中間管理職はストレスが多い? 原因と6つの対策を詳しく解説

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中間管理職は上司と部下の間を取り持って調整や管理を行う非常に重要なポジションです。
しかし、上司と部下との板挟みになったり、部下のフォローで業務量が増えたりなどでストレスを感じている中間管理職も少なくありません。

この記事では中間管理職が抱えがちなストレスとその原因、ストレスケアに有効な6つの対策を解説します。

INDEX(読了時間7分)

中間管理職とは?

中間管理職は部下と上司の両方を持つ立場の人材で、ミドルマネジメントとも呼ばれます。企業の役職では部長、課長などが中間管理職に相当します。

中間管理職の役割

・上司と部下とのつなぎ役
経営層と現場のつなぎ役として、それぞれの事情を伝えて意見を調整し管理するのが中間管理職の役割です。経営層の意向に従って具体的なプランを作成し、業務を部下に割り振って細かいフォローを行います。逆に、現場から要望などがあれば経営層に伝え、改善を図ります。

また、他のプロジェクトチームや他部署との交渉窓口になり、部署間の連携を取り持つのも重要な役割です。

・部下/チームの育成と管理
企業の指針や目標に合わせて、部下の育成や教育を行い、目標達成に近づくようにサポートと管理も実行します。あわせて、部下の労務管理や部署のリスク管理を行います。

・プレイングマネージャーの役割
管理業務と並行して、現場のプレイヤーとして業務に当たる場合もあります。チームの目標達成のほかに、一人のプレイヤーとして個人の成果にも責任を担います。

中間管理職に求められること

上司と部下が中間管理職に求めることはそれぞれ異なります。経営層が中間管理職に求めるのは社の方針に従って部下を取りまとめ、組織の目標を達成することです。「売上を増やす」など経営層からの要求を、実現可能な現場目標に落とし込み、部下のやる気を引き出すマネジメントを行います。

一方、部下が中間管理職に求めるのは適切な業務指示や業績評価、職場環境の改善などです。現場の意見や事情を経営層に伝え、働きやすい環境を作り上げていくことが期待されます。

中間管理職がストレスを感じやすい原因

中間管理職はストレスを感じやすい職務でもあります。中間管理職ならではのストレスとその原因について解説します。

1.上司と部下の板挟みになる

中間管理職は上司と部下、両方の意見をくみ取って応えることが求められるため、両者の板挟みとなりストレスを感じやすい状況にあります。

部下がミスを重ねたり、指示通りに動いてくれず困ったりすることがあるかもしれません。経営層の都合を押しつけ現場の事情を考慮しない上司や、言動が頻繁に変わる上司に振り回されることもあります。
さらに、上司や部下と合わなくても、業務の遂行を優先して本音を抑えなければならないこともしばしばあります。

このようにあらゆる人間関係に気を配らなければならない中間管理職は非常にストレスがたまりやすい立場といえます。

2.部下のメンタルケアが負担になる

最近では、部下と1対1の面談をしてフィードバックを行う「1on1」の実施や、部下や同僚からも人事評価を受ける「360度評価」など、部下と向き合う機会が増えています。
部下からの相談内容が業務を超えたプライベートに関する悩みに及ぶこともあり、立ち入った相談に応じることがストレスになることもあります。

3.部下の育成・管理がうまくいかない

部下を育成・教育し、指導するのも中間管理職の重要な職務です。しかし、部下の性格やスキル、モチベーションは一人ひとり異なるのが普通で、意図した通りの育成が進まなかったり、指示や意図に合わせて動いてくれなかったりする場合もしばしばあります。

さらに、リモートワークが浸透した現在は、対面コミュニケーションに比べ微妙なニュアンスが伝わりにくく、メールやチャットツールでのやりとりに追われるという新たな悩みも生まれています。

4.人間関係のフォローが大変

部下一人ひとりのスキルや性格などを把握して業務を割り振るのは中間管理職の役目です。加えて、人間関係なども考慮して職場環境の和を維持するといった業務外の気配りも求められます。こうした人間関係のフォローで気を遣い、消耗してストレスを抱える中間管理職も少なくありません。

5.責任者としての重圧がある

あらゆる場面で責任者としての判断を問われるのが中間管理職で、プレッシャーで常にストレスを感じる場合もあります。業務上の数値目標やノルマが達成できなければ、予想外のトラブルや部下のミスが原因だったとしても、責任を負うのは中間管理職です。

取引先とのやりとりなどで問題が発生したら、現場の担当者ではなく中間管理職が対応しなければならないこともあります。中間管理職が前面に出るようなケースはこじれた事態の収拾など厳しい局面であることも多く、ストレスを増大させる一因になっています。

6.業務量が増え過ぎた

中間管理職になると業務量・作業量が増え、勤務時間が増えてしまうことがあります。
特に、プレイングマネージャーの役割を求められるケースでは、業務量がさらに増えることになります。

