PMP®はプロジェクトマネジメントスキルの証明に! 取得のメリットや取得条件・流れを解説

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PMP®はプロジェクトマネジメントのスキルを証明するグローバルな資格です。世界200か国以上で100万人以上が取得しています。
プロジェクトのゴールを定め的確に管理進行していくスキルとして、現在業界や職種を問わず注目されています。
今回は、PMP®についての基本的な知識や取得のメリット、流れについて解説していきます。

INDEX(読了時間7分)

PMP®とはどのような資格なのか

はじめにPMP®の概要と、資格取得試験で出題される内容を紹介します。

PMP®の概要

PMP®とは、Project Management Professional(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の略で、世界最大のプロジェクトマネジメント協会である米国のPMI(Project Management Institute)が運営する資格制度です。PMP®を取得することで、「プロジェクト管理の経験やスキルを持つ人材」「プロジェクトマネジメントについての専門的知識の保有者」として認められます。
PMP®試験は、PMIがプロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」に基づいて行われます。

PMP®の試験内容

試験内容は、「人」「プロセス」「ビジネス環境」の3領域から出題されます。

領域

出題内容

問題の割合

プロジェクト・チームを効果的にリードするためのスキルや活動

42%

プロセス

プロジェクトマネジメントにおける技術的側面

50%

ビジネス環境

プロジェクトと組織戦略のつながり

8%

引用:PMP®試験内容の概要2021年1月

出題数は全部で180問、試験時間は230分です。合格率については公表されていませんが、一般的には6割程度といわれているようです。

PMP®を取得するメリット

PMP®は、一定のプロジェクトマネジメント経験や体系的な知識が求められるため、決して難易度の低い試験ではありません。取得にかかる学習時間は一般的に、100~300時間程度必要といわれています。
ではPMP®を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

業界や職種を問わず活躍できる

PMPの資料によると、IT、エンジニアリング、コンサルティング、建設、製造など、さまざまな業界で資格取得する人がいるようです。
職種も、プロジェクトマネージャーやコンサルタント、施工管理、製品開発など多岐にわたり活用されています。
「プロジェクト管理のエキスパート」として、業界や職種を問わず社内外からの評価が期待できるでしょう。

※「Earning Power Project Management Salary Survey Eleventh Edition」PMI

業務を効率的、かつスムーズに進められる

PMP®取得の際に学習の中心となるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントのノウハウをまとめた書籍です。

過去の膨大な経験値をもとに体系的なプロジェクトマネジメントの知識を身につけられるため、世界中で活用されています。この知識の習得により、経験を体系化し、以下のような実務スキルの向上が期待できるでしょう。

・業務を効率化する力
・プロジェクト全体の俯瞰力
・関係者とのコミュニケーション力 など

スキルアップやキャリアアップに役立つ

PMP®は世界的に認知されている資格として、キャリアアップにも役立ちます。プロジェクトマネジメントのスキルは、形として提示しづらいため、過去の実績や経験から相手に察してもらうほかありません。
したかってPMP®保有者であれば、グローバルな場面でプロジェクトマネジメントの知識を証明することができるため、昇進や転職の際の一つのアピールポイントとなるでしょう。

人脈が広がる

PMI日本支部では部会活動を提供しており、資格を持っていることで参加できるようになります。プロジェクトマネジメントの高いスキルを持つ人とのつながりにより、その後のキャリアの選択肢が広がる可能性もあります。

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PMP®試験を受験できる条件

PMP®の受験には、プロジェクトマネジメントの経験と、35時間のPMI認定研修の受講の2点が必須となります。具体的には次の通りです。

プロジェクトマネジメントの実務経験を積む

受験資格として求められるプロジェクトマネジメントの一定の経験は、学歴によって以下の違いがあります。

・4年制大学卒業以上の場合:36ヵ月のプロジェクトマネジメントの実務経験
・高校卒業の場合:60ヵ月のプロジェクトマネジメントの実務経験

なおプロジェクトマネジメントの実務経験は、試験の申し込みからさかのぼり8年の間に連続で蓄積されたものが対象になります。
実務経験内容の詳細は問われませんが、「マネジメントをする立場」であったことが必須です。具体的にはプロジェクトをリードしたり、指揮したりした経験を指します。
自身が申告しても、プロジェクトリーダーとして評価されないと受験資格が得られませんので注意しましょう。

35時間のPMI認定研修を受講する

PMP®受験にはPMI認定の研修を35時間受講することが必要です。なおPMI認定研修が実施できるのは、ATP(Authorized Training Partner:PMI 本部が認定した教育パートナー)認定のインストラクターとプロバイダーのみとなっています。
35時間の履修後に、プロジェクトマネジメントに関する研修の受講証明書類が発行されます。受験の申請をする際には、受講証明書類をもとに行うため、大切に保管しておきましょう。

