見落としがちな転職のコツ

2019年12月24日

年収交渉で失敗しないために知っておくべきこと

年収交渉はヘッドハンターとの連携が不可欠

「お金」の話は、希望条件や交渉時の振る舞いが、選考結果にまで影響を及ぼしかねないセンシティブなものです。採用するかどうか評価が定まっていない面接の段階では、基本的に年収の話はしません。具体的な年収交渉は、企業と転職希望者の間にヘッドハンターが“緩衝材”として入り、企業とヘッドハンターの間で行われることになります。

では、転職希望者は黙って見守る以外にできることはないのでしょうか。いいえ、方法はあります。転職希望者の方がすべきことは、転職活動を進めるなかで変化していく年収・希望条件などの情報を、「常に」ヘッドハンターに共有し続けることです。

年収交渉がどのタイミングで発生するかは、企業によってさまざまです。複数回の面接がすべて終わり、オファーを出す前の段階で年収を検討し始め、その際に「相談」という形でヘッドハンターと交渉に入る企業もあれば、すべての面接が終わらないうちに、例えば事業責任者の面接が終わったあたりで社内のすり合わせが済み、ヘッドハンターと交渉に入る企業もあります。

ですから、いつ発生するか分からない年収交渉に備えて、転職希望者の代理人として交渉に臨むヘッドハンターに、交渉材料を渡しておくことが必要なのです。

希望年収額の「理由」も用意しておく

年収交渉において一つ重要な点は、年収を含む待遇について社内の決裁が下りた後にそれを覆すのは、非常に難しいということです。

例えば、最初のヘッドハンターとの面談で、あなたが年収の希望条件を「700万円以上」と伝えてあったとしましょう。その後、企業に応募し、選考が進んでいってもその情報がアップデートされていなければ、ヘッドハンターはその条件で企業と年収交渉を進めます。

一方、あなたが面接で複数の企業と話していくなかで、「800万円以上は必要」というふうに希望条件が変わっていったとします。でも、それをヘッドハンターに伝えないままでいれば、企業から年収750万円のオファーが来た時に、それを800万円に引き上げる交渉は困難を極めます。少なくとも、750万円から800万円にするに妥当な根拠が求められるでしょう。結果として、せっかくのオファーを諦めざるをえなくなるかもしれません。

そのため、年収の希望条件と、それだけの年収を得たい・得るべき理由を、ヘッドハンターと「常に」共有しておくことが必要なのです。例えば「子どもを私立の学校に行かせるから、3年後にこれだけの年収が必要」「住宅ローンを現職の給与を前提に組んだ」といった私的な事情も「理由」になりますし、場合によっては企業を納得させる材料になるからです。

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