仕事に活きる自己啓発とは? 現状課題の把握と効率的な取り組み方

メインビジュアル

doda X(旧:iX転職)は、パーソルキャリアが運営するハイクラス転職サービス。今すぐ転職しない方にも登録いただいています。
今の自分の市場価値を確かめてみましょう。

自己啓発とは、自分の意思で自らの能力を開発し精神的な成長を目指すことと、そのための取り組みのことです。自己啓発で身につくスキルは思考や行動の基盤になるもので、仕事やプライベートのさまざまな場面で活用できるような汎用性があります。

本記事では自己啓発の目的、主に仕事に活かせる自己啓発の具体的な内容と手段、効率的な取り組み方について解説します。

INDEX(読了時間9分)

自己啓発とは?

自己啓発とは、自分の意思で自らの能力を高め、能力や精神面でより高い段階へ成長することを目指す行為と、そのために行う取り組みを指しています。
自己啓発の最も重要なポイントは、他人から指示されたり強制されたりするのではなく、自分の意思で自発的に取り組んでいるということです。

自己啓発の目的

自己啓発の目的は、精神力や能力を高め、それを総合的な技量の向上・仕事力につなげて結果を導き出すことです。

キャリアアップのためのスキル向上や、成功する考え方や仕事習慣の取得などがビジネスにおける自己啓発の目標としてしばしばテーマに挙がります。
事業に成功した先人の考え方を学び、その考え方を自らのビジネスに活かしていくような試みも当てはまるでしょう。

自己啓発の必要性

人生100年時代と言われる現代は、60歳定年をゴールとした今までのキャリアプランから、70代、80代まで現役であり続けることを想定した新しいキャリアプランへの転換が求められます。そのために、性別や年代に関わらず、個人が継続的に学び続けることの重要性はますます高まっています。

特に、まだまだ働く時間が長い30、40代こそ、それまでの仕事経験を踏まえて、さらに自己啓発で上積みしていくのがよいでしょう。

自己啓発により得られること

自己啓発は自発的に行動を起こすという点が重要で、主体性を持って考え、答えを探すということ自体に大きな効果があると考えられています。自己啓発により得られるものは、具体的には次の通りです。

1. 自己肯定感が高まる

自己啓発を続けることによって、気持ちが前向きになって自分に自信が持てるようになります。その結果、自己肯定感が高まり、失敗やミスがあっても必要以上に落ち込むことなく前向きな姿勢を続けられるなど、精神的なタフさが身につき、さらなる成長の足がかりとなります。

2. 新たな思考が身につく・新たな視点から物事をみられる

自己啓発を通して、物事をいろいろな視点から考えられるようになります。業務で何らかの問題が起きて一見解決法が見つからないようなケースでは、別の角度からのアプローチが有効な場合があります。

このようなとき、多角的に考える姿勢が身についていれば、複数の解決法を検討できるようになり、臨機応変な対処を可能にします。

3. 不足スキルを補える・現状スキルをより伸ばせる

自己啓発を通して新しい知識を学んだり、自分では見いだせなかった視点や考え方に気づいたり、よりよい行動を身につけることができます。

コミュニケーションスキルを身に付ければ、ビジネスの場面での意思疎通がうまく行くようになります。
マネジメントスキルやリーダーシップなど、次々とスキルを磨きに行くような積極性が身につけば、チーム力の向上や組織の成長も期待できます。

まずは何から?空回りを防ぐ自己啓発の取り組み方とポイント

自己啓発といっても、具体的には何から取り組めばよいでしょうか。ここでは効果的な取り組み方と、空回りを防ぐポイントを解説します。

STEP1.自分が望む3年後・5年後・10年後の姿を書き出す

自分を高めるには目指す場所、到達点を明確にすることが大切です。まず、自分が目指したい自分、なりたい自分の姿を明確に書き出してみましょう。

残業時間を減らす、マネジメント能力を高めるなどのビジネス面でもよいですし、趣味を極めるなどプライベートに関することでもかまいません。どんな小さなことでもノートなどにすべて書き出してみましょう。

