キャリアコンサルタント資格の難易度とは? 試験内容や合格率について解説

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2016年より、民間資格から国家資格となったこともあり、今注目される資格の一つであるキャリアコンサルタント。
ここでは、キャリアコンサルタントの資格取得を目指す人に向けて、難易度や合格率、学習時間などの情報とともに、キャリアコンサルタント資格の活用先や取得後のキャリアの可能性について解説していきます。
- INDEX(読了時間6分)
キャリアコンサルタント資格取得の難易度や合格率は?
はじめに、キャリアコンサルタント資格の概要や試験内容、合格率について紹介していきます。
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントとは、個人のキャリア形成をサポートするべく、「キャリアコンサルティング」を行う専門家です。
キャリアコンサルティングとは、
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと
引用:「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」厚生労働省
と定義されています。
以前は厚生労働省認定の指定団体による「民間資格」でしたが、労働人口の減少や働き方の多様化といった社会背景から、キャリアコンサルティングの重要性を鑑みて2016年に国家資格へと引き上げられています。
なお2016年以降は、国家資格の有資格者だけが、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができる「独占名称」となっており、5年ごとに更新を行い、最新の知識・技能を身につける必要があります。
試験実施団体について
キャリアコンサルタント試験の実施団体には、以下の2つがあります。
2団体で基本的な試験内容に大きな違いはありませんが、重視される点は多少異なるようです。
-
- 日本キャリア開発協会(JCDA)…「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」を重視
- キャリアコンサルティング協議会(CC協議会)…「態度」「展開」「自己評価」を重視
そのため、自身の得意な領域に合わせて受験する団体を変更してみるのも一つの方法でしょう。
キャリアコンサルタントの合格率
キャリアコンサルタントは、他の国家資格と比べると合格率が高い傾向が見られます。
2021年に行われた「第18回キャリアコンサルタント試験結果」は以下の通りです。
なおこの後詳しく説明していきますが、キャリアコンサルタント試験は、学科と実技の2つの試験で構成されています。合格率の平均はいずれも約50~80%と高い割合です。
項目 |
日本キャリア開発協会 |
キャリアコンサルティング協議会 |
学科試験 合格率 |
79.0% |
82.6% |
実技試験 合格率 |
57.0% |
68.0% |
学科および実技試験同時受験者結果 合格率 |
54.6% |
64.0% |
社会保険労務士や、司法書士といった士業の合格率が10%以下であることと比較すると、決して手が届かない資格ではないことがわかるでしょう。
キャリアコンサルタント資格試験の内容と合格ライン
キャリアコンサルタント試験は、大きく「学科試験」「実技試験」の2分野に分かれ、それぞれに合格する必要があります。
キャリアコンサルタント試験内容
・学科試験
筆記試験で、四肢択一のマークシート方式の回答を行います。試験時間は100分で、合格基準は100点満点中70点以上です。
・実技試験
実際のキャリアコンサルティング場面を想定したロールプレイと、試験官からの質問に答える口頭試問によって行われます。試験時間はロールプレイ15分、口頭試問5分の計20分です。合格基準は、150点満点中90点以上となっています。
日本キャリア開発協会(JCDA)・キャリアコンサルティング協議会(CC協議会)ともに、実技試験の構成は「論述試験」と「面接試験」で構成されています。
但し、論述試験には、以下のような違いがあるため注意しましょう。
-
- 日本キャリア開発協会:逐語記録を読み設問に解答
- キャリアコンサルティング協議会:事例記録を読み設問に解答
キャリアコンサルタント資格の試験には受験資格が必要
キャリアコンサルタント試験を受験するためには、次のいずれかの要件を満たしている、もしくは以下の項目と同等以上の能力を有すると認められる必要があります。
厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了している
受験申請の際には、キャリアコンサルタント養成講座(厚生労働大臣が認定している講習)の修了を証明する書類の写しの提出が必要です。
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する
