見落としがちな転職のコツ

2020年8月18日

転職への道を開くかもしれない、職務経歴欄の「たった5文字」

職務経歴に記した5文字が年収倍増の転職につながった

以前、エグゼクティブ向けのヘッドハンティングを担当していたヘッドハンターから聞いた話を紹介します。そのヘッドハンターは、ある企業から新規事業のために「ワイン醸造家を採用したい」という依頼を受けました。

転職希望者の登録情報の中から、「ワイン醸造」をキーワードに検索したところ、ヒットしたのはわずか10人。その中で、企業に紹介できる可能性がありそうな方は1人だけでした。しかもその方が登録したのは8年も前のことで、それ以降、転職活動をされた履歴はありません。
とにかく話だけでもしてみようと、その方にコンタクトを試みました。スカウトメールを何度か送り、さらに電話をかけること数回を経て、ようやく話をすることができました。

その後、その方にワイン醸造に関するご経歴や転職の意向を確認したうえで、企業に引き合わせをし、何度かの面接を経て採用に至りました。新規事業に関する重要なポジションで、その方の年収は倍以上になりました。

「職務要約」「職務経歴」欄に手がかりを残す

doda Xには、「職務要約」「職務経歴」を入力する欄があります。「職務要約」は、ご自身のこれまでのキャリア全体を大まかに説明するもの、「職務経歴」は所属企業・団体ごとに詳細な職務内容を記すものです。

この2つの記入欄は、最初にdoda Xに会員登録した際に「あとで時間がある時にじっくり考えて書こう」と思われるためか、まったく記入せずそのままにされているケースが多くあります。あるいは、読みやすい文章でないと評価が下がるとお考えなのかもしれません。

ヘッドハンターは、最初から「職務要約」「職務経歴」をじっくり見るわけではありません。まずは、数多くいらっしゃる登録者の方の中から検索で絞り込み、企業にご紹介できる可能性が高そうな人に当たりを付けてから、詳細を確認する手順を踏みます。

逆に言えば、検索で見つけられないことには、スカウト候補になる可能性が極めて低くなってしまうのです。もちろん、情報を整理して読みやすく「職務要約」「職務経歴」を記すことも大切ですが、その“書きぶり”のクオリティは実はそこまで重視されていません。

今回ご紹介した「ワイン醸造」の事例のように、たった5文字が手がかりとなって転職につながるケースもあります。まだ「職務要約」「職務経歴」欄を記入していない方は、検索を意識してキーワードだけでも記入しておいてみてはいかがでしょうか。

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