そして、理想の姿に向けて、3年後、5年後、10年後の自分はそれぞれどのような姿でいるのか、段階を踏んで順に思い描いてみましょう。

STEP2.自己の課題を見つける

あるべき姿、なりたい自分が明確に見えてきたら、その姿を実現するためにクリアすべき課題を設定します。

そのためには、STEP1で描き出した目標や理想と現状との間のギャップを知り、理想に近づく道筋を見いだし、具体的なプランを考える必要があります。現状のどの部分を変化させればあるべき姿に近づけるのかを考えれば、課題が見えやすくなるでしょう。
コミュニケーション力が足りないのか、マネジメント力の向上が必要なのか、自分の課題を見つけてみましょう。

3年後、5年後、10年後、それぞれ理想像を思い浮かべれば、それに合わせた課題が見つけやすくなります。

STEP3.優先順位を決める

いくつか課題が見つかったら、その中で優先順位を決めて、優先度の高いものから取り組みましょう。

「〇月の資格試験に合格したい」という目標があるとすれば、「△月中にテキストの過去問題にすべて目を通しておく」 という課題は優先して実行しておくべき事柄になります。

目標を設定して、目標達成のためのプロセスも考慮して、順に取り組みながら少しずつ目標に近づいていきましょう。

自己啓発を無駄にしない!効率的に取り組むためのポイント

自己啓発と聞くと、中には「無駄だ」「意味がない」などとネガティブな印象を持つ人もいるでしょう。

自己啓発という名のもとに高額なセミナーを行う人や、それにのめりこんでしまう人がいること、一部の著名人が自己啓発に対してネガティブな発信をしたりすることが原因の一つかもしれません。

自己啓発に取り組む際に注意したいポイントは以下の通りです。

自己啓発そのものが目的にならないようにする

自己啓発に取り組んでみたという事実だけで達成感を得てしまい、本来の目的であるはずの能力の向上、心の成長にたどり着かない場合があります。あるべき将来像や課題を明確にしないまま取り組んだ場合に起こりがちな失敗です。
理想に向けて自分を高めることが目的であることを忘れないようにしましょう。
そのためには、自分のなりたい姿を紙に書き出すなどして見据えておくことが大切です。

得た知識は実践に移してみる

本を読んだりセミナーを受講したりして一通りの知識を得たら、学んだことを実践して確実に身につけていきましょう。

本を読んだだけでは現実は何も変わりません。知識を得たら、そのときに一歩踏み出しましょう。あなたの行動に合わせて現実も変化し始めます。
きっかけをつかんだら恐れずに行動しましょう。

あれこれ手を出さずにまずは優先順位の高いものを続けてみる

あれもこれも手を出してみたものの、どれも続けられず、ものにできずに終わることもあります。モチベーションをなくし、自己啓発が中途半端に終われば、時間とお金の無駄遣いになってしまいます。

これは、STEP1~2の目標設定が適切に実行されていない場合に起こりがちな失敗です。あるべき将来像の描き出しと目標設定を確実に行うことが大切です。

何が最適?自己啓発の例とそれぞれの特徴、注意点

自己啓発の具体的な手段とそれぞれの特徴や注意したいことについてみていきましょう。

1.読書

最も始めやすい方法が自己啓発に関する本の読書です。場所を選ばず実行できますし、通勤時間など隙間時間に取り組めるのも利点です。かかる費用も書籍の購入代程度で済むので手軽です。

ただし、手軽に始められる分、読んだだけで満足してしまい実践に結びつかないことが多くなりがちな点には注意しましょう。

また、書籍は万人向けの汎用的な内容にならざるを得ないので、個別の課題を見いだしてきめ細かく目標を設定したいなどの明確なニーズがあるなら、物足りないと感じる可能性があります。

2.セミナー・講演会

時間と予算に余裕があるなら、セミナーや講演会に参加するのもよい方法です。セミナー講師にアドバイスを受けながら軌道修正を行うことができます。

また、セミナー参加者との交流はモチベーションを高めるきっかけになりますし、自分ひとりでは気付かないような新しい視点を得るチャンスも得られます。

注意点は時間とコストに関する問題のほか、セミナーの質の問題があります。中には、高額な講座の受講を迫りお金を巻き上げるなど詐欺まがいのセミナーもあります。セミナーや講師の内容や評判をよく確かめてから受講しましょう。

eラーニング、通信教育

通信教育のほか、最近ではUdemy、Schooなど各種のeラーニング講座も充実しています。オンラインセミナー、オンライン講座のメリットは、通学が不要でどこからでも受講できることで、今のライフスタイルを大きく変えることなく取り組めるのが魅力です。

