転職ガイド  Step 2 応募書類の準備

職務経歴書の書き方

職務経歴書の基本的な構成要素や書き方のコツ、意識すべきポイントについて詳しく解説します。

職務経歴書は自分の強みを伝えるプレゼン資料

職務経歴書は、企業に対して「自分がどのような価値を提供できるか」を示す重要な資料です。応募先が求める人材像を理解したうえで、自身のスキル・経験・課題解決の実績を、端的かつ具体的に伝えることがポイントです。

必要書類一覧と役割

職務経歴書

過去の職務経験や実績・スキルを詳細に記載し、応募者の強みを伝える資料。

使用タイミング
書類選考・面接時

履歴書

年齢・学歴・職歴などの基本情報を記載し、応募者のプロフィールを確認する資料。

使用タイミング
書類選考・面接時

※職務経歴書は、書類選考において最も重視される資料です。次章では、作成時の具体的なポイントを解説します。

職務経歴書の基本構成とポイント

1

職務要約(概要)

  • 社会人としてのキャリアを3〜5行(200文字以内を目安、長くても300文字程度)で簡潔にまとめる。要点を端的に表現できる要約力もみられているため、長すぎたり短すぎたりする記載は避ける。
  • 成果・実績は応募職種や求人要件に関連するものを優先して記載。
  • 採用担当者が短時間で「募集要件に合致すると判断できるか」「要約以降の内容(職務経歴詳細や自己PR)を読み進めやすくなるか」を意識して記載する。

良い例

IT業界にて10年以上のプロジェクトマネジメント経験を有し、複数の大規模案件を予算・納期内で成功に導いた実績があります。特に業務改善領域に強みを持ち、部門横断でのプロセス最適化を推進。直近携わったプロジェクトにおいては結果として、年間コストを15%削減し、社内表彰を受けました。

悪い例

IT業界での経験は長く、複数の部署で業務に携わってきました。他部署連携で培ったコミュニケーション力には自信があります。

2

職務経歴詳細

  • 「いつ・どの部署で・何をして・どんな成果を出したか」を明確に記載。
  • 実績は数値などの客観的事実を用いて具体的に表現。
  • 会社情報(事業内容・従業員数など)も簡潔に記載。
  • 部署異動や役職変更がある場合は、その区切りごとに記載。
  • 経歴の記載順については、現在→過去の順に記載を推奨。
    直近数年の経験が特に重視される傾向があるため、現在から過去にさかのぼる形式が望ましい。

~主な構成項目~
・概要
・主な業務内容 
・成果・実績(貢献内容・工夫したポイント・応募職種との関連性)
実績のみを書くのではなく、それに至るまでに自身がどのような役割でどのように行動したのか、仕事への姿勢や取り組み方が伝わるような記載を心掛ける。

良い例

(課題に対して工夫したポイントの記載がある)
各担当者によってばらつきのあった提案資料の標準化やヒアリングフローの見直しを行うことで、チーム全体の業務効率を向上させました。顧客の課題に対して本質的な解決策を提示する姿勢を評価され、リピート率が向上、売り上げも前年比120%となりました。

悪い例

(結果の羅列のみになっている)
営業として複数の法人を担当し、売上にも貢献。前年比120%以上の売り上げ達成を成し遂げました。

3

活かせる経験・知識・技術/保有資格

  • 応募職種に関連するスキル・経験を優先して記載。
  • 業務で培った知識や使用可能なツール・言語などもあれば記載する。
4

自己PR

  • 応募職種や求人要件に即した強みを意識的に入れるようにする。
  • ミドル層以上では即戦力としてのスキル・経験が重要視される傾向があるため、「推進力」「調整力」「再現性のある成果」などを具体的なエピソードとともに伝えられるとよい。
  • 上記を踏まえて、リーダーや役職者など組織の中核人物としての活躍イメージが湧く内容を意識する。

良い例

私の強みは、部門間の利害調整を行いながらプロジェクトを推進する調整力と、メンバーの強みを活かしたチームビルディングによる推進力です。関係者が50名程度の大型案件でしたが、メンバーそれぞれの特性を考え、チームとして柔軟に動ける体制を作りました。その結果、新規サービスの要件定義からリリースまでを予定より2週間早く実現しました。結果として、初月で目標比150%の利用件数を達成し、社内の成功事例として共有されました。

