見落としがちな転職のコツ

2019年8月20日

社外秘のプロジェクト経験、ヘッドハンターにはどこまで開示すべき?

隠しすぎるとスカウトの対象になりにくい

ハイクラス人材によくあるのが、「社外秘」のプロジェクトに携わった、あるいは現在進行形で携わっている、というケース。その経験を職務経歴として書くことができれば、強力なアピール材料になるのに、「社外秘」だからという理由で、必要以上に「隠して」しまう方が多くいらっしゃいます。

例えばこんな感じです。

ハイクラス層向けの新規事業開発(人材マッチング領域)
※社外秘のため委細は記載できません。

これは、実は当サービス「doda X」のプロジェクト責任者が職務経歴を書いたとしたら…という想定の記載例です。

リスクマネジメントの観点ではこれで良いのですが、仮にあなたがヘッドハンターになったつもりでこれを見た時、この人をスカウトしようとは考えにくいのではないでしょうか。実際のヘッドハンターは、限られた情報からでもある程度はその方のキャリアを推定できますが、これではお手上げです。

社外秘のプロジェクトでもヘッドハンターに伝えられることはある

秘密にしなくてはならないことは隠しつつ、ヘッドハンターがスカウトしたくなるように職務経歴を書くにはどうすれば良いのでしょうか。ここで、先ほど例に挙げたのと同一人物の職務経歴を、「問題にならない範囲で」書いてみます。

ハイクラス層(年収●●万以上)を対象とした、新規事業の開発(ヘッドハンターと求職者のマッチング)を推進。

  • 事業開発体制構築(経営陣との合意形成、プロジェクトメンバーの選定)
  • 事業コンセプト策定(意義・目的の明確化、ビジネスモデルの検討、事業計画立案)
  • サービス開発(システム開発、サービスサイト制作、カスタマー体制構築)
  • コミュニケーション戦略立案・実施(ポリシー、予算策定、メディアミックス、コミュニケーション方法策定、実施後モニタリング)
  • 営業戦略策定(人員の確保・配置、ターゲティング、KPI策定)
  • 運用モニタリング(KPIモニタリング、サービス改善体制の構築・運用)

【役割・関わり方】
プロジェクトリーダー(実行責任者)として、立ち上げ当初より全ての工程に携わる。
レポートラインは事業責任者であるプロジェクトオーナー。
配下メンバーは10名(サービス開発部署)。
サイト開発、システム開発、マーケティングコミュニケーション、カスタマーサポートなどの関係部署との連携(サービス開発部署が司令塔の役割)を実施し、上記を実行。

ポイントは2つあります。

1つは、「意味・定義が相手に伝わるものにすること」。元の例では、一般的でないワード、「ハイクラス層」や「人材マッチング領域」といった「社内ではきちんと定義されているけれども、社外には意味が伝わらない」ワードがありました。これを、可能な範囲で具体的に説明するだけで、ヘッドハンターはより深くあなたの経験を理解できるようになります。

もう1つは、「何をしたかを書くこと」。携わった商品やサービス、プロジェクトの「内容」は書けなくても、「関わり方」は書けるはずです。例えば、何人くらいの人が関わったプロジェクトだったのか、その中でのあなたの立ち位置・役割、担当したタスク、それぞれのタスクにどの程度深く関わったのか、といったことが書かれていれば、ヘッドハンターはあなたの経験や力量を十分に把握できるでしょう。

職務経歴に、社外秘のプロジェクトに関わった経験を書かれている方は、一度記載内容を見直してみてはいかがでしょうか。

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