ヘッドハンターに聞く、50代×転職。その現実や企業が求めることとは?

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多くの人がキャリアの円熟期を迎える50代。「このまま今の会社で定年を迎えたい」と望む人もいれば「最後は自分が本当に好きな仕事に携わりたい」「会社の体制が変わったので心機一転したい」などと転職を意識する人もいるでしょう。
現在50代の人たちは転職をどのように考え、準備や面接に臨んでいるのでしょうか。業界や企業動向に精通するヘッドハンターに聞いた、50代の転職事情を解説します。
- INDEX(読了時間6分)
50代で転職している人の割合
まず、総務省統計局の調査※によると、50代に関連する非正規雇用を含む転職者比率は以下のように推移しています。
・45~54歳/2010年「13.4%」→2015年「15.0%」→2020年「18.4%」
・55~64歳/2010年「13.7%」→2015年「13.7%」→2020年「14.7%」
45歳から64歳までの転職者数(転職者比率)は、2010年は計77万人(27.2%)、2015年は計86万人(28.7%)、2020年は計106万人(33.2%)と増えています。なお、2020年の45歳から64歳までの転職者は、全体の約33%を占めており、50代で転職される方の割合は決して少なくはありません。
※「労働力調査(詳細集計)」総務省統計局 2020年
50代に見られる転職理由
50代の転職理由はさまざまです。特に、自分の実力を理解した上で、給与、やりがい、プライベートといったあらゆるバランスを取るようになり、入社可能な企業を探す傾向にあるといえるでしょう。
具体的には、今後のキャリアプランを考えた上で「役職定年が迫っているものの、転職してまだまだ全力で働きたい」「大手企業に勤めているが、小さい会社に移っても構わないので地元に貢献していることを実感したい」と、ポジティブに転職する人もいます。
一方で「子どもの学費がかかるので収入を落とせない」「家族の介護が必要になった」といった家庭的な事情もあれば「人間関係や仕事内容が刷新された」「早期退職を迎えた」など、所属する会社の環境が変化したことを理由に挙げる人もいます。
50代の転職は厳しい?
50代での転職 ハードルは高い傾向
50代になると、それまで培った高い専門性やマネジメントスキルを活かす求人に応募する方が多くなりますが、こうしたポジションは、メンバー採用と比較すると求人数自体が少なくなっています。
また、ハイクラスの求人であればあるほど、求められるスキルや即戦力としての期待値も上がります。外部から人材を採用するということは、自社にない経験を持つ人材を期待するケースも多いためです。従って、企業とのマッチングの難易度は上がるといえるでしょう。
転職後の年収について
厚生労働省の厚生労働統計一覧によると、50代の転職後の年収額は以下の通りです。
転職者の賃金変動状況
増加 | 変わらない | 減少 | |
50~54歳 | 36.7% | 28.4% | 34.6% |
55~59歳 | 21.2% | 28.4% | 48.9% |
年収が増加した人の数は、50~54歳で3割以上、55~59歳で2割以上いるようです。一方で、50代の中でも、55歳以上は年収が減少した人が増えていることがわかります。
転職を希望するのであれば、必ずしも年収が増えるとは限らないことは認識しておいた方がよいでしょう。
また年収だけでなく、前の会社で就いていた役職以下になることも覚悟したうえで、実力を認められるように業務に取り組むことが大切です。
異業界・未経験職種への転職について
50代は、豊富な経験があることから、異業種・未経験職種よりも、これまでの専門性やスキルを活かした転職をする方が多い傾向にあります。実際に、50代の未経験者を迎えて新しいスキルを身に着けてもらう余裕のある企業は少ないと認識しましょう。
もしどうしても未経験の職種に挑戦する場合には、まずは趣味や副業などから始めてみるのも一つの手です。また、マネジメントスキルや問題解決能力など、業界や職種を変えても活かせる普遍的なスキルをアピールし、諦めずに視野を広げてみることが大切です。
50代に求められるポイント
では企業は50代の転職者に何を求めているのでしょうか。主なポイントは以下の通りです。
- 実績
- 人脈
- 専門性
- マネジメントスキル
- 適応力や柔軟性
企業からは、職務経験が増える分、専門性やマネジメントスキルなどが期待されます。