悪い例

(内容に具体性がない)
・コミュニケーション力には自信があります。人と話すのが得意で、常にチームワークを大切にしています。

こんなときどうする?ケース別の書き方Q&A

転職回数が多いのですが、書き方として意識すべき点はありますか?
  • 職務経歴書がつい長くなってしまうケースがありますが、総ページ数は多くても最大A4/4枚程度に抑えるように心掛け、記載内容にも優先順位をつけて、詳細に記載するところと内容を抑えるところを調整しましょう。
  • 優先順位は、求人要件と関連性の高い経験に重点を置くようにしましょう。今回の応募職種や求人要件とは関連性が薄い経歴については、概要を軽く記載する程度でいいでしょう。
  • 転職回数が多いことは問題ではありません。経験豊富であり、柔軟性が高いと高評価を受けることもあります。ただ、短期在籍が複数回続いている場合は、企業側が「また短期離職になってしまうのでは」と懸念する可能性も。やむを得ない転職理由(例:会社の倒産、大幅な業績悪化、転居など)がある場合は、補足として記載することで、採用担当者の理解を得やすくなります。
新卒で入った会社で長く勤め、今回初めての転職活動となります。
記載事項として意識すべき点はありますか?
  • 長期在籍は腰を据えて働いてもらえる印象につながります。ただ、一方で企業は変化に対する「柔軟性」も重視します。特に、ミドル層以上で1社経験が長い場合、新たな環境への適応力があるかどうかを企業は見たいと思っています。そのため、異動・出向経験がある場合は漏れなく、積極的に記載するようにしましょう。
  • 異動経験がなく、同じ部署での経験が長い場合であっても、自組織が抱える課題や外部環境の変化に応じて新しい取り組みの推進を行った経験などを自己PRに盛り込むことで仕事に対する柔軟な姿勢や適応力が伝わりやすくなります。
異業種・異職種への転職を希望しています。書類通過のためのポイントを教えてください。
  • 過去の経験と応募職種・業種との関連性を想起しやすい内容を中心に記載しましょう。
  • 即戦力として活きるポータブルスキル(汎用性の高いスキル)を軸に、どのような環境でも成果を出せる人材であることを伝えましょう。
機密情報が多い業務で詳細を書きづらいのですがどうしたらいいですか?
  • 取引先企業が特定されないよう配慮しつつ、成果を記載しましょう。
  • 新規プロジェクトなどで具体的な内容が言えない場合については、「新規事業開発」「最新技術活用」などの表現で企業の興味を引く工夫を。
管理職ポジションでの転職を希望しています。書類に優先的に書くべきことはありますか?
  • マネジメント人数・管理職としての役割・成果を具体的に記載しましょう。
  • 特に、管理職としてどのような課題に対して向き合い、何を行ってきたのかは重要となります。管理職の位置づけや求められる役割・ミッションは企業風土や規模によって様々なため、応募先企業と自身の経験がマッチするかどうか判断するためにも、詳細に記載するようにしましょう。
  • 管理職未経験の場合でも、プロジェクト推進やチームリーダーとしての経験があれば、それを具体的に記載することで、管理職候補としてのスキルや経験があることを伝えられるでしょう。

転職のプロによるアドバイス

職務経歴書は定期的にアップデートを

スカウトを増やすためには、職務経歴書を継続的にブラッシュアップすることが重要です。まず、キャリアの棚卸しを行い、経歴を網羅的に記載できているか確認しましょう。さらに、最新の成果を定期的に追加することも大切です。

キャリアの棚卸しで強みを明確化

自分の魅力を的確に伝えるためには、キャリアの棚卸しが不可欠です。適切に整理できている人は、的を射た自己PRが可能になります。今までのキャリアで担った役割、具体的な成果、培ったスキルやマインドを整理しましょう。

監修者プロフィール

藤本 明日美

dodaキャリアアドバイザー

新卒から人材業界で法人営業を経験し、2021年にパーソルキャリア株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして、人事・総務・法務職の方を中心に多くのキャリア支援を行う。現在は、40代後半以降の方を中心としたハイクラス転職のご支援に従事。豊富な経験とスキルを持つミドル層の方々が新たなキャリアを築くためのサポートを行っている。

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