MBA(経営学修士)とは? 取得のメリットや活かせる仕事、難易度と転職で活かすためのポイント

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MBAといえば、グローバルに活躍するビジネスパーソンが取得するイメージがある人も多いのではないでしょうか。実際に、楽天創業者の三木谷浩史氏やサントリーホールディングス社長の新浪剛史氏なども、MBAホルダーです。

しかしMBAという言葉は知っていても、具体的な内容は良くわかっていない人もいるかもしれません。「取得がどの程度難しいのか」「就職や社内での昇進に役立つのか」といった点も気になるところです。

今回はMBAについての基本的な知識を紹介しながら、取得のメリットや有効性を解説していきます。

INDEX(読了時間8分)

MBA(経営学修士)とは

MBAは「経営学修士」と呼ばれる学位の一つです。はじめにMBAの基本的な知識と、国内での評価や認識について解説していきます。

MBA(経営学修士)の概要

MBAは、Master of Business Administrationの略語で、和訳すると「経営学修士号/経営管理修士号」です。経営学の大学院修士過程を修了することにより取得できるもので、税理士や公認会計士といった国家資格とは異なります。

MBAは大きく分けると「日本版MBA」「海外MBA(欧米)」の2つです。日本のMBAの歴史は、1978年の慶応ビジネススクールからスタートしたといわれています。以降、続々とビジネススクールや大学院が手がけるようになりました。日本版MBAと海外MBAの違いは、評価の仕組みにあります。

海外MBAでは、客観性のある国際的な評価基準を用い、QAA(英国高等教育質保証機構)やAACSB(米国)などの第三者評価機関による評価が与えられるのが特徴です。一方で、日本の大学院の場合は、客観的な評価の仕組みがなく国際的な評価基準を満たしていません。

2000年以前、日本においては企業内でMBAの取得が重要視されてきませんでした。長く続いてきた終身雇用制の中、経営人材は社内で育成・登用が一般的であったため、経営ノウハウを理論的に学ぶMBAの需要はあまり感じられなかったようです。

近年では、2019年に文部科学省が取りまとめた「経営系大学院を取り巻く現状・課題について」によると、米国の上場企業における管理職等のMBA取得者は4割前後にも及びました。一方、日本の企業役員等での大学院修了者は、約5.9%と1割以下にとどまっています。

さらに、世界トップ500社の最高経営責任者(CEO)の31%がMBAホルダーということも、注目すべき事実といえるでしょう。

国内企業でもMBA(経営学修士)の評価が高まっている理由

2000年代に入り、国内企業でもMBA取得への注目が集まるようになりました。主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

  • グローバル化
    市場のグローバル化により、ビジネスの舞台が大きく広がりました。蓄積された知識や経験だけでは、国内外での競争力への効果に不安が募る中、世界水準の実践的理論が求められているのです。
  • 組織の多様化
    多様性のある働き方の推進、人材の流動化といった要因から、組織の内部も多様化・複雑化しつつあります。新卒で入った社員が順次昇進を重ね退職を迎えるのが当たり前だった時代は過去のものとなり、実力のある中途採用者を積極的に活用する企業が増加しています。

    また国や性別を問わず活躍できる、ダイバーシティ経営も目立つようになりました。組織内部の変革に合わせて、マネジメント理論も刷新されなければなりません。個々の能力を活かし、組織力を向上させる組織マネジメントにおいても、MBAが有効視されています。

  • 年功序列の崩壊
    先にもあったように、年功序列・終身雇用がゆるぎない時代には、MBAの必要性は薄いものでした。しかし時間をかけて人材育成をする余裕が失われつつある中、即戦力化しやすいMBA取得者の価値が上昇。
    特に、新卒では一定の可能性を持つ人材として評価される材料となっています。

MBA(経営学修士)の取得難易度や取得するメリットについて

MBAを取得することは、ビジネスパーソンとして主に経営や組織のマネジメントに携わるうえでのステータスとなり得ます。それではその取得難易度はどの程度なのでしょうか。

気になるMBAの取得難易度とそのメリットについて解説します。

MBAの取得難易度

MBAの国内、海外での取得難易度は、プログラム形式やビジネススクールによって異なります。取得に要する期間は、日米標準で最短で1~2年間、欧州は1~1.5年が一般的です。MBAでは、ビジネスの基本となる「ヒト・モノ・カネ」について体系的に学びます。

履修内容は、世界レベルで標準化されており、組織人事・組織行動論・マーケティング・財務会計・統計学・情報システム・マクロ経済学・ミクロ経済学と多岐にわたります。

米国のビジネススクールで学位を取得する例をみていきましょう。日本から米国のビジネススクールに出願をするためには、以下の準備が求められます。

  • 学士号(専攻は不問)
  • 大学での成績(GPA)
  • GMAT(基礎学力判定)
  • TOEFL(トップスクール:100~109点以上・中堅スクール:80~90点以上)
  • 小論文(essay)
  • 推薦状 2通
  • 職務経験(通常は3年以上の実務経験)
  • 面接(interview)
  • CV(英文履歴書)

MBA留学の準備期間として、多くの予備校では1,000~1,500時間、期間としては1~1.5年が必要とされています。
まず、大きな壁となるのが語学力です。専門用語が常用されるため、日常会話以上の英語力が求められます。受講資格を得ても、講義についていけなければ学位取得は困難でしょう。

