見落としがちな転職のコツ

2019年11月05日

面接後に「経営陣との会食」が設定された。これは選考?

選考の一環として、経営陣あるいは部下との相性を確認される

ハイクラス転職の場合、転職希望者の方と、転職先の経営陣あるいは配属予定の部下との相性が、ジュニアクラスの転職よりもずっと重視されます。採用企業にしてみれば、より替えのきかない、失敗の許されないポジションの採用だからです。

特に事業責任者以上のクラスの場合、経営陣との関係の善し悪しは会社全体の戦略が目指す成果に直結します。また、事業部の社員との相性も、その成果を生み出す過程に大きく影響し、やはりその先の結果を大きく左右します。ハイクラス転職では、経験やスキルはもちろんのこと、人間同士の相性がより大事だと考えられているからです。

そこで、関係が上手くいきそうかどうかを見極めるため、ハイクラス人材の採用プロセスでは、最終的なオファーの前に採用企業が転職希望者の方と経営陣との会食を設定するケースや、面接後に事業部のメンバー数名と引き合わせるケースが多くあります。

採用企業はあなたの“本性”を見極めたい

「会食」と聞くと、「もう採用はほとんど決まっているのかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、採用企業の側はこの会食を「重要な選考の場」として位置づけていることを、転職希望者の方は認識しておくべきです。むしろ、面接より重要とも言えます。オフの場で、アルコールが入ったりすると、面接では分からなかった人柄があらわになります。そうした部分を見て、総合的に入社後の活躍がイメージできるかどうかを測るのが、会食の場なのです。

重要度という意味では、配属予定の事業部メンバーとの引き合わせについても同じです。どれだけ実績や能力があっても、現場の既存の社員との関係が上手くいかなければ成果をあげるのは難しいでしょう。そのため採用企業は、採用する人とシナジーを利かせたいメンバーと話をさせ、メンバーの意見を聞くプロセスを入れるのです。ある会社では、部下になる予定の社員5名に必ず引き合わせ、そのうち一人でも難色を示したら採用しないルールを設けています。

ただ、このような会食や事業部メンバーとの引き合わせに、具体的な「対策」はありません。その場ではいいように取り繕ったとしても、入社後、実際に仕事をしていくとごまかしが利かない部分だからです。

そのため、転職希望者の方ご自身も、これから本当にこの経営陣とやっていきたいと思えるか、部下になる人たちの相性に問題はなさそうかを見極める場として、これらの機会を最大限に活用することが望ましいでしょう。

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