「管理職を辞めたい」と思ったら│理由や対処法、管理職経験のメリット

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「管理職はやりがいはあるものの、プレッシャーを感じる場面も増えた気がする」
「今は管理職をやっているが、長く続けられる自信がない……」
管理職は一般社員と比べると、担う責任が重くなり求められる役割も変わります。そのため、現役管理職のなかには「管理職を辞めたい」と感じる方もいるのではないでしょうか。管理職が辛く感じても、原因を知ることで適切に対処できることもあります。
本記事では、管理職を辞めたいと思う人に向けて、その理由や対処法を探るヒント、管理職のメリットを解説します。
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管理職を辞めたい……その理由とは
管理職を辞めたいと感じる場合、まずは根本的な理由を認識することが重要です。ここではよくある5つの理由について解説します。
上司と部下の板挟みにストレスを感じる
上司と部下の双方に気を配らなければならない管理職は、両者の板挟みにストレスを感じる傾向があります。
上司側には経営寄りの視点を求められ、部下側には現場寄りの視点を求められるため、管理職はその中間でうまくバランスを取らなくてはなりません。
両者の意見を聞きながら、日々最適な判断や着地点を見出すことが求められることで、精神的にすり減ってしまう管理職は少なくありません。
業務量に見合わない給与
人手不足が続く昨今、業務量が増加しているにもかかわらず、それに見合う給与を貰えないことから、管理職を辞めたいと感じる人も多いようです。
特にマネジメントと現場業務の両方を担うプレイングマネジャーの場合、業務量の負担を感じやすい傾向にあります。
また、単に目に見える業務以外に、部下のモチベーション維持やチームの雰囲気づくりなど、管理職は多くのことに気を配る必要があります。
そのような負担に給与が見合わないと「正当に評価されていない」と感じ、管理職を退く道を考え始めてしまうのです。
プレッシャー/責任が重い
管理職が抱えなければならない責任は重く、プレッシャーに耐えきれず辞めたいと感じる人もいるでしょう。
一般社員とは異なり、部下も含めた組織成果の責任も担います。成果だけではなく、部下のミスなどについても説明責任を問われます。
順調に業績が上がっているときはいいのですが、なかなか組織成果が上がらないときなどに上層部から「結果を出せ」と要望され、重圧に耐えきれないと感じてしまうようです。
部下の指導・育成が十分にできない
一般社員は自分一人の動きが成果につながりますが、管理職は部下の動きをマネジメントしながら成果を上げることが求められます。部下に対する指導や育成が十分にできないと、自信喪失しやすい傾向があります。
特に管理職になりたての場合は、部下の動きを管理する勘所が備わっていません。結果を出さねばならないというプレッシャーと、自分が結果を直接コントロールできないジレンマからストレスを感じる傾向が強まります。
時間不足で付加価値を生む業務に取り組めない、学びの時間が確保できない
業務量増加による時間不足は、「付加価値を生む業務に取り組めない」「学びの時間を確保できない」など、自分自身への成長不満にも繋がっています。
これにより、成長意欲の高い管理職ほど「辞めたい」と感じてしまう傾向があるでしょう。
管理職を辞めたいと感じるときの対処法
管理職を辞めたいと思った際に、まずは取れる対処法を紹介します。思いつめてしまう前に何ができそうか、参考にしてみてください。
部下に任せてみる
管理職の負荷軽減のためには、部下を信頼して任せてみることが有効です。
業務量が増えたと感じるマネジメントの多くが、部下の計画・行動を厳密に管理するマイクロマネジメントを行っている可能性があります。部下の細かい行動までチェックしようと思うと、部下の人数分の負荷がのしかかるのは当然のことです。
自らの業務量が増えたときほど、部下の能力・仕事を認め、信頼するマネジメント行動を取るよう、考え方を転換してみましょう。
ただし全て部下に丸投げをしてしまうと、思うような成果を上げられないリスクもあります。部下に任す前提として、適切なフォローを行うことが重要です。部下側としても程良い緊張感や見守られ感があるため、自律的な行動が生まれやすくなります。
社内外に相談相手を作る
管理職になると、なかなか周囲に弱音を吐けないと思っている方も多いようです。
実際、部下にはなかなか悩みを打ち明けにくいと思うので、社内外に自分が悩みを吐露できる相談相手を作っておくようにしましょう。
悩みや愚痴を他者に吐き出すだけでもストレス緩和の効果があると思いますが、できれば相談相手は有用なアドバイスをくれる相手が望ましいです。具体的には自分より管理職経験が長い上司や、自分とは異なる環境にいる他社の管理職などです。
信頼できる相手からアドバイスが貰えるだけでなく、相手にきちんと理解してもらうために自分の置かれている状況を客観視するだけでも、気持ちの整理がつきやすくなります。