こうなると、日々膨大な業務を処理し続けることになりストレスがたまり続けることも少なくありません。さらに、このような状況に見合うほど給与が上がらないケースもありストレス増大の一因となっています。

7.働き方改革のしわ寄せがくる

働き方改革法案施行に伴い、部下の残業時間を厳密に管理したり、有休消化を促進したりすることが求められるようになりました。このため、部下の仕事を肩代わりするなどのしわ寄せがのしかかり、ストレスを感じている中間管理職も増えています。

多様な働き方を実現する手段としてテレワークを導入する企業も増えていますが、ここでも必要以上の残業や休日出勤が発生しないように業務を調整管理しなければなりません。マネジメントの内容が多様化していることも中間管理職にとって新たな負担になっていると考えられます。

中間管理職のストレスをケアするには?6つの対策

 

心身ともに消耗して大きなストレスを抱えがちな中間管理職の方に向けて、さまざまな視点からストレスケアの手段を紹介します。

1.セルフケアに取り組む

まずは日々の生活にセルフケアを取り入れて、ストレスを解消していくことを目指しましょう。
自宅や職場の席などで簡単に行えるのは腹式呼吸などの呼吸法です。また、デスクワークが長時間続くようであれば、筋肉の緊張をゆるめるためにストレッチが有効でしょう。ウォーキングなどの適度な運動や入浴、十分な睡眠も効果があります。

一つの考えにとらわれないことも大切です。中間管理職といっても常に完璧でいる必要はありません。時には部下に任せ、頼る自分も受け入れましょう。

2.相談できる相手を見つける

困った時やつらい時に相談できる相手を見つけておくことも大切です。直属の上司や自分と同じ立場・境遇にある同僚なら似たようなストレスを経験していることも多く、経験談を聞くことで効果的な対処法が見つかる可能性もあります。

あるいは、職場に適切な相談相手が見つからない場合でも、信頼できる友人など気軽に愚痴を言える相手がいるだけでストレスは軽減されます。一人で抱え込まず、周りに助けを求めることを心がけましょう。

3.スムーズな人間関係の維持に努める

組織の風通しを良くし、チームが有効に機能するためにはコミュニケーションを円滑にすることが効果的です。
コミュニケーションを適切に図れば、ミスを防ぐことや士気を上げる効果も期待できます。また、部下を育成するにはそれぞれの個性や特質を理解し、一人ひとりに合わせて指導することが求められます。タイミングを図って部下に声をかけるなどして接点を作り、人間関係を育てる試みを続けましょう。

上司に対しても報告や相談を密に行い、現場の状況を正しく伝え、経営層の意図を的確にくみ取ることができれば、経営目標の達成に役立ちます。互いの状況を把握することが必要です。

4.業務を振り分け負担を減らす

業務量が増える一方で負担が大きいと感じるなら、一人で抱え込まず部下にも振り分けるようにしましょう。ミスのフォローなどで一時的に負担が増えることもありますが、仕事を任せることで部下のモチベーションを上げ、経験を積ませて成長を促す効果もあります。部下を信頼して少しずつ仕事を任せて、業務負担軽減を目指しましょう。

5.プライベートを充実させる

多忙でもリフレッシュの時間を設けて生活にメリハリをつけるとストレスの発散に役立ちます。休日はただ寝ているだけではなく、自分のための活動時間を確保し気分転換を図るほうがリフレッシュ効果は高くなります。また、趣味の仲間など、仕事に関係がない人々と交流することも効果的です。

一方で休日にどうしても体が動かず眠れない、食欲がないなどの症状で日常生活に支障が生じているなら、まずは休息をしっかりととり、専門家に相談することも検討してみてください。

6.カウンセリング・コーチングを活用する

「自分ではどうしたらいいか分からないが相談できる人がいない」「上司や同僚には知られたくない」というならは、専門のカウンセラーに相談したりコーチングを受けたりすることを検討しましょう。
産業医や社内のカウンセラーのほか、外部のカウンセリングを受ける方法もあります。守秘義務がある専門のカウンセラーなら、上司や同僚には相談できないような内容も打ち明けやすくなりますし、第三者の立場から客観的なアドバイスも受けられます。

相談するカウンセラーやコーチは、臨床心理士や社会福祉士などの国家資格をもつ人ならより安心です。対面で相談が難しい場合、電話やメール、オンラインカウンセリングに対応しているところもありますし、中間管理職を専門にするカウンセラーもいますので調べてみるとよいでしょう。

まとめ

中間管理職は上司と部下の板挟みになりストレスを抱えやすい職務です。誠実に向き合うことは大切ですが、完璧を求め過ぎると必要以上のプレッシャーになり、ストレスを増大させることになります。まずは心身の健康を保つことが大切です。
ストレスとのつき合い方を日ごろから意識して、自分に合った対処方法を見つけておきましょう。

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