さらに、論文や試験で所定の成績を収めることが前提となるため、他の資格取得と比較してもトップレベルの難易度と考えて相違ありません。書類選考を無事通過しても、そこから学位取得に至るまでには高いハードルが長きにわたって続きます。

MBA取得のメリット

MBA取得による主なメリットは、以下の4つが挙げられます。

  • マネジメントのプロとしての証明になる
    MBAは高度なビジネス知識を証明する資格です。社内でのポジション獲得や就職、転職の際のアピールポイントにすることができます。
  • 経営に対して俯瞰的な知見や判断力がつく
    市場環境の把握や動向推測ができ、自社の経営を俯瞰することで的確な判断をすることが可能となります。
  • 人脈形成の機会が増える
    MBA取得者同士の世代や国を超えたつながりを得ることが可能です。世界中のビジネスパーソンと交流できる機会が得られます。
  • 実用的なビジネス英語が身につけられる
    MBA留学を通じて、ディスカッションや交渉に対応できるビジネス英語が体得できます。グローバルに活躍するための大きな糧となります。

※実際にMBA取得をした経験について知りたい方やMBA取得を迷っている方はこちらの記事もご覧ください。

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MBA(経営学修士)を活かせる業界

経営全般に精通するMBAは、すべての業界に活躍の場があるといえるでしょう。なかでも、投資銀行やファンドなどの金融関連の世界的企業では、MBAホルダーを積極的に採用する姿勢が多くみられます。
財務分析や、財務モデリングスキルが問われるプライベート・エクイティ・ファンドでは、MBAホルダーの活躍が特に期待されています。

企業経営の課題を俯瞰的な視点から見出し、解決に導くコンサルティング業もMBAの知識が活かせる業界です。
また、スタートアップ企業やベンチャー企業では、MBAの知見を経営戦略立案やマネジメントに活用するため、プロダクトマネージャーとして採用する動きがみられます。近年は多角的なサービスを展開する、IT業界を希望するMBAホルダーが増加傾向です。

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MBA(経営学修士)は転職に有効か?よくある疑問について解説(Q&A)

MBAの取得には、膨大な労力と時間、経済的負担が生じます。そのため、MBA取得への意向を持ちながら、迷っている人も少なくありません。
ここでは、一般的に聞かれるMBAへの疑問について解説します。

  • MBAは外資系企業への転職で有利なのでしょうか?
    MBAを取得していることで、その努力や経験を評価してくれる企業はあるでしょう。海外留学をした場合には、語学スキルの証明にもなります。ただし、実績や職務能力が重視される傾向があるため、あくまでアピールポイントの一つと考えてください。
  • MBA取得者が転職市場で求められる能力やスキルはなんでしょうか?
    一般的には、MBA習得によるビジネスや、経営を論理的に思考する力、またMBA取得者としての実務経験が求められます。
  • MBAを取得すると年収は上がるのでしょうか?
    MBAを取得していること自体で、必ず年収が上がるわけではありません。単に取得しているだけではなく、理論的な思考やこれまでの実績からビジネスの拡大に寄与できることがポイントです。

MBA取得が転職の際に大きな評価点となるとは言い切れません。ハイクラス人材の場合は、MBAそのものだけでなく、これまで自分なりにどのようなロジック立てを行い、ビジネスに貢献できたかという実績が重視される傾向が強いです。一方で、特に若手であれば今後への期待も含めてMBAが活きる可能性もあります。
MBAは、キャリアアップを目指すうえでの補強材料の一つといえるでしょう。

【ハイクラス向け】MBA(経営学修士)を転職活動で活かすためのポイント

ハイクラス人材がMBAをキャリアに活かしていくためには、以下のような点を留意していくことが必要です。

  • キャリアチェンジかキャリアアップのいずれかを考える
    現職においてMBA取得による効果が見込めるのであれば、転職を必ずしも必要としません。キャリアアップを念頭にし、企業内での高ポジションを狙っていくことができます。しかし多くの日本の企業では、MBA取得だけでは必ずしもキャリアアップが期待できないのが実情です。
    MBAホルダーが評価される企業に転職し、キャリアチェンジを図ることで、人生が大きく好転する可能性も考えられます。
  • 企業ではMBA(経営学修士)に対する評価が分かれる
    日系企業でも、例えば総合商社やコンサルティング企業のような業種であれば、MBAの価値を認めてもらえる可能性が高いでしょう。同じ日系企業でも、業種や部門により評価が分かれることを理解しておく必要があります。
  • MBA(経営学修士)取得者が転職するならヘッドハンティングサービスがおすすめ
    MBA取得を活かしていくためには、その価値が正しく評価される企業への転職が有効です。ただ、個人が企業の価値判断を外部から知ることは、容易ではありません。特に、経営層に近いハイクラス求人の場合には、非公開で募集を行うことも多くあります。キャリアの可能性を広げるためには、ヘッドハンティングサービスを使用すると良いでしょう。

    ヘッドハンターは非公開求人を保有していることが多く、また求められるポジションをよく理解しているので、MBAの価値を最大限に活かす転職をサポートしてくれる可能性があります。

MBA(経営学修士)を転職で活かすなら、ハイクラスの転職サービスの活用を

MBAは、取得したからといって必ずしも評価が得られるとは限りません。MBAの価値をキャリアにおいて最大限生かしたいと考えている方は、ヘッドハンティングサービスを活用した転職を検討してみてはいかがでしょうか。
ヘッドハンターからのスカウトによって、自分では気づかなかったポジションに出会えるかもしれません。

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