PMP®の取得までの流れ

次に、PMP®取得までの流れを確認していきましょう。

1. 35時間のPMI認定研修を受講する

先にも条件の中で説明したように、PMP®の受験資格を得るためには、35時間の公式研修の受講が必須です。公式研修では、PMBOKに基づいたカリキュラムによって受験に必要となる知識を学んでいきます。
研修は、通学以外とオンライン(eラーニング)があるため、自身のライフスタイルに合わせて選択するとよいでしょう。
公式研修受講が完了すると、受講証が発行されるので、失くさないようにしてください。

2. PMIに申込申請を行う

申込開始から、90日以内の申請が必要です。オンライン提出を行った場合には、確認完了までに5日前後かかります。
また申込者の中から、監査対象者として選ばれる場合があります。まれに全申請者が対象となるため、まったくあり得ないとはいえません。

監査対象となった場合は、メールでその旨が伝えられるので、90日以内に米国PMIに所定の書類を発送しなければなりません。現地に書類が到着してから、5~7日程度で審査結果が通知されます。

3. 受験料を支払う

申請の承認後、受験料をクレジットカード、小切手、郵便為替などで支払います。受験料は、2022年1月現在、以下の通りです。

・PMIメンバー:405米ドル(再受験の場合は275米ドル)
・非メンバー:555米ドル(再受験の場合は375米ドル)

4. 試験を予約し受験する

試験は、PMIの委託先である「ピアソンVUE」の試験センター、もしくはオンラインにて受験が可能です。

ピアソンの試験センターは全国各地にあり、ほぼすべての会場でPMP®試験を受験できます。

オンライン試験の場合は、Webカメラを利用して、監督員が遠隔で不正監視を行うことで自宅や職場での受験ができる仕組みです。
なお受験の有効期間は、PMIによる申し込み審査完了の案内日より1年間です。この期間内であれば、3回まで再受験が可能となります。

5. 試験結果の通知

受験終了後、PCの画面上に即時に合格・不合格の結果が提示されます。レポート上で各分野の正答率が確認できるので、万が一不合格の場合には次に備えて弱点を強化しておきましょう。

資格取得のためにPMBOK®ガイドを活用する

PMP®を受験するために欠かせないのが、PMBOK®ガイドの活用です。
ここでは、PMBOK®の意義やPMBOK®ガイドにはどのようなことが記載されているのか、基本的な内容について解説します。

PMBOK®ガイドとは

PMBOK®ガイドは、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称で、プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめた書籍です。
先にも少し説明したとおり、PMP®試験はPMBOK®の内容に基づき行われます。
2021年3月時点では最新版として第7版が発売されています。

PMBOK®ガイド第7版の内容

PMBOK®ガイド第7版に記載されている、基本的な枠組みについて解説します。

PMBOK®では、原理・原則に基づく構成によって向き合い方・考える観点が示されています。2017年にリリースされた第6版から、市場環境の変化、技術革新などの複数の要素に対して柔軟性をもって対応できるように、定期的な改版として制作されました。

大きな変更点として次の2つが挙げられます。

まず、第6版は「立ち上げ」、「計画」など「5つのプロセス」と呼ばれる過程ごとに、どのようにプロジェクト管理していくか、そのプロセスを重視する内容になっていました。

一方第7版では、そもそもプロジェクトマネジメントに対してどう向き合っていくのかという「原理・原則」が重視されています。

また第6版では、「成果物」に重きを置いていたところから、第7版では「価値/価値提供」に焦点が当てられています。変化が激しくプロジェクトも多様化する時代の中で、決められた期限で決められた成果物を提供することではなく、より広義に「プロジェクト全体を通じ組織やステークホルダーへの価値の提供を目指す」ことに重点を置く内容に変わったといえます。

詳細に関する項目は以下をご覧ください。

プロジェクトにおける12の原理・原則

・スチュワードシップ
・チーム
・ステークホルダー
・バリュー
・システム思考
・リーダーシップ
・テーラリング
・品質
・複雑さ
・リスク
・順応性と柔軟性
・チェンジ、マネジメント

8つのパフォーマンスドメイン

プロジェクトマネジメント知識体系として、8つのパフォーマンスドメイン(活動領域)があります。12の原則に基づき、広い視野をもって以下の活動領域で行動することが示されています。

・チーム
・ステークホルダー
・開発アプローチとライフサイクル
・計画
・不確実性
・デリバリー(提供・納品)
・測定
・プロジェクト作業

今後PMP®試験を受ける方は、第6版に加えて、第7版の内容も学習しておくと良いでしょう。

参考「PMBOK®ガイド 第7版への変更について」日本プロジェクトソリューションズ

PMP®はキャリアアップに繋がる資格

PMP®は、あらゆる業界・職種で活用が可能なプロジェクトマネジメントスキルの国際資格です。
受験資格もあり、取得は決して簡単といえませんが、今後のキャリアアップにも繋がる有益な資格でしょう。

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