カスタマーサクセスとは? 求人ニーズが増える背景や動向について解説

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サブスクリプション型(継続課金)のビジネスモデルが増えた昨今、いかにファンを増やし、顧客から長く愛されるサービスを作るかが企業の課題となっています。
そこで活躍するのがカスタマーサクセス。求人も急速に増えているため、近年ではカスタマーサクセスの文言が入った求人を目にする機会も増えたのではないでしょうか。
この記事では具体的にカスタマーサクセスとはどのような業務を行うのか、どのようなキャリアやスキルが必要なのか。また企業が求める条件やスキルについて詳しく解説します。
- INDEX(読了時間7分)
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは日本語に訳すと「顧客の成功」です。顧客の成功、すなわち顧客が望む目的の達成に向けて、自社サービスの価値を最大限感じられるように能動的に支援するのがカスタマーサクセスの役割です。
顧客の成功とは、対企業の場合、事業の収益拡大と定義づけられるでしょう。対消費者の場合は、顧客満足度の向上が一般的によく使われています。
カスタマーサクセスのミッションは、顧客の要望に対して先回りをして解決策を提示し、顧客の声をもとにサービスの改善に努めながら、自社の商品・サービスへの定着を促すことです。カスタマーサクセスの動きは自社の売上に直結するため、年々注目が高まっています。
カスタマーサクセスが注目されている理由
カスタマーサクセスが注目されている大きな要因は、消費者の購買形態の変化です。2019年頃より、1回ごとに商品やサービスを売り切るモデルからサブスクリプション型(継続課金)のビジネスモデルへの転換が加速しました。背景には、消費者の価値観が所有価値(モノ)から体験価値(コト)に変化している点が挙げられます。
サブスクリプションサービスは、顧客満足度が低いとすぐに他のサービスに乗り換えられてしまうシビアな世界です。だからこそカスタマーサクセスを強化することで、他社サービスとの差別化をはかり、常に選ばれるサービスへと成長させる必要があります。
カスタマーサクセスの求人動向について
カスタマーサクセスの求人は、新型コロナウイルスの影響で一時的に減ったものの、再び増加傾向にあります。
新型コロナウイルスをきっかけに働き方自体が急激に変わり、非対面での営業手法が広まったこと、リモートワーク環境を整備するための新たなシステムが導入されたことで、2020年9月ごろより求人は急速に増えているのです。
転職サービスdodaの調査※によると、「doda」に掲載されている“新しい時代に求められる営業職”求人(ここでは「カスタマーサクセス」と「インサイドセールス」が該当)の掲載数を2019年1月と2021年9月で比した結果、掲載数は3年弱で約9.6倍に増加していることが分かりました。営業職全体はほぼ横ばいのため、これらの職種が特に増えていることがわかリます。
※「第2回”新しい時代に求められる営業職”に関する調査」転職サービス「doda」
カスタマーサクセスの業務内容
カスタマーサクセスの業務内容は大きく3つに分けることができます。
・導入支援(サポート)
・継続利用の獲得
・アップセル、クロスセル
ただし、カスタマーサクセスは最近注目されはじめた職種のため、企業によっては業務内容の定義が異なるケースがあります。そのため、カスタマーサクセスの求人に応募する際は、面接時に人事や面接官から業務内容をしっかり説明してもらい、認識のミスマッチをできる限りなくすよう心がけましょう。
今回は、一般的なカスタマーサクセスの業務内容について解説します。
導入支援(サポート)
顧客がスムーズにサービスを利用開始できるように、導入支援を行うことをオンボーディングと呼びます。
具体的にはサービスの利用方法についての説明会開催や勉強会などの利用開始したばかりの顧客向けアプローチ。その他にも顧客の理解度に合わせたサービス活用の業務フローの設計・整理など1on1のアプローチを組み合わせた攻めのサポートを行います。
継続利用の獲得
カスタマーサクセスのミッションは、自社の商品・サービスへの定着を促し、顧客に継続的に利用してもらうことです。顧客と密にコミュニケーションを取り、良いタイミングで適切な提案をすることで、継続利用者を増やします。
アップセル、クロスセル
カスタマーサクセスには、顧客との信頼関係を築く中で、サービスの利用単価を上げることを目的としたアップセル(利用中のプランから上位のプランへの乗り換え)やクロスセル(他サービスのセット販売)を狙う「エクスパンション(拡張)」の役目もあります。
カスタマーサクセスの評価軸とは
カスタマーサクセスが目指すことは、「LTV(Life Time Value)の最大化」です。LTVとは日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれ、顧客から生涯にわたって得られる利益のことを指します。
このLTVの最大化に向けて、意識するべきなのは「継続率向上」「単価向上」です。評価軸に落とし込むと以下の3つを挙げることができます。
- アップセル、クロスセル率
提供しているサービスが複数ある場合はアップセル、クロスセル率に注目しましょう。顧客のロイヤリティが高い状態で最適な提案を行えば、アップセル、クロスセル率は上がります。
- オンボーディング完了率
顧客がサービスの利用を開始し使い方を理解した上で、定着した状態を完了とみなします。オンボーディング完了の定義は会社によって様々のため、何をもって完了とみなすのかは社内で認識の統一を行うことが大切です。
