見落としがちな転職のコツ

2020年1月7日

1on1とは?成果を圧倒的に上げるメンバーとのコミュニケーション術を解説(中編)

doda Xでは、転職サービスに続き、対話によりキャリアを整理できるサービス「doda X キャリアコーチング」の提供を開始しました。前編に引き続き、本サービスの提携先である、業界大手で、これまで延べ5,000人の支援実績を持つエール株式会社 代表取締役 櫻井 将さんにコミュニケーションについて寄稿いただきます。

チームの成果を圧倒的に上げる、上司のコミュニケーションとは?(中編)

こんにちは。櫻井です。前回は、「メンバーとの1on1ミーティング(1対1でのミーティング)」が注目されている背景について解説しました。ただ、現在多くの組織で1on1ミーティングが実施されてはいるものの、実際にやっている人の話を聞くと、長続きしなかったり、現場から「やる意味があるのか」といった疑問の声が上がったりするケースが少なくないようです。今回は、1on1ミーティングで何ができると、チームの成果につながるのか?現代に必要なリーダーシップについて解説します。

不確実で複雑なVUCAの時代にあるべきリーダーシップとは

これを理解するカギとなるのが、「セルフ・アウェアネス(内省、自覚、自己認識)」です。『セルフ・アウェアネス』(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編/ダイヤモンド社刊)の日本語版に寄せて、立教大学経営学部の中原淳教授は「セルフ・アウェアネスは、2020年代のリーダーにとっての必修科目となるだろう」と述べています。

従来の「リーダー」像は、人を圧倒し、権力を持って人を動かせる人でした。数字、ロジック、ビジネスモデルを語り、自他の感情など省みない、そういう人がリーダーのあるべき姿とされてきたのです。しかし、現在はVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)という言葉で表される時代になりました。

この時代には、1人のリーダーが強力なリーダーシップを発揮するだけでは対応しきれません。代わりに、多様なメンバー全員がリーダーとなり、それぞれの強みを発揮してチーム全体のパフォーマンスを上げていく、そういう形にリーダーシップのあるべき姿が変わりつつあるのです。

メンバー全員がリーダーであるためには、メンバーそれぞれのセルフ・アウェアネス、つまり自分自身についての「内省」を深め、自分の強み・弱みに気づき、それを周りに伝えていくことが重要だと言われています。これを促すことができるのが、1on1ミーティングに代表される「相談」「雑談」「対話」コミュニケーションです。それでは一体、何を相談し、雑談し、対話すれば良いのでしょうか?

後編では、メンバーとの1対1のコミュニケーションで効果的に内省を深める方法について解説します。

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