プロダクトマネージャー(PDM)の年収は? 求人事例で紹介 | 仕事内容や必要なスキルも解説

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プロダクトマネージャー(PDM)という職種は、まだ聞きなれないという方も多いのではないでしょうか?
企業が製造する製品に関して、企画から開発、運用までの責任を持つ統括者としてのポジションがプロダクトマネージャーです。
気になるその年収や、仕事内容、キャリアパスや必要なスキルなどをみていきましょう。

INDEX(読了時間8分)

プロダクトマネージャーの平均年収

プロダクトマネージャーは日本ではまだ一般的な職種として定着していないため、正確な統計データが集まっているとは言い難い状況です。
加えて、プロダクトマネージャーといっても製造業、金融業など業界ごとに請け負う仕事内容や立場が異なるため、年収にも大きなばらつきが出ます。

以下はプロダクトマネージャー職を募集している企業の求人の提示年収の一例です。

プロダクトマネージャーの求人の年収幅事例

募集要項

年収

ヘルスケアサービスの事業企画立案・進捗管理 700万円~1,000万円
医療用眼科薬のマーケティング戦略立案・運営・評価 700万円~1,000万円
フリマアプリサービスの企画立案と分析 600万円~1,500万円
医療器具の新製品導入とマーケティング戦略立案 500万円~900万円
フィンテックサービスの企画、システム開発 550万円~700万円
化学製品の新規導入検討・販促活動 550万円~600万円
自動車部品の研究開発マネジメント 800万円~1,000万円
WEBプラットフォームのビジョン立案、制作進行管理 450万円~1,000万円
小売店独自商品の企画・生産管理 350万円~450万円
社会人向け講座の企画・開発・品質管理 450万円~650万円
総合物流業界での新規サービス提案・チーム育成 650万円~1,000万円

なかでも、IT業界はプロダクトマネージャー職が定着しつつあり、求人数も多く、かつ年収幅も平均的に高い業界です。
自社でWebサービスやアプリ、システムを開発して提供するIT企業の年収について、iX転職を利用している、IT業界を担当するヘッドハンターに聞いたおおよその年収は以下のとおりです。

IT業界のプロダクトマネージャーの平均年収

全体 800~1,200万円
ベンチャーなど小規模な会社 600~1,000万円
有名インターネットサービス企業など大規模な会社 800~1,500万円

全職種の平均年収が409万円(※1)であることを考えると、およそ200万円以上も高く、IT業界のプロダクトマネージャーは年収が高い職種といえるでしょう。

表のとおり、IT業界でのプロダクトマネージャーの年収は企業規模やサービス開発への投資状況によって変わります。SaaS、サブスクリプションサービス、BtoB向けシステム販売など製品開発を担う会社であれば、取り扱い商材の種類はあまり関係ありませんので、ご自身の年収を上げたい方は企業規模やこれからの成長性で判断すると良いでしょう。

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プロダクトマネージャーとはどんな仕事?

それではプロダクトマネージャーとは、日々どのような業務を行っているのでしょうか?
プロジェクトマネージャーとの違いや将来性を把握しましょう。

プロダクトマネージャーの仕事内容

「プロダクト(製品)」「マネージャー(管理者)」はその名のとおり、企業がみずから企画して世に生み出す製品の、企画から開発、運用まで全体を管理する統括者です。

業務の核は、市場の需要や社内の生産体制を織り込んで、製品のコンセプトを立案すること。
そのコンセプトを形にするために、開発のディレクションや進行管理、各所との折衝業務やコンセプト自体の調整、開発後は市場の反応や成果を分析した改善行動といった業務が生まれます。
プロダクトマネージャーが担当することのある業務を見てみましょう。

【企画】
・製品需要/ターゲットの調査
・市場分析、競合分析
・製品コンセプトの企画
・マーケティング戦略の策定*1【開発】
・開発ロードマップの作成
・開発中のコンセプトの管理/調整
・ステークホルダーとの折衝
・製品の要件定義、開発ディレクション*2
・開発の製作進行管理*2

