年収1,000万円を目指しやすい職業とは? 年収別・手取り金額についても解説

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年収1,000万円。ビジネスパーソンとして憧れを持ったり、目標の一つにする人もいるのではないでしょうか。
本記事では、年収1,000万円の人の割合や実際の手取り金額を確認したうえで、年収1,000万円を目指しやすい業種や職種などについて解説していきます。
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年収1,000万円の人の割合は? 実際の手取り金額は?
まずは、日本で年収1,000万円を超える人の割合を確認しましょう。
国税庁の調査から、1年を通じて勤務した給与所得者5,245万人についての給与階級別分布をみると、日本で年収1,000万を超える人の割合は4.5%です。
※「民間給与実態統計調査(令和2年)」(国税庁)より弊社作成(男女計を使用)
またこの調査によると、日本では年間給与額300万超400万円以下の人が17.4%(913万人)で最も多く、次いで200万超300万円以下の人が15.5%(814万人)の結果となっています。
このデータを見ても、年収1,000万円を稼いでいる人の割合は少なく、年収1,000万円を稼いでいる人は日本において高収入者といえるでしょう。
年収1,000万円だと手取り金額は少なくなる?
では、年収1,000万円の人の手取り金額はどのくらいなのでしょうか。
年収1,000万円の「年収」とは「額面年収」にあたります。額面年収から、税金等(所得税や社会保険料等)が引かれて、口座に振り込まれる金額を「手取り年収」といいます。
実は、年収1,000万円を稼いだとしても、手元に残る金額はおよそ700万〜800万円程度です。
現状の税制度※1では、年収が高くなるほど、税金が多くかかってしまいます。
特に所得税は累進課税制度のため、課税所得※2のうち330万円から694万9,000円以下の場合の税率は20%である一方、900万円から1,799万9,000円以下の場合だと税率は33%にあがります。
所得税の累進課税制度を理解いただくために簡単な計算で説明します。
年収から所得税の各種控除を差し引いた課税所得1,000万円世帯の場合、夫婦のどちらかが1人で課税所得1,000万円稼いでいるのと、夫婦それぞれが課税所得500万円を稼ぎ合計の課税所得が1,000万円の場合では、後者の方が手取りの金額が多くなるのです。
国税庁の「所得税の速算表」※1を用い、税引き後の金額を計算した結果は以下の通りです。
例)課税所得1,000万円の場合に支払う所得税と税引き後額
所得税:
10,000,000円×0.33- 1,536,000円= 1,764,000円
所得税引き後:
8,236,000円
例)夫婦で課税所得500万円ずつ、合計1,000万円の場合に支払う所得税と税引き後額
所得税:
5,000,000円×0.2- 427,500円= 572,500円
所得税引き後:
4,427,500円×2= 8,855,000円
※1「所得税の税率」国税庁
※2 課税所得とは…1年間の全ての所得(年収)から所得控除を差し引いた金額のこと。この課税所得に応じた所得税率が適用される
年収800万円や年収500万円の手取り金額は?
扶養家族の有無や居住地域によっても所得控除には多少の変動があるので、あくまで目安ですが、年収800万円の場合は約600万円が手取り金額だと計算できます。
年収500万円の場合は、約400万円が手取り金額です。
年収1,000万円の手取り金額は約700~800万円程度になるため、1,000万円と800万円では、年収では200万円の差があったとしても、手取り金額でいえば100万円程度しか変わらないこともあります。
なお、扶養控除や生命保険料控除等の各種控除の適用の有無によって所得税の計算は各自異なります。(下記事例はあくまで一例です)
東京在住の独身(40歳)の場合※
例)1,000万円
手取り:約722万円
社会保険料:約129万円
所得税:約85万円
住民税:約64万円
例)800万円
手取り:約590万円
社会保険料:約118万円
所得税:約47万円
住民税:約45万円
例)500万円
手取り:約387万円
社会保険料:約75万円
所得税:約14万円
住民税:約24万円
※計算の流れについて
① 給与収入-給与所得控除
② 上記①-所得控除
③ 上記②に所得税の税率表を基に税率をかける
所得控除は生命保険加入や扶養親族の有無などで所得税の金額が大きく変わる場合があります。また、年度によって給与所得控除額の変更もあるため、手取りや所得税は現在記載している金額について増減はあり、社会保険料も企業によって差があります。
そもそも日本の年収は少ない? 海外との比較データ
日本で年収1,000万円以上稼ぐ人の割合は低いことがわかりましたが、そもそも日本の年収は高いのでしょうか。一例としてG7の国の賃金と比較してみましょう。
OECD(経済開発協力機構)のデータ※1によると、1991年以降、G7の中で賃金が停滞をしているのは日本・イタリアの2国のみということがわかります。