- 解約率(チャーンレート)
解約率は大きく2つに分類することができ、顧客ベースで解約率をみる「カスタマーチャーンレート」と収益ベースで解約率をみる「レベニューチャーンレート」があります。
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カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
カスタマーサクセスとカスタマーサポートはどちらも「CS」と表記されることもあり、混同している人も多いのではないでしょうか。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートは顧客の課題を解決するという点では共通していますが、役割やスタンスは大きく異なります。
この章ではカスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについて解説します。
顧客の成長を支援するカスタマーサクセス
カスタマーサクセスの特徴は、顧客の成功に向けて、積極的かつ能動的にアプローチする点です。特にSaaS企業を代表としたサブスクリプションサービスの場合、契約はゴールではなくスタート。サポートが悪いとすぐに解約につながりかねません。
カスタマーサクセスにとって、顧客のクレームがきてからアクションを起こすのは遅いのです。顧客に寄り添い伴走しながら、課題を先回りして解決し、より良いサービスへと反映させていくのがカスタマーサクセスの理想の姿だと言えます。
顧客の不満を解決するカスタマーサポート
一方で、カスタマーサポートは、顧客の不満が顕在化されてから解決へと動く受動的なアプローチが特徴です。コールセンターをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
カスタマーサポートの役割は、起きてしまった問題をなるべく早く的確な対応で収束させることです。そのため問題が起きる前より、起きた後の対応がメインとなります。また、顧客との関わり方は単発で終わるケースも多く、その時その場でどのような解決策を顧客に提示できるかがポイントです。
カスタマーサクセスへの転職で必要なスキル
カスタマサーサクセスのスキルは、営業職を経験している人であればすでに身についているスキルも多いでしょう。
この章では、カスタマーサクセスへの転職で必要なスキルを3つまとめました。
コミュニケーションスキル
カスタマーサクセスでは、いかに早く顧客と関係性を築き、顧客の考えや意見を引き出せるかが鍵となります。社内外でのスムーズなコミュニケーションスキルは、カスタマーサクセスにとって必須のスキルです。
データ分析力
カスタマーサクセスでは、顧客企業の活用データを元に課題や解決策を考えます。特に多種多様な業界・職種の企業が顧客となるケースでは、適切な切り口からデータを読み取る力が必要です。
提案力
カスタマーサクセスでは、顧客に伴走しながら潜在的な課題を言語化し、課題解決への提案を行います。提案力もカスタマーサクセスにとっての必須スキルだと言えます。
ただしハイクラス人材に対しては、上記は“身に付いていて当然”の基本スキルと見なされます。カスタマーサクセスはまだまだ専門部署や担当者を設置していない企業も多いため、特に事業部立ち上げや担当者育成など0→1ができるリーダーは重宝される傾向があります。
さらに事業スケールに向けてのKPI設計や組織づくりまで担える人であれば、年収の相場も上がる可能性があるでしょう。
カスタマーサクセスへの転職を成功させるためのポイント
カスタマーサクセスでキャリアアップを果たし、市場価値向上を目指す場合のポイントは以下の通りです。
顧客との密なコミュニケーションが求められることを理解しておく
カスタマーサクセスの仕事は、顧客と密にコミュニケーションを取りながら、顧客と一緒に自社サービスを成長させることです。
よって、本質に向き合いサービスの改善に尽力することで実績につながったエピソードがある人は、面接時に積極的に伝えましょう。その経験はカスタマーサクセスでも十分に活かせると判断してもらえる可能性が高いです。
自身のスキルを把握しアピールする
カスタマーサクセスで求められる「コミュニケーションスキル」「データ分析力」「提案力」のほか、自分の経験やスキルを棚卸しします。応募する企業の求人の応募条件に即して、現職(または前職)でのエピソードと紐付けられるか考えてみてください。これまでの実績を具体的な数値を交えてアピールすると、第三者である面接官もイメージがしやすいです。
スキルを活かせる転職先を選ぶ
営業経験のある人はカスタマーサクセスで必要な基礎スキルはほぼ身についていると言えるでしょう。さらに経験にマッチした要件の求人を選ぶことで、評価してもらえる可能性が高まります。
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カスタマーサクセスは注目度の高い職種! スキルを活かしてキャリアアップを
求人数が増えているカスタマーサクセスは、今注目の職種と言えます。営業経験者はもちろん、これまで顧客と密なコミュニケーションをとってきた人であれば、活躍のチャンスがあります。
カスタマーサクセスへの転職を目指すなら、まずは既存のスキルを棚卸しして、何が活かせるかをしっかり把握しましょう。カスタマーサクセスで求められるスキルに紐付けて面接官に伝えることができれば、幅広い年代にキャリアチェンジのチャンスはあります。
時代の変化に合わせて生まれる様々な職種の情報を収集しながら、自分を活かせるキャリア戦略を考えていきましょう。
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