【運用】
・成果分析、レポーティング
・製品の改善施策の立案
・製作体制の改善施策の立案

*1 プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)が担うことも多い
*2 プロジェクトマネージャー(PM)が担うことも多い

このように、製品にかかわる幅広い業務を担当するプロダクトマネージャーですが、まだ一般的にメジャーな職種ではないということもあり、会社の規模や業界によって、定義や求められる業務が異なる傾向にあります。

プロダクトマネージャー職に応募するときは、どのような業務が求められているのか、ひとつひとつ募集要項を読み込むことが重要です。
また、「プロダクトマネージャー」という職種で募集されていない求人でも、業務内容はプロダクトマネージャーに相当することもあるため、職種名に惑わされないようにしましょう。

プロダクトマネージャーと似た職種の違い

プロダクトマネージャーは比較的小規模な企業であればさまざまな業務を兼任することが多いですが、大規模な企業では業務が細分化され、それぞれに職種が割り当てられていることがあります。その一部をみてみましょう。

【プロダクトマネージャーに近しい職種】

プロジェクトマネージャー(PM)
案件ごとの開発要件をもとに体制を整え、スケジュールなどの進行管理を担います。計画どおりに効率よく進行することがミッションです。
似た職種で案件ごとではなく、製品ごとに責任者として開発の進行管理を担うプロダクトオーナー(PO)もあります。

プロジェクトマネージャーについてはこちらで詳しく解説しています。
プロジェクトマネージャー(PM)の平均年収は? 業務や資格も解説

プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)
製品のローンチ前後でマーケティング活動全般を管理します。
市場や顧客のニーズを見極め、定着率を上げるための販促活動の戦略策定を担います。
これらの職種は業務範囲が近しいため、プロジェクトマネージャーの肩書でも、実際はプロダクトマネージャーとしての業務を担っているということもあります。

プロダクトマネージャーの将来性

業界によりますが、プロダクトマネージャーは全体平均よりも給与水準は高い傾向にあります。
その分、プロダクトマネージャーには製品の企画から開発、運用まで幅広い部分をまとめ上げる能力と経験が必要なため、担える人材はそう多くはありません。
また、プロダクトマネージャー職はこれからさまざまな業界で定着していく職種と期待され、採用ニーズはますます高まると考えられます。
需要と供給のバランスを見るに、プロダクトマネージャーは今後も高い採用ニーズが見込める将来性のある職種といえるでしょう。
とくに、プロダクトマネージャー職が定着しつつあるIT業界では、昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れを受けて、さまざまなWebサービスやシステムの開発が加速しているところです。
製品開発の主翼を担うプロダクトマネージャーは、今後もIT業界の発展に欠かせない職種として成長していくでしょう。

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プロダクトマネージャーになって年収アップするには?

年収アップイメージプロダクトマネージャー職へ転職することは年収アップにつながるのでしょうか?
求人の想定年収などを見ていると大幅に年収アップしそうなイメージもありますが、実際にはほぼ変わらない程度の年収か、数十万円程度の年収アップになることが多いようです。
プロダクトマネージャー職は高度な管理能力や豊富な経験が必要なため、転職前からそのスキルや経験を活かして、高めの年収をもらっている方が多いのが要因のひとつのようです。
もちろん、入社時の年収は同程度でも、プロダクトマネージャーになることでより高い給与レンジが適用され、生涯年収がアップすることも期待できます。

それでは、プロダクトマネージャーになるにはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。

プロダクトマネージャーになるためのキャリアパス

プロダクトマネージャー職は一般的に入社してすぐに割り当てられる職種ではありません。
通常は製品の企画やサービス開発、製品の実制作に携わる中で、自社商材や業界事情、市場の知識が深まり、その知識を活かしてプロダクトマネージャー職になります。