またイタリアを除く他の国との賃金差は徐々に拡大しており、決して先進国の中では日本の賃金は高くないといえます。
※1「Average wages」OECDより弊社作成
年収1,000万円を目指せる職業とは
ここでは実際に年収1,000万円を目指せる仕事を見ていきましょう。
企業ごとの経営状況、市場環境や個人のキャリアなどにも依存してくるため一概に括ることはできませんが、いくつかのデータを交えながら、一例として年収1,000万円を目指しやすい業種・職種・企業規模を解説します。
年収1,000万円を目指しやすい業種
国税庁の調査※1では、給与所得者1人当たりの年間平均給与を業種別にみると、最も年間の平均給与が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円、次いで「金融業、保険業」の630万円、3位は「情報通信業」の611万円となっています。
これらの業種は、元々の給与水準が高いため、比較的高年収を目指しやすいといえるでしょう。
年収1,000万円を目指しやすい職種
まずは高年収のイメージが強い士師業(医師・弁護士・一級建築士など)が挙げられます。
また転職サービスdoda※2の調査によると、職種別の平均年収ランキング1位は「投資銀行業務」の903万円でした。次いで、「運用(ファンドマネージャー・ディーラー)」の744万円、「MR」の713万円と続いています。※3
他にも、現在深刻な人材不足が懸念されている、AIやIoTなどの先端分野で高い専門性を持つデジタル人材へも、年収1,000万円を超えるオファーを出している企業が目立ちます。
このように高年収の職種は、高い専門性やスキルが求められる傾向です。
デジタル人材について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
DX人材とは? 需要や求められるスキル・マインドセット、年収やキャリアパスを徹底解説
注目のAI人材を目指す! 企業に求められるスキルや条件とは?
※1 「令和2年分 民間給与実態統計調査」国税庁
※2 「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」転職サービスdoda
※3 2020年9月~2021年8月の1年間に転職dodaのエージェントサービスに登録した人のうち、正社員として働いている約45万人の平均年収/生涯賃金データを分析した結果
年収1,000万円を目指しやすい企業規模
給与所得者1人当たりの年間平均給与を企業規模別にみると、資本金2,000万円未満の株式会社は平均給与が372万円となっているのに対して、資本金10億円以上の株式会社は608万円という結果が出ています。※4
この結果から見ると、資本が潤沢にある大企業のほうが一般的には高年収の傾向といえそうです。しかし、近年はスタートアップ企業でも年収が1,000万円を超える事例もあります。背景には、スタートアップの資金調達が活況であることから、採用への投資が増えていることなどが考えられます。
※4「民間給与実態統計調査(令和2年)」国税庁
ハイクラス層はどうやって転職している?
2019年にdoda X(旧:iX転職)が行った調査※では、年収800万円以上のハイクラス人材の約5割は転職エージェント・ヘッドハンター経由で転職していることがわかりました。
年収200万円以上400万円未満の人と比較すると、約3倍の割合です。また、知人からの紹介や企業の社員からの引き抜きで転職をした人の数も、平均年収程度の人と比較すると高い傾向にあります。
ハイクラス求人の場合は、重要ポジションであることから非公開での募集も少なくありません。また、ポジションが上がるごとに求人数自体が少なくなるため、自分の求める条件に合い、かつ経験を活かせるポジションとなると、さらに応募できる求人数自体が少なくなる傾向にあります。
年収800万円以上を対象とした調査結果ではありますが、ハイクラスを目指す場合には、自身のキャリアへの理解が深いヘッドハンターや転職エージェントと出会い、長く付き合っていくことは、有効な手段の一つといえそうです。
※「ハイクラス人材(年収800万円以上)の転職手段について」doda X(旧:iX転職)
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年収1,000万円を目指してキャリアアップを
日本で年収1,000万円を超える人は決して多くなく、給与水準がそう高くない現状、簡単になれるものではありません。
しかし、中長期的な視点でキャリアを考え、市場価値を高めていくことで、可能性は高まるはずです。
doda X(旧:iX転職)では、希少性の高いハイクラスの求人を持つヘッドハンターが多数在籍しています。年収アップを目指すのであれば、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャル・プランナー
飲食業を始め、多業種の財務経理、株式公開予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。
[編集・構成]doda X編集部
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