効

では、どうすれば市場価値の高い人材になれるのでしょうか。企業から評価されやすいのは、現職で経験値を上げることでしょう。現職で得たいスキルや世の中でニーズがありそうなスキルを得られる機会がないかどうか、可能性を探ってみましょう。

会社によっては、ジョブローテーションで異動を繰り返すこともあり、なかなか一つの分野を極めるのが難しいケースもあります。その場合は、部署に所属している間になるべく数値化できる実績を作れるように、日々意識してみてください。

ミドル層が市場価値を高めるには?

では、中でもミドル層が市場価値を高めるにあたって、特に何を意識すればいいのでしょうか。30代・40代以上で押さえたいポイントについて説明します。

30代:適性のある専門分野を見つける

20代で社会人としてのベースを築いたら、30代ではさらに自分の強みを見つけることが大切です。特に30代前半は、キャリアの中で極めたい専門分野を定めて、その経験を積むことに注力しましょう。

そして30代後半では、それまでのキャリアで積み上げてきた実績を数字で具体的に示せるようにしておけると安心です。企業は30代以上の転職希望者に対しては、能力の裏づけとして、より具体的な実績を求めるようになります。

40代以上:ニーズのある専門性を高める

40代も30代と同様に、専門性を高めていくことが市場価値につながります。逆に言えば、40代で何も専門性を持っていない状態だと、転職市場では苦戦することになります。もちろん、40代から未経験の分野に挑戦するのも一つの選択肢ですが、その場合は給与などの条件面が希望に合わないことも多くなります。

特に40代は、家庭を持っていたり住宅ローンを抱えていたりと、できれば待遇を下げたくない人が多くなる年代です。また、求人によっては、マネジメント経験が必要になる場合もあります。そのため、少なくとも30代からその先を見据えたキャリア設計ができるといいでしょう。

まとめ

「市場価値」とは、転職においては「企業側からの採用ニーズがある」ことを意味します。自身の年代に合わせて市場価値を高めていくことで、より良いキャリアを築ける可能性が広がります。まずは自身の市場価値を知り、高めていくためにはどんな選択肢があるのか考えるところから始めてみましょう。

これまで紹介したように、市場価値を知るには、求人から情報収集をしたり、キャリアカウンセリングやスカウトを受けたり、実際に企業の選考を受けたりすることが有効です。

doda X」では、ハイクラス層の転職を実現するためのサポートを行っており、ヘッドハンターからスカウトが届く「ヘッドハンティングサービス」や自身で求人検索をして応募が可能な「求人紹介サービス」が利用可能です。ぜひサービスを有効活用してみてください。

藤田 有佳(ふじた・ゆか)

dodaキャリアアドバイザー

損害保険会社での勤務を経て、2014年にパーソルキャリア株式会社へ入社。​
キャリアアドバイザーとして、一貫して個人の転職活動をサポート。​
入社後、金融業界からさまざまな業界の企画職、経営・業務コンサルタント職の方のご支援を担当。​
現在は、40~50代の管理職の方を中心としたハイクラス転職のご支援に従事。​

多くの人が自分の市場価値を知るためにdoda Xを利用しています。

doda Xは、パーソルキャリアが運営するハイクラス転職サービス。今すぐ転職しない方にも登録いただいています。今の自分の市場価値を確かめてみましょう。

会員登録する (無料)