 IT業界のキャリアパスの例

IT業界のキャリアパスの例

管理職は必ずしも経験していなければいけないわけではありませんが、プロダクトマネージャーは制作現場、マーケティング部、カスタマーサクセス、経営企画など関係各所との連携が必要になってくるので、管理職経験があると採用担当者から折衝能力に長けていると判断される場合があります。

また、プロダクトマネージャーは基本的に自社製品の企画開発を担うことが多いので、システムインテグレーター(SIer)や代理店、制作会社といったBtoBの受託会社から転職を希望するときに、製品の開発経験が少ないと判断されることがあります。

そういった場合は、顧客の製品開発まで深くかかわった事例をアピールすることで経験不足を補う、自社製品を扱う企業にまずは企画職、製品開発職、エンジニアとして転職してから、転職先の企業でプロダクトマネージャーを目指す方法などがあります。

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プロダクトマネージャーに必要なスキル

どのようなスキルがプロダクトマネージャーに必要なのでしょうか?大きく3つにまとめました。

1)製品の企画開発力
・ユーザーや市場の需要分析能力
・製品コンセプトのデザイン力
・製品に対する理解と経験
・既存の価値にとらわれない柔軟性

製品のコンセプト立案こそが、プロダクトマネージャーのキモとも言えます。
深い市場や顧客への理解からアイデアを生み出す必要があるため、分析や調査能力にも長けていることが求められます。
さらに、前例にとらわれずサービスを進化させていく柔軟性、社内事情を織り込んで落としどころを見つけるデザイン力なども問われるでしょう。

また、製品を売る市場とターゲット行動への理解は立案内容を左右するため、転職先の企業が今まで手掛けていた商材と近しいものを扱っている場合、有利にはたらくことがあります。
IT業界の例でいえば、BtoB向けグループウェアを開発していた人であれば、BtoB向け会計システムでも同じようにバックオフィス系のユーザーを顧客とするため、今までの経験を活かすことができるでしょう。

2)マネジメント力
・ステークホルダーとの折衝能力
・製品企画から開発、運用まで全体の把握力
・開発の計画力と進行管理能力
・開発方針のコントロール力

滞りなく開発を推進するためには企画から開発、生産体制、運用まで全体を見通した妥当な計画と、適切なタイミングでの微調整が必要で、この部分はプロジェクトマネージャーに求められる役割と重なる部分です。
プロダクトマネージャーは進行管理だけではなく、いかにコンセプトからはずれないかたちで製品を調整し、完成まで持っていくかが求められます。
製作現場をはじめ、営業部や経営企画部などさまざまな立場の人と円滑なコミュニケーションをとり関係構築していく力は製品の完成に欠かせないものでしょう。

3)改善力
・製品の効果分析力
・ユーザー行動の理解力
・課題解決力

製品をリリースするだけではなく、運用しながらより効率的な生産方法を探ったり、定着率アップを目指して製品を改良したりするPDCAを回す力もプロダクトマネージャーには欠かせません。
分析結果をもとに原因を切り分けて、ボトルネックを解消できる手法を試行錯誤する地道な取り組みに耐える忍耐力も必要でしょう。

まとめ

プロダクトマネージャーは豊富な企画開発や業界経験が必要なものの、世に出す製品に責任を持つやりがいのある職種で、平均よりも高い年収を期待できます。
企業側にとっても事業の中核を担う重要なポジションのため、非公開求人で募集しているところも多いようです。
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ぜひ転職活動に役立ててみてください。

監修
パーソルキャリア(株) エグゼクティブエージェント シニアコンサルタント

新卒でSIerに入社し、大手金融機関向けにネットワークインフラのソリューション営業に従事。その後、外資系人材サービス会社でITセールス&マーケティング領域の採用支援および転職支援に従事。ベンチャー・スタートアップに特化した採用アウトソーシング会社を経てパーソルキャリアのエグゼクティブ領域に参画。

[編集・構成]doda X編集部

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