ただし、受講時間や受講場所の自由度が高いために、生活の中では後回しにされやすくなります。その結果、対面のセミナーや講座に比べて継続がやや難しいという面もあります。

大学院、専門学校

本格的に取り組みたいなら、大学院や専門学校に通うという方法もあります。こちらは最新かつ質の高い学習を集中的に取り入れられるのが利点です。しかし、他の手段に比べて費用は高めで、通学や授業準備の時間の負担もそれなりに必要です。

コーチング

個人向けのコーチングを利用する方法もあります。 目標が設定できない、やり始めても続かないという悩みがある場合に有効です。

1対1で相談できますし、自分の悩みや目標に合った具体的なアドバイスを受けやすくなりますが、その分、費用は高めです。利用するならコンサルタントとの相性も考慮し、事前によく調べておきましょう。

迷ったらこれ│ビジネスに活きる自己啓発ジャンル5選

ビジネスで活かせる自己啓発のおすすめジャンルと役立つ具体的なシーンを紹介します。

成功哲学

成功した人の行動や思考パターンを分析し法則化した方法論を学び、実践に生かします。ナポレオン・ヒル「思考は現実化する」などが代表的なものです。

成功哲学を学ぶことで、自分がこうありたいという姿やあるべき姿が明確になる、多角的な思考が身につく、ためらわず実践に移す行動力が身につくなどの効果が期待できます。成功哲学を扱ったベストセラーも多数あり、手軽に始めやすいテーマです。

リーダーシップ

人を率いるリーダーとしての意識の持ち方、決断力や対応力などリーダーに必要な資質を身につける方法、メンバーの能力と意欲を最大限に引き出す方法、信頼関係を築く方法などを学ぶものです。

業務で成果を出せるチームを作るならリーダーシップは必ず備えておかなければならないものです。本格的にマネジメントを学ぶためには、最初に取り組んでおきたいスキルです。

ロジカルシンキング(論理的思考法)

物事を順序立てて整理して理解する思考法です。ロジカルシンキングを身につけることで、物事を分かりやすく整理して他者に伝えられるようになります。

また、ロジカルシンキングでは原因と結果の因果関係を想定しながら考えるので、問題が発生したときに原因を特定し解決策を見いだすスキルが上がります。問題解決のための方法としても身につけておくと便利です。

コミュニケーション術

コミュニケーションを円滑に行うテクニックやスキルを学びます。

仕事では社内にとどまらず顧客、取引先など非常に多くの人が関わっており、周囲と信頼関係を築き自分の意見をスムーズに伝えられることが非常に大切です。

人付き合いに苦手意識を感じているならぜひ取り組んでみましょう。雑談力アップなど、テーマを細かく絞って始めるのもよいでしょう。

時間管理術(タイムマネジメント)

限られた時間を有効活用する手法です。仕事、プライベートなどあらゆる行動には取り組みに充てる時間が必要です。

やらねばならないタスクを分割し決めた時間内に行う「時間区切り法(タイムボクシング)」、すべてのタスクを緊急性と重要度で4種類に分け優先度の高い順に取り組む「マトリクス法」、25分集中したら5分休憩を取る「ポモドーロ・テクニック」など各種の手法があります。
適切な時間管理ができるようになれば、先延ばしを減らして生産性を向上させるのに役立ちます。

時間が足りないといつも焦っているなら、ぜひ身につけたいスキルです。

まとめ

自己啓発は、自ら望んでより高い段階への成長を目指す自発的な取り組みです。

否定的にとらえてしまう人もいるかもしれませんが、VUCAの時代といわれる現代、目的をしっかりと定め取り組むことで、その後の人生によい影響をもたらすはずです。

もし何から始めるべきか迷いがある場合には、プロの客観的な意見を聞くのもおすすめです。自分に合った手段を考え、目標に向けて進んでいきましょう。

今すぐ転職しなくても、
まずは自分の市場価値を確かめて
みませんか?

変化の激しい時代、キャリアはますます多様化しています。
ハイクラス転職サービス「doda X(旧:iX転職)」に登録して、
ヘッドハンターからスカウトを受け取ってみませんか?