キャリアコンサルティングによる職業支援の対象が、「労働者」(労働者、学卒就職希望者含)となることが条件です。求職者支援施設・支援訓練機関などでの実務経験を示す証明書の提出が必要となります。
技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格している
合格証明書の提出は不要ですが、申請時に合格番号の記載が求められます。
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キャリアコンサルタント資格を取得するための勉強時間
学科試験の学習時間の目安
キャリアコンサルタント資格の取得にかかる学習時間は、学科試験の目安で100~200時間程度とされています。
合格のための勉強方法は、キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムに沿って知識を身につけるのが基本ですが、試験の過去問題を繰り返し解くことで学習強化ができます。
日本キャリア開発協会とキャリアコンサルティング協議会のいずれのサイトにも、直近3回分の過去問題が掲載されているため、活用しましょう。過去問題で試験の傾向をつかむだけでなく、同時に頻出される問題周辺の知識まで学習することが大切です。
キャリアコンサルタント養成講習の講習時間は講習によってさまざま
厚生労働大臣認定するキャリアコンサルタント養成講習は多数あります。実施機関によって講習時間は異なり、40時間から150時間ほどのものまで金額や内容もさまざまです。
受講形態も、講習通信(オンライン)と通学があります。通信制であれば、働きながらでもキャリアコンサルタント資格取得を目指すことが可能なので活用しましょう。
なおキャリアコンサルティングの業務に一定期間携わっているという場合であれば、受験資格をクリアしているため、所定の講座の受講は必須ではありません。この場合には、完全に独学でも資格取得を目指すこともできます。
キャリアコンサルタントの働き方
ここでは、キャリアコンサルタントの資格が活かせる働き方を解説します。
キャリアコンサルタントの資格が活かせる業界・職種
人材紹介や人材派遣といった人材業界全般では、キャリアコンサルタント資格保有者は重宝されます。新たな仕事を探す相談者のこれまでのキャリアから強みや可能性を探り、活躍できる職場を提示するのに活かせるでしょう。
また、企業の人事や人材開発に携わる部門でもスキルを活かすことができるでしょう。こうした部門では、採用活動や社員の能力開発の施策を検討し、社員の成長によって企業利益への貢献を目指します。
その他に考えられる、キャリアコンサルタント資格を活用したキャリア
企業以外での資格を活用できる場には、大学や専門学校などの教育機関、ハローワークなどの公的就業支援機関が挙げられます。
教育機関では、キャリアセンターなどにおいて学生の進路選択や就職相談にのる仕事がメインとなります。希望の仕事を探すだけではなく、相談者の適性に合わせて新たな方向性を示したり、スキルアップのための具体的な方法を提示するのも、キャリアコンサルタントの役割です。社会経験を持たない学生が、キャリアについてのイメージを持つためのサポートをしながら、就職への橋渡しを行います。
公的就業支援機関では、ハローワークをはじめ、ジョブカフェや障がい者、女性、高齢者のための就職支援を行う団体などで求職支援に携わります。それぞれの立場によりそった求職支援が求められます。
ほかにも、独立しフリーランスとしてセミナー講師や派遣コンサルティングを行うといった働き方も考えられます。
キャリアコンサルタント資格を取得し中長期的なキャリア形成につなげよう
働き方が多様化する現在、一人ひとりに合わせたアドバイスや能力開発の提案、仕事に対する動機付けなど、キャリアコンサルタントに期待される役割は少なくありません。
また、国家資格になったこともあり、相談者からの信頼感を得るという点でも取得のメリットがあるといえるでしょう。
今後、キャリア領域で活躍を広げていきたいと考える方は、キャリアコンサルタント資格を取得し、ご自身のキャリア形成へとつなげてみてはいかがでしょうか。
この記事のポイント
キャリアコンサルタント試験は、学科と実技の2つの試験で構成されていますが、合格率の平均はいずれも約50~80%と高い割合です。
社会保険労務士や、司法書士といった士業の合格率が10%以下であることと比較すると、難易度は高くないといえます。
Q.キャリアコンサルタント試験にはどのような勉強が必要?
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了している
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格している
A.人材業界全般や、企業の人事や人材開発に携わる部門でスキルを活かすことができるでしょう。そのほか、大学や専門学校などの教育機関、ハローワークなどの公的就業支援機関での求職支援の場で活躍が期待されます。
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