完璧主義をやめる
前述した「部下に弱みを見せられない」という感情の背景には、全てを完璧にこなさないといけないという強迫観念も関係しています。完璧主義をやめて、一人の人間として「時には失敗や苦しむこともある」という姿勢に立てば、ストレスが緩む可能性があります。
部下との関わり方も「管理職である自分が全てを決めなければならない」というスタンスでは、自分も部下も窮屈になりかねません。上司・部下などの立場を越えて良いアイデアを推奨するスタンスに立てば、部下に対しても「どうしたらいいと思う?」と引き出す姿勢になります。
完璧主義を捨てると自分の気持ちが楽になるだけでなく、メンバーの意見を取り入れた組織作りにもつながることでしょう。
ちょっとした気分転換の方法を複数用意する
当たり前に感じるかもしれませんが、ストレス解消のために気分転換の方法を複数持つことは、持続的に働くうえでは大事なことです。
一般的にストレスは、ショートストレス(単発のストレス)・ループストレス(繰り返されるストレス)・ロングストレス(慢性的ストレス)の3種類に分けられます。
ストレスの度合いに合わせて「体を動かす」「アロマを焚く」などの一時的な気分転換法から、「森林浴」「瞑想」などの本格的な気分転換法も挙げられます。
なかなかまとまった時間を取るのが難しい場合は、業務中に飲み物を取りに行くついでに軽く歩いたり、ストレッチをするなどでも効果があります。デスクの周りに自分が好きなものを置いておくだけでも気分が癒されるでしょう。
いずれにしても、自分がストレスを解消できる方法をいくつか用意することが有効です。
なおストレス解消法は個人によって向き不向きがあります。色々な方法を試してみて、自分にフィットする方法を見つけることがおすすめです。
転職する
自分なりに対処法を試したものの「どうしても管理職を辞めたい」という場合は、転職の可能性を模索するのも一手段です。
現在の「辞めたい」という理由を突き詰めたときに、例えば「管理職の裁量が小さい」「部下の人数が多すぎる」など環境的な要因が多い場合は、‟自社の”管理職に向いてない可能性もあります。
自分のありたい管理職像が実現しそうな会社が外にあるようであれば、いっそ新しい環境に移った方が活躍できるかもしれません。
管理職を経験するメリットと辞めるデメリット
管理職を経験することは一般的にも大きなメリットがあります。改めて管理職のメリット・辞めるデメリットを確認し、今後の方向性を検討してみましょう。
管理職経験のメリット
管理職は一般社員とは異なる責任や権限があるということは、管理職の経験を通じて得られるスキルがあることに他なりません。
管理職ならではの代表的なスキルは、リーダーシップやマネジメントなど他者や組織を束ねる力でしょう。メンバーに指導や評価をするという機会を通じて得た実践的なスキルは、管理職経験者の大きなメリットです。
スキル以外にも、裁量権を持つことで会社を広い視点で捉えるような経営観点も備えることができるでしょう。
仮に転職を考えたときも管理職の経験が有利に働きます。特に管理職ポジションは、多くの会社が経験者を条件としています。
現在は辛い思いをしているかもしれませんが、客観的に捉えると管理職であることは得難いスキルや転職におけるアドバンテージを有していることを認識してください。
管理職を辞めることのデメリット
管理職を辞めることのデメリットの一つが、給与的な側面です。
現在は複線型人事制度を導入する会社も増えているので、管理職の給与テーブルと専門職の給与テーブルが同等の会社も一定数は存在します。しかし多くの会社は管理職には役職手当をつけているため、辞めると給与が下がるケースがほとんどです。
また管理職を辞めると一時はプレッシャーから解放されるかもしれませんが、その後も会社に居続けるためには「専門性を磨かなければいけない」という別のプレッシャーがのしかかります。年下上司にマネジメントされる状況もあるでしょうし、一定のバリューを発揮しないと会社に居づらい雰囲気が予想されます。終身雇用制度が崩れつつある現代では、将来的には人件費削減目的のリストラの対象にもなりかねません。
管理職を辞める場合は、その後の自分が会社で価値を発揮し続けられる見通しを持ってから決断することをおすすめします。
まとめ
管理職を辞めたいと思ったときは、まずは辛さの原因を探り対応方法を模索することをおすすめします。もちろん精神的に追い込まれるまで我慢をする必要はありませんが、いま一度管理職というキャリアで得られるメリットを確認することも、気持ちを落ち着かせる効果があるでしょう。
仮に管理職のポジションにやりがいを感じていつつも、現在の会社では続けられないと思っているのであれば、転職は前向きなキャリアチェンジといえます。
違う場所で管理職の道を模索したいとお考えの場合は、管理職クラスの転職に強い転職エージェントやヘッドハンターに相談してみてはいかがでしょうか。今よりも生き生きと活躍でき、新しいキャリアが切り拓ける可能性があるかもしれません。
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