先述したとおりその企業では経験したことのない規模での新規事業立ち上げや、プロジェクトをまとめた実績は、重宝されると考えられるでしょう。企業に需要のあるスキルに対してそれを持っている人材が少なければ、それだけ希少価値が高まるためです。
そのほかの例としては、法務や監査、人事などバックオフィス系のスペシャリストは、専門性や社内外とのコミュニケーションや周囲との調整力の経験が豊富と考えられることから、ミドル層以上の活躍のチャンスがあります。
50代の転職活動の進め方
実際に50代が転職活動する際に活用したいサービスは次の通りです。
- ヘッドハンティングサービス
- 人脈を活用
- 直接応募
- 転職エージェント、転職サイト
キャリアの壁打ち相手がいなかったり、思うような結果が出ない場合には、一度は転職市場を熟知したヘッドハンターや転職エージェントと相談し視野を広げることをお勧めします。第三者と会話する中で自身の過大・過少評価も分かってくるので、市場価値との乖離が防げるでしょう。
また、役員や管理職など、重要なポジションでの転職を目指している場合には、ヘッドハンティングサービスの利用も良いでしょう。重要ポジションは一般的にコンフィデンシャル扱い(非公開の求人)になることが多く、こうした非公開求人はヘッドハンターが保有していることが多いためです。
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50代での転職を成功させるためのポイント
50代が転職を成功させるために必要と思われることを以下に紹介します。
- 視野を広く持つ
- 優先順位を整理する
- 専門性を最大限に活かす
- 諦めずに粘り強く動く
年代やライフステージが変化することにより、仕事にもさまざまな希望条件の変化が生じるものです。転職活動は簡単ではありませんが、ご自身の中で譲れないポイントは何なのか、優先順位を明確にし、粘り強くチャンスを狙うことが成功のカギとなります。
そのうえで、自身の求める職務に見合う人材と判断されるよう謙虚な姿勢で真摯に面接に挑んでください。
アピールしたい実績も、ぜひ長年のキャリアの中で培った成果を生み出すノウハウや自分なりの方法論を具体的に交えて話しましょう。採用担当者に活躍のイメージを具体化してもらえるように伝えることがポイントです。
doda X(旧:iX転職)を活用して50代で転職を成功された方の体験談もぜひご覧ください。
https://doda-x.jp/success/vo_ag/50/index.html
50代の転職は焦らずに、広い視野で進めることが成功につながる
50代には豊富な経験が期待されることから、企業から求められるスキルやマッチングのハードルは決して低いとはいえないのが事実です。
一方で、定年の引き上げや再雇用の動きが活発になるなか、50代以上の活躍を必要とする企業も存在します。これまで培った職務上の専門性やマネジメントスキルなどを活かし、焦らずに活躍できる場所を探してみてください。
監修

新卒で当社に入社し、IT/通信業界向けの採用コンサルティングに従事。その後、ITエンジニア向けのキャリアアドバイザーとして転職支援や転職サポートの新サービス立上げに携わった後、現在は年収650万円以上の主にITエンジニア/コンサルタント職のキャリアアドバイザーに従事。IT領域のリーダーを経て、トップアドバイザーとして、これまでに約400名の方の転職支援を実現。

大学卒業後、住宅メーカーにて注文住宅の営業職に従事した後、2007年に当社に参画。キャリアアドバイザーと法人営業に従事した後、2015年~現在に至るまで年収650万円以上の企画・マーケティング職やコンサルティング職、営業職など、幅広い職種の転職支援を行っている。累計支援数は600名以上。国家資格キヤリアコンサルタント。

教育業界にて講師や営業職、マネジメントを経験。その後当社へ参画し、長年、消費財・メーカー・サービス領域の転職支援業務に従事。現在は650万以上のハイキャリアセールス領域の支援をメインに行っている。前職から現在に至るまで、幅広い年齢層の方を対象に15,000件以上のキャリアカウンセリングを実施。国家資格であるキャリアコンサルタントを取得し、転職希望者が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行っている。
[編集・構成]doda X編集部
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